ステータス確認③
――15分後
機械での確認が終わったのか4人が帰って来た。
「帰ったぞ…ってそれあれか?ステータスの。」
カインは悠仁とアリスの目の前にある紙に興味を向ける。悠仁とアリスは配られてからずっとステータスについての話をしていた。
「ああ、これがそうらしい。一応、ほら、右下に聖堂の印が押してあるだろ?」
悠仁は右下に押されている聖堂の印を指差しながらカインに見せる。悠仁と同様カインも今回初めてステータス確認書を見るため興味津々のようだった。
「はぁー、こりゃまた細かく書いてあるもんだな。」
「自分のステータスが数値として見られるなんて珍しい体験だからな。色々考えられて面白いぞ。」
「なるほどな、早く俺の分こねぇかな。」
悠仁のステータス確認書を見ていたら自分のも欲しくなったのかカインはそわそわしていた。
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――20分後
「大変お待たせしました。」
受付嬢は悠仁とアリスの分のステータス確認書を持ってきた時と同じように4人のものを持ってきた。
「…あれ?1枚多くありませんか?」
受付嬢が持ってきた盆の上には9枚の紙のロールが置かれていた。4人分、お一人様2枚ずつなら8枚のはずだ。
「はい、こちらのミスではあったのですが、おまけとしてお受け取りください。」
「は、はぁ…。」
悠仁は受付嬢が渡してくるのでそのまま受け取る。1枚多めに刷ってしまったのだろうかと思いつつもそれは頭の片隅においておき、本題に入る。受付嬢から手渡しでそれぞれに配られていたので各々は自分のものを持っている状態だ。
「んじゃ貰ったところで確認をしようと思う。特に恥ずかしいことも書いてないと思うので、俺とアリスみたいに全体に共有してくれないか。」
悠仁のその言葉に異議を唱えるものはおらず、4人はもそもそと蝋封を切ってテーブルの上に並べた。
冒険者名:カイン
職業:ファイター Lv30
体力:4469
魔力:103
STR:121
DEF:297
DEX:179
AGI:163
MGC:15
スキル
咆哮 一閃
爪痕 ウォークライ
シールドバッシュ ハードスラッシュ
「これまた、The脳筋!って感じのステータスね…」
ミーナがカインのステータスを見て笑いながら鎧をバシバシ叩く。
「いいんだよこんぐらいで。俺は守れりゃそれでいいんだから。」
「ひゅー!かっこいい!」
メンバーを守る宣言をしたカインをミーナが煽る。
冒険者名:ミーナ
職業:ハンター Lv33
体力:2026
魔力:218
STR:150
DEF:123
DEX:291
AGI:275
MGC:31
スキル
緊急回避 ハードショット
ペネトレイトショット スローイングナイフ
エクステンシブショット アローレイン
鋭刃
「ミーナもそんなにスキル覚えてないんだな。」
悠仁はミーナのステータス確認書を見て呟く。レベルと経験の割にはスキルが少ないように感じたからだ。
「んー、弓使うんだけど弓って使う矢によって威力が変わるからスキルって言うよりも道具選びのほうが重要だったりするんだよねぇ。」
「あー、なるほどな。そういやノワールの時から矢を何種類も持ち歩いてるもんな。」
敵によっては属性付きの矢でないとダメージが通らないこともあるためミーナは何種類もの矢を持ち歩くようにしていた。おかげで収納は様々な種類の矢で圧迫されているようだ。
冒険者名:ステラ
職業:メイジ Lv36
体力:1511
魔力:2989
STR:92
DEF:99
DEX:113
AGI:120
MGC:261
スキル
ファイヤーボール アイススピア
ライトニングボルト シャドウバインド
グラウンドシェイカー フレイムランス
スクロール作成師Lv24
「……私、Yujiよりメイジのレベル、高いのに。スキル、全然覚えてないんだよね……。」
ステラが若干苦笑い気味に悠仁のほうを向く。
「ま、まぁ、ステラはスクロールでの戦闘がメインだからな…。そういえば会った頃から作成師のレベル上がってるんだな。」
「……ん。ちょっと、縁があって。」
ステラのスキルの少なさはその生産スキルと、そこから来る戦闘スタイルのせいのようだ。スクロールを作れると言うことは覚えていない魔法でも行使できると言うことで、確かにスキルを覚えるのは後回しにしてしまいそうだ。
冒険者名:フルール
職業:ハンターLv30 メイジLv48
体力:2873
魔力:3215
STR:188
DEF:190
DEX:195
AGI:291
MGC:344
スキル
ファイヤーボール エアブラスト
アイスランス ペインフルフレア
フレアジャベリン ライトニングボルト
エッジオブダークネス アースクエイク
ロックグレイブ マジックコンバージョン
スノーストーム イフリートスピリット
シルフスピリット ノームスピリット
ウンディーネスピリット 跳躍
鋭刃 緊急回避
ペネトレイトショット マルチプルショット
ラピッドショット 陰落とし
ダッシュ 料理人Lv6
「それに比べてフルールのスキル、ちょっと多すぎじゃない?」
「あはは…。」
フルールのステータスを確認したミーナがぽつりと漏らす。フルールのスキルは2つの職業のせいもあってか紙からはみ出そうなほど多く書かれており、まだ悠仁や他のメンバーが見たことの無いものが多くあった。どれも精霊の名前がついているもので、かなりの消費魔力であることが伺える。
こうしてそれぞれのステータス確認書が並んだ。全員が全員、自分のを含めて書類を見る。
「…これってどの位の数値ならすごいんだ?」
悠仁が零すと皆首を傾げてしまう。確かに基準がなければよくわからないだろう。
「ちょっと聞いてきますね。」
アリスが席を立ち、受付嬢にステータスについて聞きにいったようだ。
「わかりましたー。」
受付に行ったアリスがすぐに戻ってくる。
「お、どうだった?」
「はい、ステータスは体力魔力を除いたところで聞いてきて、300を超えれば中級者として十分であるらしいです。250を超えたら初心者ではないとも言っていましたね。その戦闘方法によってかなり偏りが出るのでなんとも言えないらしいですけど、カインさんのその297っていう防御はレベルから考えると割りと異常な数値らしいです。」
「異常っておい…。」
「俺と二人でパーティー組んでたとき、スキルも使わずにずっと攻撃受けてたからな…。それも関係してるのかもしれない。」
「あったなぁそんなこと…。」
カインは昔を懐かしむように天井を見上げる。
二人きりだった頃の話が出ると、テーブルの空気が少しだけ柔らかくなった。あの頃の無茶が数字になって残っている。そう思うと、297という防御の値は成績表というより、古傷の記録に近かった。
「ステータスはみんなで詳しく確認したほうがいいな。…でもこれ全員2枚ずつあるよな…。」
悠仁は自分の手の中にある、おまけと言われたもう1枚の紙を持って不思議そうに呟く。
「開けてみたらどうですか?」
アリスが開封することを提案する。
「ま、そうだな。開けないと分からないし…。」
そう言いながら悠仁は蝋封を切って中身の確認をした。




