表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
100/190

出立に向けて

――カプランド大森林 入り口


「…お、来たか。ってなんだ、その生き物。」


馬車の場所には、先にカイン達が到着していた。アリスの肩周辺で遊びまわるカーバンクルを見て、不思議そうに疑問を飛ばしてくる。


「いや、色々あってな。…そっちはまた随分と集めたな。」


「こっちも色々あってな。ほぼフルールのおかげなんだがよ。」


「採っちゃダメなものまで採って無ければいいさ。分類は馬車の中で、みんなでやってくれ。」


「わかりました。じゃあ、こっちのメンバーだけじゃなくて、Aliceさんやミーナさんにも手伝ってもらいましょう。」


「「はーい。」」


「んじゃ、馬車に乗ってくれ。街に戻る。」


悠仁の指示で馬車に乗り込む。御者は相変わらず悠仁、他は荷台である。


「わわ!そこは入っちゃダメなところです!」


「…カインさん、目がえっちです。」


「いや、大声出したら誰でもそっちに注目するだろ。」


「いや、その目は性的なものを感じたわ。」


「勘弁してくれ…。」


後ろでは、早速カーバンクルがいたずらをしているようだ。


「ま、元気ならそれでいいさ。」


悠仁は喧騒をBGMに、街へと馬車を走らせる。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


――カプランド


「それじゃあアリス。後は任せていいか?」


「はい、大丈夫です。今から依頼すれば、明日には出来ると思いますので。」


「分かった。じゃあ、これを持っていってくれ。」


悠仁はパーティーの資金が入っている革袋を手渡す。


「分かりました。これで払ってきちゃいますね。」


「そうしてくれ。多くて持てないようだったら、一旦こっちに戻ってきてくれれば一緒に取りに行くから。」


「ありがとうございます。じゃあ、行ってきますね。」


アリスは馬車から降りて、すっかり懐いたカーバンクルと共に醸造所へ歩いていく。


「じゃあ俺達は、バーグさんのところに戻って、今後のことについて伝えておかないといけないな。」


「あー、まだリアッツォに行くこと話してなかったか。」


「あぁ。突然だと向こうも驚くだろうから、今日くらいに話しておこう。」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

――カプランド バーグ邸


「…そうですか…、リアッツォに。残念ですが、仕方がありませんね。」


バーグが心底残念そうに呟く。


「えぇ、領主の招待なら、おいそれと断ることも出来ないと思いまして。」


「ウェイル領の領主は、とても見識のある方だとお聞きしています。私も仕事でリアッツォに行ったときに聞いただけなのですが。」


「見識が…。」


(もしかしたら、フルールの記憶についての話とかも聞けるかもしれないな…)


「何でも、元冒険者とか。元々領主の家系ではないのに領主になるには、相当の努力をされているはずです。何か、他の人よりも秀でているものがあるのでしょう。」


「元冒険者なのですね。」


(冒険者が領地を持つなんてことが出来るのか…。)


知らないことばかりで、やや頭が追いついていかないが、整理しながら話を聞くことにする。


冒険者から、領主へ。剣を置いた者が、今度は街を守る側に回る。どんな旅をすれば人はそこまで辿り着くのだろう。会ったこともない相手の来歴が、なぜだか妙に耳へ残った。


「はい、その方が領主になってから街も大きくなり、交易も盛んだとか。この街のように森が境界線になっているのではなく、しっかり外壁で覆われているのですよ。」


「それは凄い。ヴァリエスタもそんな感じでしたが、この自然の多い場所にそのようなものを作るなんて、相当に凄い方なのですね。」


「はい、それはもう。」


NPCからの信頼も篤いようだ。


「慣れてきたところでここを離れるのは少し残念ですが、まだしばらくはここでお世話になると思いますので、私たちに出来ることがありましたら何でも仰ってください。」


「そんな!もうカインさんにネイトを救っていただいただけで…!むしろ、いただいている宿泊代もお返ししたいくらいです…。」


「いえいえ、あいつの好きでやったことですから。」


「そういっていただけると。出立の日まで、どうかゆっくりと過ごしてください。家のことで何かありましたら、妻に言っていただければ何とかしますので。」


「ご丁寧にありがとうございます。では、私は上で仲間と準備をするので。」


「はい、ごゆっくり。」


バーグに見送られ、上へ向かう。


(リアッツォでは、色々情報収集が出来そうだ…。領主に聞くことも整理しておかないとな…。)


フルールの件で進展があるかもしれないということで、前向きにリアッツォ行きを考えるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ