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≪付録・破6≫

オウタはコスタニコのビームを阻止しようとした。


しかし中途半端な攻撃では駄目であった。


それで、このビーム照射を止める事は出来ても、その後、超強者であるアルティメッツコスタニコとのバトルという大変リスキーな状況に陥ってしまうから。


そうした事態を避けるためには、背後を取っている今この絶好の瞬間で、コスタニコを一撃の下に仕留める必要があった。


けれども意識を取り戻したばかりのオウタは武器を所持していなかったのである。


となると彼に残された攻撃手段は一つだけであった。


ミラクルパンチである。


初撃必殺のミラクルパンチでコスタニコを制圧するしかなかったのであった。


だが、それを実行するためには大問題があったのである。


ミラクルパンチの初動はポケット居合であった。


手を衣服のポケットに入れておかなければならないのである。


しかし今のオウタは、全裸、であった。


服を着ていないので手を入れるポケットが無いのである。


なぜオウタがマッパなのかというと、ケースから助け出された時、生体ユニットにされていた彼は一糸まとわぬ状態であったため、ポーターの私が所持していた衣類を着せようとはしたのだが、


「気を失っている人に第三者が勝手に下着を履かせたりするのはハラスメントじゃね?」


という話が持ち上がり、


「意識を取り戻したら自分で服を着てもらう事にしよう」


という結論になって、とりあえずその裸体を毛布でくるんでおくまでに止まったのであった。


そんな防ハラが、このタイミングで災いしてしまったのである。


素っ裸のオウタではポケット居合が出来ないので、ミラクルパンチを打つ事が不可能……と思われたのだが、彼はちゃんと代案を用意していたのであった。


オウタの隣にはマクシアが立っていた。


そこで彼はマクシアの服のポケットに手を入れたのである。

自分のではなく他人の服で、ポケット居合を敢行しようというのであった。


他人のポケットでもあっても出来てしまうのかといえば、可能であった。


可能なのだが、案の定、支障が出る事になってしまった。


ポケット居合は、目にも留まらぬ速さで腰を切り、ポケットから手を抜くのではなく、手からポケットを抜く、という形で抜拳し、放つものなのである。

だが当然、ポケットを無断借用されているマクシアに、目にも留まらぬ速さで腰を切る、などといった芸当が出来る訳が無い。

にもかかわらずポケット居合を初動とするミラクルパンチを強行すれば果たしてどうなるか。


結果、マクシアの服が弾け飛んだのであった。


下着も弾け飛んだ。


頭部に巻いていた目隠しさえも弾け飛んでしまった。


マクシアはスッポンポンになってしまったのである。


(今更ながらのアレオパゴス会議のフリュネ!)


私は目を見張った。

目隠しが失われた事によって、私はマクシアのバイオッドアイを初目撃する事となった。

話には聞いていた通り、右目が白目碧瞳なのに対して、左目は黒目金瞳であった。

確かに左目の黒目金瞳は、見る者に禍々しい印象を与え、彼女の母親が隠しておくように指示したのも納得であった。


「!?」


マクシアは自分が丸裸になった事に気付いた。


「ちょっとぉッ!」


彼女は抗議の声を上げた。

その声は間延びしていなかった。

マクシアは常に間延びした喋り方をし、緊急時の掛け声ですら間延びしていたので、私は初めて彼女の口から間延びしていない声が発せられるのを耳にしたのである。


彼女は慌てて両手で己の裸身を隠そうとした。


通常の女性であれば両手で裸を隠そうとした場合、乳房と局部を隠すものである。


だが、マクシアはなぜか局部と、目元、を隠したのであった。


そのため彼女の豊満なオッパイが丸見えとなる。


私は、絶妙な位置に乳ボクロがあるのを発見してしまったが、


(これ以上見てはいけない)


と、視線を逸らした。


マクシアが尊い犠牲となってしまったが、オウタはミラクルパンチを放つ事に成功した。


コスタニコの背後に立っていた彼が、ミラクルパンチを彼女のどこに食らわせたか?


それは臀部であった。


尻である。


ミラクルパンチは


【ミラクルケツパンチ】


と化したのである。


ここで唐突な補足情報なのだが、コスタニコは下半身裸であった。


どうしてそのような格好になってしまっているのかというと、マクシアが原因であった。

彼女が腰斬されたコスタニコを助けようとした時、下半身が綺麗な状態で残っているので、それを上半身とくっつけて治せばよかったのに、マクシアは核融合反応アクセス権による莫大な魔力に物を言わせて、下半身を丸ごと再生させてしまったのである。

無論、衣服までは再生されないため、結果、コスタニコは下に何も着けてないボトムレスとなってしまったのであった。

そしてオウタの時と同じ防ハラの事情でコスタニコに下着を履かせたりせず、毛布でくるむまでにしてあったのである。


そうした訳でオウタのミラクルケツパンチは、下半身裸であるコスタニコの生尻に炸裂したのであった。


彼女の臀部には絶巧の位置に尻ボクロがあったのだが、ミラクルケツパンチはその傍に着弾した。


「おぅふッ!!」


変な悲鳴を上げて猛然と吹き飛ぶコスタニコ。

彼女はゴロゴロゴロゴロ!と地面を転げ回り、それから俯せの体勢でズザザザーーッ!と地べたを滑った。

そうしてそのまま失神し、ピクピクと痙攣するのみになってしまったのである。

その尻肌にはミラクルケツパンチによる打撃痕がくっきりと刻まれ、そこから煙が立ち上っていた。


「あはははははははははははははははははは!」


オウタは嗤[わら]った。


彼のサディストとしての一面が出たのである。

強者を倒す事に興奮を覚えてしまう癖[へき]のオウタは、アルティメッツコスタニコを打倒してハイテンションになってしまったのであった。

その嗤顔[えがお]は、以前に三人のトップランカーとのタイマン勝負で勝った時よりも愉し気であった。


「やはりラスボス系女子はいいものだ! うちの嫁さんもそうなので!」


オウタは嗤いながら、そうコメントした。


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