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ヤマメとの生活  作者: kanisaku
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優しさ

パ「カズヤ、今日は温泉に行くわよ」

カ「え、突然どうして…」

パ「…妬ましいわね。うちの風呂じゃ狭くて二人一緒に入れないでしょ?だから温泉で一緒に入るの」


呆れながらも、愛しい人と一緒に入れることを想像して口の端が上がるパルシィ。断る理由もなく、嫌だと言っても彼女を傷つかせるだけなのでついて行くしかなった。


パ「何時もは交代だったから…これで、もっとカズヤと一緒に居れるわ」

カ「…」

パ「何?嬉しくないの?」

カ「いや…俺とパルスィが一緒に入れるってことは…混浴ってことだろ…?他の女の裸見るってのも…ちょっと…」

パ「そう…じゃあ」


そういってパルスィは上着を脱ぎ捨てた。突然の出来事に驚いたが、パルスィがしようとしていることが何となく分かる。


パ「他の女…?カズヤ。もしかして私以外の女を見るつもりなの?妬ましいわ、私より他所のメスがいいなんて…!」


ギリギリと歯ぎしりしながら睨みつけられた。怒りの表情のままのパルスィに押し倒され、じっと緑色の瞳が自分を捉え続ける。


パ「他の女じゃカズヤを幸せにできないわ。カズヤを幸せにできるのは私だけなのよ?どうして気付いてくれないの?」

カ「ご、ゴメン…他の女なんかに興味は無いんだ。けど、俺女の人と風呂なんて入ったことないから…」

パ「そうなの…心配ないわ。私が今から女の肌をじっくり見せてあげるから…そうしたら、恥ずかしくないでしょ?」


ゆっくりと下着を外しながらカズヤに這い寄るパルスィは、先ほどとは違ってどこか期待した眼差しだった。


パ「ふふ…カズヤをこうするのも久しぶりね…」


パルスィはカズヤの服とズボンを脱がし、カズヤを快楽の深みへと落としていった。



・・・・・・・・・・・・・・。



パ「~♪」


上機嫌にカズヤと手を繋いで目的の温泉に向かうパルスィだったが、反対にカズヤは疲れ切ってしまっていた。無理もない、あれから幾度となく絶頂を味わったのだから。そんなカズヤを見てパルスィが励ます。


パ「温泉に入れば疲れもとれるわよ。もうちょっとの辛抱だから」

カ「ああ…そうだな…」


俯いたままトボトボと進むカズヤに、パルスィも少しやりすぎてしまったかと反省する。

そんなカズヤを引き連れて目的地に到着した。


パ「付いたわ」

カ「うん」

パ「…何よ、たったの6回連続じゃない」

カ「人間にとっちゃ6回なんてキツイんだ…。特に男は…」


小さく返事したカズヤは倒れそうだったが、一度喋ったおかげで脳がまともに動きだしたのか、顔を上げてため息交じりにも店の暖簾をくぐった。



・・・・・・・・・・・・・・。



地霊殿には数多くの温泉があり、パルスィが選んだ温泉はその中ではあまり有名ではない温泉だ。理由は簡単。カズヤと他の女を会わせないためだ。人の少ない温泉であれば、女ももちろん少ない。


パ「…またさっきみたいに脱がしてあげようか?」

カ「自分でできるよ」

パ「そう」

カ「混浴って…着替える場所まで一緒なんだな」

パ「そうみたいね。カズヤの裸が見れて嬉しい」

カ「…変態か」

パ「あそこで素直に私の裸を見たカズヤも変態じゃないかしら?お互い様…」

カ「だってパルスィが突然脱ぐから…」

パ「…綺麗だった?私の肌」

カ「え…あ…。うん」

パ「ふふ、ありがと♪」


突然の質問についそう言った。だからといって綺麗じゃない訳ではなかった。地底で暮らすパルスィ達は太陽の紫外線をそんなに浴びず、綺麗な肌を保っているのだ。そんな肌を綺麗じゃないと言える人なんてこの世に存在しないだろう。


大浴場に入ると、ポツポツと妖怪はいた。パルスィはじっと辺りを見回し、女が居ないことを確認すると安心した表情でカズヤの手を引く。


パ「よかった、今は他の女はいないみたいよ」

カ「そ、そうなんだ…」


タオル一枚だけを身体に巻いたパルスィは適当に椅子に座り、カズヤを横に座らせる。


パ「背中向けて」


嫌がるそぶりも見せずに背中を向ける。ニコニコと笑みを浮かべながら石鹸でタオルを泡立て、傷つかない力加減でゴシゴシと汚れを落としていく。


パ「こうしてると夫婦みたいね」

カ「そうか?」

パ「ええ、とてもそう思うわ」


二人が身体を洗い終わった後は、肩まで湯に浸かる。今までの疲れを程よい熱さのお湯が奪い取っていく。

リラックスしすぎて、ため息にも似た安堵の声が漏れる。


カ「そういえばパルスィって…何歳なの?」

パ「女にそういうの聞くのはよくないと思うけど…200歳以上は…確実に」

カ「やっぱり妖怪って長生きなんだ…」

パ「良いものじゃないわよ。長生きできるから、人の嫌いなところも多く見てきたわ。特に地底で暮らす妖怪は、地上の人間に嫌われた妖怪が殆ど…」

カ「そうなのか…」


顔を半分沈めたカズヤは、ポコポコと音をたてながら考え込むように正面を見つめる。


パ「私は嫉妬の妖怪。何人もの男や女を引き離してきたわ。他人の不幸を見て喜んでたのが私…。けど今は私が、カズヤと居れて幸せ…だから怖いの。誰かに嫉妬されるんじゃないかって。カズヤを取られるんじゃないかって」


二人の間に沈黙が流れる。数秒が数十秒に思える。が、カズヤが口を開く。


カ「…確かにパルスィは、怖い妖怪なんだろうけど…。いいじゃないか。妖怪には妖怪の事情があるんだし、人間だってパルスィと向き合わずに嫌ってきたんだ。なら…俺でよければ、いくらでも向き合ってあげる…」


その言葉にパルスィは涙を流した。こんな言葉をかけてくれる人なんて今までいなかったからだ。どんな人間だって自分が妖怪だと分かればすぐに避けた。けどカズヤは違う。自分を恐れながらも、自分を愛してくれているからと受け止めてくれたのだ。


パ「ありがとう…カズヤ…」


もう何百年も生きているというのに、数年しか過ごしていないような子どものようにボロボロと涙を流してカズヤに抱き着く。初めて見るパルスィの涙に少し驚きながらも、カズヤはパルスィを抱き寄せた。

最初はドロドロしていたカズヤとパルスィも、ずいぶん距離が縮まりましたね。もうそろそろケンとヤマメレベルになるんじゃないかとも思いますが…。はたして最終回までに出番はあるんでしょうか。それは僕のやる気次第です。


読者様につかの間の安らぎを

            「kanisaku」

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