その他の方々の戯れ 2
パルスィ「どう…?似合ってる?」
カズヤ「あ、あぁ…そうだな」
黄色いワンピース水着を着たパルスィはカズヤの前でクルリと一回転し、可愛らしさをアピールする。
何時にも増してご機嫌なパルスィとは裏腹に、始めての土地で見る、今までの温泉街には似つかわしくない現代と全く変わりのないプール施設。ブカつく海パンを穿いて、辺りを見渡すカズヤの腕をパルスィが引っ張る。
パルスィ「泳ぎましょ。私、いつも橋の上から川を眺めるくらいしなかったから、一度こういう場所があったら泳いでみたかったの」
プールサイドで軽いストレッチをしたパルスィは、勢いよく飛び込んで水しぶきを辺りに飛散させる。
カズヤ(…そうだよな。こんな時まで、落ち込んでちゃダメだよな。せっかくのプールだし、楽しまなきゃ…)
何とか作り笑いをして、パルスィの待つ水中に潜り込む。
なんの前触れも無しに飛び込んだのが災いして、思いっきり水を飲み込んでしまい、急いで顔を水面から突き出す。そして何度も咳き込み、飲んでしまった水を吐き出そうとする。
パルスィ「ちょっと、大丈夫?ちゃんと準備運動しないから…」
背中を擦られていると、ふと何かの感触がする。血の味だ。すぐに人差し指を口の中に入れて軽くかき回してみると、その血は舌の先からでているようだった。
カズヤ「血が…。水飲み込んだ時に苦しくてつい噛んだのかな…」
キュっと口の中の血を吸うカズヤをジッと見つめるパルスィは、カズヤの顔を両手で掴み、無理矢理キスを強いる。
カズヤ「!?」
パルスィ「ん…」
チュウチュウと舌を絡ませならが、カズヤの血を吸っていく。吸血鬼のような行動をとるパルスィに恐怖を刻み込まれながらも、キスという感覚に溺れていく自分が居るのがわかった。
カズヤ「ん…ん」
パルスィ「はぁ…。美味しかったわ、アナタの血。温かくて…」
カズヤ「他人の血飲むなんてどうかしてる」
パルスィ「ふふ、最後は満更でも無かったくせに。そんな意地っ張りなアナタが妬ましい」
その「妬ましい」には、「愛しい」という言葉が含まれているような気がした。口調が明るいのだ。
パルスィ「傷口はその内塞がるでしょ。今は遊びましょ。それとも…、また吸ってほしいかしら?」
カズヤ「いや…いい」
一瞬、ブルっと震えたカズヤはパルスィの誘いを断り、逃げるように泳ぎ始めた。
パルスィ「措いてくなんて酷いわ、私を放って他の女の所に逃げるつもりね…妬ましい…!」
今度の「妬ましい」には「殺してやりたい」という感情が籠っている。すぐにクロールで泳いでカズヤの足を掴んで捕獲する。
カズヤ「!?な、なに…?」
パルスィ「逃げようとした、逃げようとした、逃げようとした、逃げようとした…逃がさない逃がさない逃がさない…!」
鬼のような形相で歯ぎしりをするパルスィを見て、カズヤは青ざめる。
カズヤ「な、なんだよ!逃げたわけじゃ」
パルスィ「いいえ、きっと私から逃げて他の女の所に行くんだわ。妬ましいわ。私はアナタを愛そうとしているのに、アナタは怖がって見向きもしない…挙句には今みたいに逃げようとする…!ねぇ、私にはアナタしかいないの。大事なもの全部無くした私の前に現れたアナタは、きっと天からの贈り物よ。私だけのカズヤ…!」
カズヤに対しての怒りは、徐々に愛しさに変わっていく。足を掴む手の力も弱まり、最後は離す。
カズヤ「他の女の所だなんて…そんなことしたらパルスィに怒られることくらい分かるよ」
パルスィ「じゃあ、なんで突然泳ぎだしたの?」
カズヤ「お、泳ぎたかったから…」
パルスィ「…」
カズヤ「…」
パルスィ「そうね。今回のは忘れましょう。でも、次にこんなことがあったら、絶対に許さないわ」
カズヤ「わ、わかった。ゴメン…気を付ける」
こいし「ねーねー。私はどーこだ?」
青年「うーん…右!」
こいし「残念!真正面でした!」
プールに浸かり、右方向を指差す青年と、5cmも離れていない距離で突然姿を現したこいしは、満面の笑みを浮かべている。
青年「あ~真正面か~」
こいし「も~。これで14回目だよ~?」
青年「13回目じゃない?全部真正面だけど。他の方向からしないと面白くないよ?」
こいし「だって、ずっとアナタの顔見ていたいんだもの…」
青年「そうなの?」
こいし「うん!」
パルスィ8、こいし2の割合でしたね。今回もギリギリですみません・・・。
皆さんが見てくれて、増える閲覧数だけがこの作品の栄養分です。(感想いただければもっと頑張っちゃうかも…。
パルスィ以外のキャラも、書いて行こうかな~とも思っていますが、そこまで想像が回るかどうか…。
読者様につかの間の安らぎを
「kanisaku」




