その他の方々の戯れ 1
お燐「ねぇ旦那。私達もそろそろ泳ごうよ…」
男性「え、お燐泳げるの?猫なのに大丈夫?」
お燐「私をそんじょそこ等の猫と一緒にしないでほしいね。猫は猫で私は地獄の化け猫。泳ぐなんて大したことじゃないさ」
男性「ふーん…でも、まだ仕事中だから。仕事終わったら一緒に泳ごうか」
少女の頭をゆっくりと撫で、顎を指で触ってじゃれる男性と少女。
突然少女は男性から離れ、白い煙に包まれる。煙が無くなると少女もいなくなっていて、代わりに二股の猫が鳴いている。
お燐「ニャー」
男性「分かってるって。約束するよ」
ピョンと男性の膝の上に飛び乗り、丸まって男性の膝を陣取る猫は、そのままジッとしている。さっきと同じように頭を撫でる男性は、次の客が来るのを静かに待つ…。
プール内では、黒い羽を生やし、赤い宝石のようなものを胸の中心部分に埋め込んだ少女、お空が男性に抱き着いている。
お空「冷たいよ~」
一緒にいる男性にしがみ付きブルブルと震えているお空。そして、お空から離れようとする男性。お空は冷たがっている割に体温が高く、まるで高温の温泉に浸かっているような感覚なのだ。
男性「熱いっ!お空、熱いから離れて!」
お空「やだ!だって逃げるんだもん!」
男性「逃げないから、離れるだけでいいから、熱っ!」
捕まれている男性の腕がどんどん赤くなっていく。腕だけじゃなく、体中の至る所に火傷の痕がある。捕まったり、抱き着かれたりしたときに出来たもので、その度に冷やしてはいるがお空に何度も抱き着かれているので別の個所に火傷の痕が出来てキリが無い。
男性の体のもう6割は火傷の痕で薄赤く染まり、顔も半分くらいは薄赤くなってしまっている。
お空「逃げちゃうもん!絶対に!逃がさないわ!」
男性「逃げない!逃げないから冷やさせてくれ!死んじゃうから!」
必死に引っ張ってお空を引きはがそうとする。が、人間と妖怪では力の差がある。ジワジワ迫る火傷による痛みは、何度体験しても慣れることはない。
涙目になりながらよりギュッと腕を抱きしめるお空は言い張る。
お空「死んじゃヤダ!あの世に逃げるなんて卑怯だあー!」
男性「ああああー!!」
二人の叫び声がプール内に響き渡る。が、それを気にするものは少ない。
勇儀「騒がしい奴らもいるもんだね~…。まぁ、アンタと居れば気にする必要はないんだけど…」
プールサイドに二人並んで座る勇儀と青年。勇儀は妖艶な笑みを浮かべ、怯える青年を見つめる。
青年「そ、そう…だね…」
明らかに勇儀を恐れている表情だ。目を一切合わせようとしない。
勇儀「そんなに怖がらなくてもいいじゃないか…ねえ?私がアナタを守ってやるって言ってるだろ?」
青年「うん…、あ、あの…。元の世界に戻、!?」
青年は言い終わる前に両手で首を強く閉められ、喋るのを遮られた。
勇儀「そんな事、言わない約束だろ…?言わないでくれよ、アンタが居なくなったら、私…」
青年「かっ、がぁ!」
鬼である勇儀の力は凄まじく、首の骨が折れてしまいそうな程だ。たまらず勇儀の腕を叩き、手を離してくれと訴える。
勇儀「あぁ、ゴメンな…。つい…苦しかったよな。私は何てこと…やっぱり、アンタが居ないと死んじまうくらい苦しくなるんだ」
青年「げほっ、げほっ、げほっ。はぁ…はぁ…。ゴメン、自分も約束破ったりして…。もう絶対に言わないからさ、落ち込まないでよ」
涙を流し、肩を震わせる勇儀を横から慰める青年。彼の優しさの奥には、勇儀に対する恐怖も含まれているが、勇儀がそれを気にすることはない。逆に、その恐怖があるからこそ、この青年が自分から離れることはないと確信できるのだ。
勇儀「すまいないね…。どうしてもアンタを手放したくないんだ…」
青年「大丈夫だから、俺は逃げないから…」
勇儀「ありがとう。やっぱり、アンタ優しいや」
ギュッと青年を抱きしめる勇儀は、青年の見えない所で、笑っている。
勇儀「絶対に逃がさない…」
プールに浸かっている二人は、仰向けになってゆったりと天井を見ている。
男性「…」
さとり「泳げるわ。馬鹿にしないで…」
男性「…」
さとり「ここにきてもう3年も経つのに…泳ぐのなんて、久々でしょ?」
男性「…」
さとり「まぁ、アナタが泳ぎたいっていうからワザワザこのプールを造ったのよ?少しは感謝してほしいわ」
男性「…」
さとり「うふふ…アナタらしい…。温泉もいいけど、冷たい水に浸かるっていうのも良いわね」
男性「…」
さとり「もっと喜んでほしいわ。アナタ、私とのお風呂は毎回嫌そうなんだもの…。裸じゃないにしても、こんな服装、裸同然よね。少しドキドキしてるの…」
男性「…」
さとり「だって…アナタったら私の方見ようとしないもの、脱いでも意味ないわ」
男性の心を読みながら会話する二人、特殊なやり取りをしているが、二人にとっては日常茶飯事である。
ある日、彼女に殺されかけた男性は一言だけ「これからは絶対に喋らないで、言いたいことは思うだけで伝わるから」と言われ、それ以降、喋ることを禁止されてしまった。
男性「…」
さとり「あら?今夜は相手してくれるの?珍しいわね。いいわ、楽しみにしてる…」
仰向けから立ち上がって、未だに仰向けになって天井を見つめている男性を抱き寄せる。
さとり「帰ったらコーヒーでも飲みましょ、寝ないように…ね」
えー。書く速度が遅かったり、昼寝が長かったりで今回も時間ギリギリです。なので、次回もこれに似たような感じで、今回登場できなかったキャラを登場させます。
…本当にヤンデレ小説なんだろうか。この作品。
もっとヤンデレ要素を出さねば…!
読者様につかの間の安らぎを
「kanisaku」




