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実習の準備をして、廊下に出る。目があった一つ上の学年の男子生徒に売り込みをされたけれど、曖昧に濁して離れた。地味に後ろついてくるのが怖い。
最近、クリス様と一緒にいることが多いのだけれどこれでも前よりも男子に絡まれる割合が減った。親に溺愛されている系公爵令嬢なので妙なお誘いが多いのだ。あと、変態からのお誘い。ロリコン大喜びの外見なので。
なぜかしら、と思っていると「フィーネ様」と名前を呼ばれて振り返る。
「クリス様」
「お一人で行動するのは危ないと言ったのに」
「学院内でも?」
「だからこそです。今のうちと不埒なことを考える愚か者はどこにでもいるものですよ」
諭すような口ぶりにそういうものか、と頷いて「気をつけますわ」と答えた。なんかさっきの人はいなくなっていた。
その点で言うとやっぱり家の人誰かつけてもらった方がいいのかもしれないなぁ。ついているかもしれませんけど。
「さっきも何か怪しいのに付き纏われていましたし」
「ふふ、じゃあクリス様が側にいてくださる?」
そう言って首を傾げると、驚いたような顔をしたクリス様の頬にぽっと赤みがさした。
「か、揶揄わないでください」
「別にそこまで照れることではないと思うのだけれど。女の子同士なのですから」
クリス様はちょくちょく格好いいので、なんとなく残念ですけれど。クリス様が男の子ならよかったのに。
私は我が儘がそれなりに聞くのでお父様に一生懸命お願いすれば身分差なんてそれほど意味がありませんし。何なら、きっとお父様が大体の事は解決してしまわれるのでそれこそ性別くらいしか気にするところはない気がする。
「……女の子同士だからって間違いがないと誰が言ったのです?」
抱き寄せられてふと視線が合わさる。
その赤い瞳に熱を感じて頬に熱が集まるのを感じた。
「可愛い方」
意地悪そうに細められた目に吸い込まれそうだ。
「フィーネ様、クリス様!!」
セーラの声がして正気に戻る。
クリス様の身体を押して、一つ咳払いをしてから、セーラの名前を読んだ。
「残念」
「何か言いましたか?」
「いいえ」
微笑むクリス様の手を引いて合流する。
とりあえずイベント起こりませんように!魔物とかそういうのは怖いので遠慮したいです。




