霊冷草運送計画
ちょっと温かい外。氷点下を下回っている室内。ヤマメとケンの、霊冷草を持ち運ぶ作戦が練られていた。
素手で掴むと、あまりの冷たさに思わず手を離してしまう程の冷たさをもつ霊冷草は室内に多く並べられている。
ケン「蜘蛛の糸で縛って、台の上とかに乗せて持っていくのはどう?」
ヤマメ「いい案ね、さっそくしてみましょう」
糸を手先から出して棚に並べられている霊冷草を掴み、まとめてケンが用意した大きな袋に投げ込む。霊冷草は、多少の土を根っこに残したまま袋の中に入っていく。
ケン「急げ急げ、う~寒い」
イソイソと袋の四方を手際よく掴み、縛って部屋にある霊冷草の半分程を詰め込むことに成功する。
ケン「よし、あと半分だ」
そして、先ほどと同じく糸で縛ってもう一つの袋に詰め込む。
ヤマメ「あとはこれを運び出すだけね…」
ケン「そうだな…あんまり冷たすぎて、火傷しないように注意だな。手袋とかあればいいんだけど…」
幽香「貸してあげるわよ?」
開いた扉の前に立っていた幽香の言葉に甘んじて、厚手の手袋を入手する。二人で一つずつ袋を持ち上げ、幽香の家の外まで持っていく。
ケン「もう無理!冷たすぎる!」
ヤマメ「後は、台に載せればいいだけよ。最悪私だけ飛んで運ぶわ」
ケン「いや、女性だけに物事を任せるというのは、男として納得いかない。するんだったら協力させてもらうよ」
ヤマメ「男らしいわね。そう言ってくれると嬉しいわ」
ケン「まぁな。じゃあ一旦人里まで行こう。荷車でも借りれれば、冷たい思いもせずに運べるだろ?俺だって空を飛ばなくて済む」
人里に着いたケンは、色々な人に頼み込み、やっとのことで荷車を借りることができた。その頃は、もう陽も傾き始める頃。5時ほどになっていた。
ケン「やっと借りれたぜ。やっぱり何処も農作で使ってるみたいだね。中々借りれなかったよ」
ヤマメ「そうね。急ぎましょう。早くしないと枯れちゃうわ」
ケン「おう」
ケンは霊冷草の入った袋とヤマメを荷台に乗せ、日頃の筋トレの成果を見せつけるかのように荷車をどんどん引っ張っていく。
ケン「やっぱり、木でできてるだけあって重いね」
ヤマメ「私も、重いかしら?」
ケン「ヤマメだけなら、あと4人は乗せても大丈夫そうだぜ」
強がりを言うケンの優しさを感じ笑顔になるヤマメ。それを見てケンも笑顔になる。二人は、地底を目指して陽の沈みかけた人里を後にした。
翌日。旧地獄街道の道の隅々に点々と植えられた霊冷草の効果はかなりの物だった。地底の温度を5度も下げ、中々涼しい環境を作って入れているのだ。それでいて地底の中心部は暑く。その暑さが霊冷草の冷気がひどく拡散するのを押さえていた。
ケン「いや~。これでだいぶ過ごしやすくなるな」
ヤマメ「そうね。報酬として地霊殿から結構なお金も貰ったし…何か食べに行きましょう?」
ケン「いいね。俺久々にステーキとか食べたいな」
ヤマメ「ふふ、いくらでもどうぞ」
大通りを歩く二人は平和な日々を過ごす。少し過ごしやすくなった地底での生活は、まだまだ続く…。
やっと、地底にも画期的な冷房アイテム登場。冷気を出す植物。
これで、大きなことが一つひと段落しましたね。幽香と青年…、時間があれば、ちょくちょく出そうかと思います。
読者様につかの間の安らぎを
「kanisaku」




