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私情警察6 ~中編~

「どうぞ、おかけください…加納さん」


「失礼します………」


中年女性の名まえは加納登美子。依頼者の母にあたる。

彼女は静かに腰掛けた。


「話しは聞いております…。息子さんの無念を晴らしてほしい…ですね?…」

「はい。息子には愛犬がいました。その仇を取ってほしいのです…」

「犯人は動物虐待の常習犯で…今回息子さんの愛犬が被害にあわれた…」


彼女は頷いた。


「私と息子は犯人に何度か注意しましたが…聞く耳をもちませんでした。それどころか私たちをターゲットにして、犬のウルフィーにもいたずらをしてくるようになりました。家の庭に爆竹を放り投げたり、犬や私たちを改造銃で撃ってきたり…そして先月…ウルフィーはヤツのボウガンを腹部に喰らって…」


(亡くなったというわけか…)


「犯人は犬より知性がないですね…」

「警察にも相談したのですが…。立証が難しいとのことでした」


(…裏の人間とつながりがあるか…もしくは誰かの入れ知恵か…)


「そいつはいつも言ってました。動物はイジメても訴えられないから楽だと…。そして、それ以来…息子は部屋に閉じこもってしまってしまいました…」


すべてを話すと加納さんは手をギュッと握りしめた。


「あいつは…反省なんかしていない!ヤツにとってはただのペットなんでしょう…。でも!わたしたちにとっては家族も同然だった…!!」


ギュッと握った拳は悔し涙で濡れていた。


「あなたの事情は理解できました…」


だが…オレには必ず聞かなければならないことがある。


「加納さん。オレがすることは法に反することです。そしてあなたはその犯罪に加担するのと同義…。その意味がわかりますね…?」


「ええ…!息子とウルフィーの無念と晴らせるなら…かまいません!」


その瞬間…加納さんの顔が豹変した。


「もう一度!息子の笑顔が見たいのです!お願いします!!」


すべてを話し終えた加納さんは、オレに頭を下げてきた。


「わかりました…。あなたの無念…オレがはらしましょう……!」

「ありがとうございます…!」

「オレも犬を飼ってたんで…ペットは家族同然という感覚…わかりますよ」

「そう…なんですね…ここに来てよかった…!」


外道が生み出す負の連鎖…。それによってうまれた無念。

覚悟するがいい…!外道が…!貴様は人生を謳歌おうかする資格はない…!

おまえがしてきた虐待の数々…すべておまえ自身に味あわせてやる。

人生のツケは必ずまわってくるということを…オレがその体に刻み込んでやる…!





資料によると、外道は神出鬼没なようで今回は場所を特定できなかった。

だから自分で探す必要がある…。

一つ分かっているのは…半グレとつながりがあるらしいとのこと。


まぁ…それだけ分かれば、充分だ。


歩くこと20分。資料の半グレ集団がいた。相手は10人か…。


ツカ……ツカ……ツカ……


「よう、アホども。コイツを探しているんだが…知らないか?」


オレは手に持っていた写真を見せた。


「あ?なんだぁ?」

「ここはなぁ!オレら大乱闘集団【巣魔武羅】が…ぐべ!」

「質問に答えろよ、アホ。おまえらの名まえなんて聞いてねーよ」


オレの右足がヤツの顎にキレイに当たっていた。

自然と体が動いてしまった。

ムシャクシャしてやった。今は反省している。


「すまんなぁ、オレは外道アレルギーなんだよ」

「こ、このやろぉ~やっちまえ~」


ここからはいつもと同じ展開だ。

この間の投石で肩が少し痛むので、今回は足技だけで闘うことにした。

ローキック、前蹴り、テンカオ、旋風脚、水面蹴り。


…そして最後はストンピング(踏みつけ)!


もっと二段蹴りとかやりたかったが…フェイントが必要な相手ではなかった。


(オレが出す技ぜんぶに当たりやがる…つまんねぇヤツらだ。)



「お、ううう…」

「俺たちが、手も足も出ない…だと…?」

「クソが…!なんて強さだ…!」

「おまえらが弱いだけだ。よく言うだろ?吠えるイヌは噛まないってよ」


どれがリーダーかわからないが、とりあえず一番近いヤツを鷲づかみにした。


「無駄口はいらない。知っていることだけを話せ。こいつはドコにいる?」

「今日は…中央区の金持ちの犬をからかいに行くって…」

「そうか、情報提供ありがとよ」


オレは10人のサイフからそれぞれ金と免許証を奪って、その場をあとにした。


「ちょっとバイク借りてくからな」

「や、やめろぉ、やめてくれぇ~」

「おまえ…!それは窃盗だ!犯罪だぞぉ!?」

「あ?おまえら不良がいつもやっていることだろ!?じゃな!」


ブロロロロォォ……


オレはその場をあとにした。

バイクで走ること約10分…。

例の中央区に行くと、ヤツは一人で薄暗い路地に入っていった。

オレは背後から忍びよる。


「よう、アホ。断罪の時間だ」

「うお!?なんだ急に!?いつのまにオレの背後を…?」


外道はあわててボウガンをオレにむけるが……遅い!!

ヤツの両肘をつかんで肘のくぼみをグリグリしてやった。


「あがが!しびっ…れる!」


外道がボウガンを地面に落とした。

さらに間合いを詰めて…背負い投げ!


「か~ら~の!全体重を掛けたエルボー…だ!!」


ボグ!


「…………がぁ!う、うあ…!!」


こうして、ターゲットを捕獲したオレはいつもの場所に連れ込んだ。

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