リハビリはプールで
ケンが怪我をしてから2週間が過ぎようとしていた。永遠亭からもらった強力な薬のおかげでかなりの早さで傷が治っている。松葉づえさえあれば一人でも歩けるほどに回復していた。
ケ「この調子なら、あともう2週間あれば治りそうだな…もうちょっと身体動かしてた方が治るかな?」
ヤ「あんまり無理しないでね?でも身体を動かす場所って…あ」
思いついたように言うヤマメはケンに提案する。
ヤ「プール。ケンと前に行ったプールで体を動かせばいいんじゃないっ?浮いてるだけでも効果ありそうよ?」
ケ「なるほど、プールか…外の世界でも、リハビリでプールを使うって人もいるし…効果あるかもな。行ってみようか、ヤマメ、水着の用意だ」
ヤ「とびきり可愛いの持っていくわね」
ケ「…まぁ、なんでもいいけど」
・・・・・・・・・・・・・・・。
地霊殿の主であるさとりが経営するプール。何時もは徒歩20分程度の場所を今日は30分も掛けて来た。怪我をしているからしょうがないとはいえ、かなり時間がかかった気がする。
番台の青年にお金を渡し、脱衣所に入る。
ヤ「さ、脱ぐわよ…」
ケ「なんで嬉しそうなんだよ」
ヤ「だって、ケンの服を脱がすなんて…滅多にない機会じゃない」
ケ「そうなのかな。とりあえず、傷を刺激しないように頼むよ」
ヤ「分かってるわ」
ニコニコと嬉しそうにケンの上着を脱がしていく。包帯を外すとヤマメがつけた傷跡である青痣が大きく残っている。
ヤ「…本当にごめんなさい」
ケ「いや大丈夫だよ。何もなければこのまま回復できるし」
ヤ「じゃあ、次はズボンね…」
舌舐めずりしてヤマメは手を伸ばす。
ケ「おい、一応公共施設だぞ。猥褻行為は止めろよ?」
ヤ「…。分かってるわよ」
ケ「絶対嘘だ」
ヤマメから着替えさせてもらった後は、本格的にプールの中に入る。なんの関係があるのか、ヤマメは目の前でグラビアアイドルのようにポーズをとっている。
ヤ「どう?可愛いかしら?」
ケ「うん…まぁ、可愛いな」
オレンジに水玉模様のついたビキニを着こなすヤマメは笑顔でケンをプール内に連れて行く。
久々にも感じる大きな水の冷たさを耐えながら、ヤマメにリードされながらプール中を歩き続ける。
ヤ「最初は、私の方がリードされてたのに…今は逆になっちゃってるわね」
ケ「そうだな」
ヤ「…久々のケンの生の腕…」
ケ「言い方悪いからもうちょっと変えようぜ」
ヤ「他に言いようがないもの。…、美味しそう」
ケ「どういう意味だよ」
ヤ「そのままよ。いただきます」
ケンの右腕を掴んで人差し指と中指を咥えこみ、舌で丹念に舐めた。口の中で何度もかき混ぜるように舐められる続ける指は、ただ舐められるだけではなく、自らヤマメの舌を触って刺激する。
ヤ「ん…、んく…ふぅ、ふぅ…」
恍惚した表情で指を咥えたまま離さないヤマメは、まだケンの指を味わう。何度も舌で舐めて味を堪能し、その指が美味しいと伝えんばかりの眼差しでケンを見つめる。
ケ「プール内でなにやってんだ」
ヤ「痛っ」
支えとして持っていた小さなビート版でコツっとヤマメの頭を叩く。頭を軽く押さえながらヤマメは残念そうな顔をする。
ヤ「もう…あと少しで止めようとしてたのに」
ケ「嘘つけ、あのままずっと舐めるつもりだったろ」
ヤ「…ふふ、バレるわよね」
ケ「当たり前だぜ」
ヤ「…リハビリ、続けましょうか」
ケ「そうしてくれ。俺も早く治りたい」
ヤマメに肩を担がれ、ゆっくりと水をかき分けるように進んでいく。浮力のおかげで足にかかる負担も少しは減らされてはいるが、やはりズキズキと痛む。その痛みに堪えていると、それが顔に出ていたのだろう、ヤマメに心配される。
ヤ「痛いの?休む?」
ケ「嫌…大丈夫だ」
ヤ「…こうすれば、痛みも和らぐかしら」
ヤマメは自分の胸の谷間にケンの片腕を埋める。しばらく包帯の感触しか無かったケンにとって、少し嬉しいものだ。
ケ「まぁ…悪くない」
ヤ「そう?じゃあこれで続けましょ」
ケンはその感触を堪能しながら、リハビリを続ける毎日を送ることになる…。
胸に腕を埋める…羨ましい!ケンが羨ましい!書いてて羨ましい!
現実は非情ですね…。
読者様につかの間の安らぎを
「kanisaku」




