≪序論・背景・世界情勢1≫
論理展開をしていくに当たり、我々の世界の情勢を振り返っていく。
我々が暮らす大地はジスモード大陸と呼称されている。
ジスモード大陸の周囲は果てしない水海と砂海に囲まれている。
余談だが異世界〈地球〉では、海という言葉は水の場合にだけ適用されており、砂の場合は砂漠と呼ばれているそうである。
砂漠は海ほどの広さは無く、また徒歩で渡る事も可能だそうである。
我々の世界の砂海は3歩も歩けば全身が沈んで溺れ死ぬので、異世界の砂とこちらの砂は別物であると考えられる。
ジスモード大陸の北方には
【魔界】
が広がっている。
魔界とは魔物達が棲息する領域の事である。
魔界はまだ踏破されていないため、その広さは未確認である。
ゆえにジスモード大陸全体の総面積も現状不明である。
もしかしたらジスモードは大陸ではなく、もっと巨大な大陸につながっている半島である可能性も残されているのである。
ジスモード大陸の南方が
【人型知的生命体】
の暮らす領域になっている。
人型知的生命体には6種類の
【種族】
が存在している。
それぞれの名称と特徴は以下である。
有耳種:耳が長く尖っている。
有角種:頭部に角が生えている。
有尾種:第三の手としても使える、地に着く程の長い尻尾を持つ。
有紋種:生まれながらにして体表にタトゥーという紋様がある。
有毛種:全身に毛があり、イヌ科ネコ科どちらかの獣的外観をしている。
有無種:特徴無し。
ちなみに著者の私は有無種である。
各種族の生活する領土は完全に別れている。
各種族は言語が共通であり、互いに何ら支障なくコミュニケーションを取る事が可能である。
各種族は
【生物としては別物】
である。
なぜなら異種族間で性交しても子を成す事が出来ないからである。
各種族は、信条・価値観・習慣、といった文化の違いで
【民族】
という集団に別れており、自種族の領土内にて民族間での戦争、すなわち
【民族戦争】
を繰り返していた。
そうした時代の中で、有無種の
【ドラジド・サンタモ・ジドラジド】
という男性が
【人間至高主義〈レイシズム〉】
を掲げたのである。
人間至高主義とは、
【人間は最も優れた最高の生物であり、この世界は人間のために存在している】
という思想である。
更にドラジドは唱えた。
「人間とはどの種族の事か。それは我ら有無種である。ゆえに有無種同士で争う事は大いなる過ちである。世界は有無種という人間のために存在しているのだから、我々はこの世のすべてを手に入れるため、団結し、世界征服事業を断行しなければならないのである」
人間至高主義は全有無種からの支持を大いに得る事に成功し、ドラジドは同種族統一という、他種族も含め、これまで誰も成し得なかった偉業を達成したのである。
そして彼は、他種族を侵略する事を国是とする帝国主義を掲げたイイトモン帝国を成立させ、初代皇帝の座に着いたのである。
ドラジドは、その偉大な功績によって【神君】とまで称えられ、絶大な影響力を持ったのであった。




