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20.第一章 裏 [顧問]


始めての部活が楽しみすぎて、教室のある2階から校舎裏まで、数秒という驚異のスピードで走る僕。


6限目が終わってから2分ほどで校舎裏に到着。

校舎裏には勿論誰もおらず1人佇む(たたずむ)僕。

そうだっ、これからのスケジュールを立てないと!

急いで鞄からノートとペンを出し、一週間のスケジュールを書き込んでいく。


大体のスケジュールを書き終えそうな頃、1人、2人と部員が集まった。


「すみません!!先輩をお待たせしてしまい!」と神宮寺くんが深く頭を下げる。


「全然大丈夫だよ!僕が早く来すぎただけだから…」と頭をかきながらこたえる。


「鷹柳先輩、今日から部活を開始するのはいいんですが、部として立ち上げるには顧問が1人必要って言ってましたよね?」と福居さん。


「うん、そうなんだよね、今のところ桜井先生に声をかけてるんだけど、バレー部の顧問もやってるから難しいかも……誰かやってくれそうな先生に心当たりはないかな?」と皆に問いかける。


すると全員がうーんと考え込む中、南さんが、

「顧問って新任の先生でもいいのかな?良いのなら私のクラスの副担人の吉良義人(きらよしと)先生なんかどうかな?」


ちなみに1年生組の4人、南さん以外は皆1年A組で、南さんだけ1年D組だ。


「吉良先生?あぁあのさわやか先生か!でも人気ありそうだからもう他の部活に引き抜かれてるかもなー」と榊原くん。


「なら急がないと!鷹柳先輩!一足先に先生を確保してきます!」と神宮寺くんが走って行ってしまった。


「ちょ、ユウくん!…ったく、私も追いかけますね」と南さん。

南さんと神宮寺くんは同じ中学らしく仲が良い。


南さんは咄嗟(とっさ)に自分の携帯番号を僕に伝え、神宮寺を追いかけて行った。


「わ、私達はどうする?」と福居さん。

「待ってればいいんじゃね?」と榊原くん。

「……」と高津くん。


「うーん、もしお願いするなら、部長になる僕が行かないと意味がない気がする。それにお願いする時は人が集まっているって事も伝えたいから、皆も一緒についてきてもらえるかな?」と皆に話し、消えた神宮寺くんを探しに校舎へ向かった。



探しまわった結果、神宮寺くんと南さんは1年D組にいた。

教室では数人の女子生徒と、恐らく吉良先生がおしゃべりをしているようだ。


「神宮寺くん、南さん、遅くなってごめんね、あの人が吉良先生?」と二人に尋ねた。


「はい、そうです。先輩に電話しようと思ったんですけど先輩の番号聞くの忘れてました」アハっと少し照れながら笑う皆さん。


「ううん、僕が伝えなかったのが悪かったよ、ごめんね。

でもみつけられて良かった、じゃ先生に話をしに行こうか!」と皆に伝え、6人は吉良先生の元へ。


「あの、お話中すみません、吉良先生。

僕は2年A組の鷹柳雪風です。実は先生にお話があるのですが少しお時間ありますか?」


すると吉良先生は、「やぁ鷹柳くん、君のことは知ってるよ!部活紹介で観たからね!それで僕に話ってなにかな?」と優しく答えてくれた。


「はい、ありがとうございます。

部活紹介を観て頂けてたならご存知だと思うのですが、剣術部を立ち上げるにあたり、顧問の先生を1人お願いしなくてはいけなくて。

突然のお願いですみません、もしよろしければ吉良先生にお願いしたいのですが、受けて頂けないでしょうか?」


「うーん、どうしたものか。実は他にもダンス部や家庭科クラブ、将棋部の子達にもお願いされててね。」と申し訳なさそうにする吉良先生。


先生から詳細を伺うと、まず司幸学園にはダンス部は複数あり、やりたいジャンルが異なる場合は新たに部を立ち上げるそうだ。

家庭科クラブは現在女の先生が顧問だが、生徒からの評判があまり良くなく、変わって欲しいとの事。

将棋部は未だ部員は3人で、集まったらお願いしたいと言われたそうだ。


この中で先生が顧問になる確率の高いのはダンス部かな?

家庭科クラブの顧問変更はそう簡単にはいかないだろうし、将棋部は人が集まらない可能性がある。


これは諦めた方が良いと思い、

「わかりました、突然すみませんでした。他の先生を探してみます」と皆で挨拶し、振り返ろうとしたその時。


「あ、ちょっと待って、僕が顧問を受けないとは言ってないよ!」と言い、先生が僕に近づく。

そして耳元で、「僕のお願いを聞いてくれたら受けてもいいよ」と小声で話す吉良先生。


えっ?と思い、「本当ですか?!そのお願いというのは?」と尋ねると、

吉良先生は更に小声で話す。

「僕にも君の剣術を教えてもらえないかな?」


なんと先生も入部希望者だったのか!


「そんな、僕は全然構いませんよ!むしろそう言って頂けて嬉しいくらいです!」


普通の声量で話す僕に、ストップというジェスチャーをするが、時既に遅し。

吉良先生は「あーあ、皆に知られるのは恥ずかしかったから小声で話したのにー」と少し目を細めて見てくる。


「す、すみません、つい嬉しくて」と頭を下げる僕。


「嘘嘘!冗談だよ!少し恥ずかしいけど、実際に教わったらバレる事だしね!」と笑って許してくれた。


神宮寺くん達にも事情を説明し、吉良先生も一緒に参加するという条件の元、剣術部が部として認められた。


部の申請は先生がしてくれるとの事だったので、用紙を渡しお願いした。


なんだかんだあったが、部活体験会の初日に目標を達成するのであった。


kogetora_suguです。


ここまでお読み頂きありがとうございます!


登場人物が増えてきて分かりにくくなっているので、

近いうちに登場人物をまとめようと思います。


コメント、ブックマーク等、是非ともお願いいたします! 励みになります。


それでは次回もお楽しみにーー。

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