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ヤマメとの生活  作者: kanisaku
38/100

混浴、流し合い

男性用の銭湯に無理矢理入り込んだヤマメは、ケンの背中をタオルで洗っていた。

  ヤマメ「そうだ」

思い出したように言うヤマメはタオルを自分の胸に当て、ケンに抱き着く。前にもしたやつで、スリスリするように身体を擦るというやつだ。しかし、今回はケンに止められる。

  ケン「混浴なら良いけど、男用の銭湯でそれは止めてくれ。本当に変人だと思われる」

  ヤマメ「良いじゃない。減るもんじゃないんだし…」

残念そうにタオルを両手に持ち直し、背中を洗うのを再開する。

  ケン「周りからの見る目が変わる。普通の人、から、変人、に変わる」

  ヤマメ「良いのよ。元から変な人じゃない」

  ケン「そうか?」

  ヤマメ「女性を紐で縛ったり、くすぐったりするような人が普通な人なの?」

  ケン「うーん…多分違うな」

人差し指と親指で顎を支え、少し悩んだケンは答えを出す。

  ヤマメ「でしょ?元から変人なら、減るものもないわ」

  ケン「だけど…今回は遠慮しとくよ。そんな気分じゃないんだ」

  ヤマメ「そう…残念」

ションボリとするヤマメは、桶に注いだお湯で残念さと共に泡を流していく。そんなヤマメを励ますように頭を撫でる。

  ケン「なぁに、地底に戻ったらいくらでも受けてやる」

  ヤマメ「そうね、楽しみにしてるわ」

笑顔を戻ったヤマメはケンに背中を向けて、溜まった汗と汚れを荒い流してもらう。

  ヤマメ「やっぱり、アナタと居ると…落ち着くわ」

  ケン「そうなのか」

ゴシゴシと背中を洗っていると、どんどん泡立ってくる背中を見つめながら返事をする。

  ヤマメ「ええ、まるでぐっすり眠った後の目覚めみたいに、疲れがとれるの」

  ケン「へぇー…」

  ヤマメ「だから、ずっとアナタと一緒に居たい。それに、こんなカッコいい人にはそうそう会えないわ」

ヤマメの言葉に、横の壁についている鏡を見て考える。

  ケン(カッコいい…のか?まぁ、太らないように体系は痩せるように維持してるけど…カッコいいのか?そんなに顔に自信があるわけじゃないんだけどな…)

誰に似てるとも言われたことはないが、カッコいいとも言われたこともない。

  ヤマメ「それに…アナタ人間なのに私の病気にかからないもの、私とこんなに長く一緒に居れた男性なんてい今までいなかったわ」

  ケン「なんで俺病気が効かないんだろうね」

  ヤマメ「分からないわ。でもいいじゃない。私はアナタと居れて嬉しい…アナタも、そうでしょ?」

  ケン「まぁ…ねぇ」

  ヤマメ「嬉しそうじゃないわね…私のこと嫌いかしら?」

不安そうに質問するヤマメの背中をお湯で流し、指で皿を擦るようにキュッキュとしてみる。

  ケン「いいや、嫌いじゃないさ。ただ…ヤマメも一応妖怪なんだなって…。やっぱり俺食われちゃうのかな」

  ヤマメ「食べないわ、だって、食べちゃったらもうアナタと会えないじゃない」

  ケン「それもそうだな…あれ?前にも、この質問俺しなかったっけ?」

  ヤマメ「そうだったかしら?覚えてないわ」

一緒にお風呂…いいですね。入ってくれる人がいて。


読者様につかの間の安らぎを 

            「kanisaku」

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