18.第一章 裏 [突然の訪問者]
翌日、4月20日 月曜日
今日からまた学校が始まる。
今週からは部活体験会週間だ。
僕の剣術部と滝くんの格闘クラブは未だ部として認められていない為、部室や活動場所があてがわれていない。
桜井先生が学校側に口利きをしてくれて、活動場所だけは確保してくれた。
僕の剣術部は、月曜日~金曜日まで校舎裏を15時から使えて、週に三回月曜、水曜、金曜は17時から1時間だけ武道場を使えることになった。
滝くんの格闘クラブは、月曜日~金曜日まで校舎裏を15時から使え、週に3回月曜、水曜、金曜は17時から、設備が充実しているトレーニングルームが使えることになった。
そう、滝くんの格闘クラブと僕の剣術部は校舎裏を共有して使うことになった。
滝くんと一緒という事で、一抹の不安を覚えたが、とりあえずは部活が立ち上がる今週だけなので、なんとか乗り越えようと心に誓う。
学校へ着き、午前中の授業をこなす。
お昼は教室で食べようと鞄からお弁当を出したその時、教室の扉が勢い良く開けられ、男女5人組がズンズンと教室へ入ってきた。
この中の1人が近くにいた僕のクラスの子に話しかける。
「鷹柳さんはこのクラスですか?」
クラスの子が「う、うん。あそこに…」と答えきる前に、男女5人組は僕の方へ歩いてくる。
気づいた時には僕は男女5人組に囲まれている。
お弁当を持った少年の周りを囲む生徒。
端から見たらいじめにあっているように見られそうだ。
「ぼ、僕になにか用でしょうか?」と僕は優しめに声をかけた。
すると男女5人組は一斉に頭を下げ、
「鷹柳先輩っ!是非僕ら5人を先輩の部活に入れてくださいっ!」と大声で頼むのだった。
「えっ?!……部活って剣術部の事でいいかな?ホントに入部希望??」
急な申し出に少しパニックの僕は確認の為5人に問いかける。
するとその中の1人の男の子が応えてくれた。
その子は、耳が隠れる程の茶色の髪を後ろに流れるようにバッチリとセットした美男子で、身長も僕よりも高そうで170センチ以上はありそう。
女の子からも人気のありそうな好青年だ。
「はいっ!先週の部活紹介の鷹柳先輩を見て、是非入部したい!弟子になりたいと思ったんです!」
と、大きな瞳の彼は物凄い目力で僕に顔を近付ける。
「あ、うん、うん、ありがとう!嬉しいよ…ただ少しだけ離れて貰ってもいいかな?」と優しく伝えた。
相手は男の子だけど、あんなに近付かれると流石にドキドキしてしまう。
そこでやっと自分が距離感を誤っていた事に気付いたようで、「す、すみません、つい……」と申し訳なさそうにしている。
「ユウ君は先輩にゾッコンだったもんねっ!でもユウ君だけじゃなくて、私達みんなが入部希望ですので宜しくお願いしますねっ」と話に入ってきたのは、5人組の内の女の子の1人。
胸まである少しウェーブががったアッシュブラウンの髪、メイクや制服の着崩し方は今時の女の子という感じだが、どこか品のある子だった。
すると他の3人も各々反応する。
「それなら俺だって!1年B組の榊原海斗です。元々は剣道部に入ろうかと思ってたんですが、先輩のあの技を見た時から……頭の中は先輩で一杯です!」
「いやちょっと待ってよ皆!私が教室のチラシを見て観てみようって言ったのが始まりでしょ!なんで皆自分勝手に」
「まぁまぁ、皆仲良くしようよー」
と三者三様、というか5人とも個性が強そうだ…。
あとの3人の見た目は、榊原くんは黒髪短髪のいかにもスポーツやってるという印象だ。
次の女の子はメガネを掛けた大人しそうな黒髪の女の子で、とても剣術に興味があるようには思えないけど。
最後の男の子は身長がずば抜けて高い。
恐らく180センチは越えてそうな程だ。
表情や言動からはこの子も大人しそうな印象を受ける。
とここまで話を聞いていた僕だけど、
「皆ありがとう、みんなの気持ちはわかったつもりだけど、もう少しお話を聞きたいかな。お昼がまだなら一緒に食べながら話を聞かせて貰えない?」とお弁当を見せながら提案した。
すると5人組は顔を見合わせ、「「是非、ご一緒させてください!」」と承諾してくれた。
kogetora_suguです!
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