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≪本論・シルカ平原攻略戦・結6≫

シルカ平原攻略戦はこれにて終了であった。


後は何もせず、トーチカ要塞線がすべて燃え尽きるのを見ていればいいだけである。


が、しかし、問題が勃発してしまったのである。


「上層部からの命令だ」


ここに来てのホリエケンであった。


「トーチカ要塞線の延焼を食い止めるんだ。有無種の正規軍が通る分だけのルートを確保できればいい。このままではシルカ平原全部の要塞線が燃えてしまって他種族の分のルートまで開けてしまう。それは良くない。だから何としてでも延焼を食い止めろ。いくら犠牲を払ってでも構わない」


命令が発せられるまでの経過時間的にどう考えても上層部からではなかった。

現場の状況が本国の上層部へと伝わり、上層部が、すべての采配をレイドリーダーに預ける、という方針を翻して、急に具体的な命令を送ってくるなど、この短時間で起こり得ないのである。


またしても悪真面目ホリエケンの自己満命令であった。


私は、彼が二度と馬鹿馬鹿しい命令を出さないよう黙らせる事には成功した、と思っていた。


けれどもそれは大間違いであったのだ。


ホリエケンは我々に対して深々と頭を下げて「申し訳なかった」と言った。


が、本当にそれだけだったのである。

そのように体を真面目に挙動させただけだったのであった。

彼の内心では何も反省しておらず、自身の自己満主義を改めようという気などさらさらなかったのである。


「あの自己満大王がっ! またクソッタレな命令を垂れ流しやがって!」


これにイェンがブチギレた。


ホリエケンの自己満命令の所為で、大切な仲間達が散々危険な目に遭わされ、マクシアに至っては右脇腹ごっそりやられて死にかけたのである。

彼の腸はずっと煮えくり返っていたというのに、ここでまたこの命令である。

ナパームの炎で焼かれているトーチカを鎮火するなど不可能であり、下手に近づけば誘爆に巻き込まれて犬死にするだけであった。


「こんな命令誰も聞かなくていい! 俺がアイツの所へ行って発令を止めてくる!」


そう言ってイェンは押っ取り刀で後方へと向かった。


そしてその発言通り、発令を止めたのである。


ホリエケンを斬り捨てる、という手段を以てして。



イェンがホリエケンを斬り捨ててしまった事についてオウタは、


「仕方なしですね。僕の地元の著名な軍人の組織論でも、こう言ってますし」


と、その組織論を語ってくれた。

その内容は以下である。


有能な怠け者は指揮官にせよ

有能な働き者は参謀に向いている

無能な怠け者は下級兵士が務まる

無能な働き者は追放すべし

有害な働き者はブッ殺せ!


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