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≪本論・シルカ平原攻略戦・承3≫

メガネハントを進めていくに当たって、まず我々が行ったのは、他種族との共同戦線を築く事であった。


なぜその必要があったのか?


それは他種族も、自国で開発されたメガネが停滞するシルカ平原攻略戦の打開策として大量供給されており、我々と同じように蔓延したメガネに毒され、惨憺たる状態となっていたのである。


先にも触れたように戦場は様々な人型知的生命体が混在する、種族のサラダボウルと化している。

ゆえに、我々有無種だけがメガネの排除を行ったとしても、他種族から流入してしまう危険性があるのである。

具体的には、有無種が他種族からメガネを盗む、有無種のジャンキーが他種族を殺害してメガネを強奪する、などといった事が想定されるのであった。

そういった事案を防ぐためには、すべての種族が協力して、一挙にシルカ平原からメガネを淘汰する必要があったのである。


メガネ排斥を目的とする共同戦線設立を有無種から各種族へ提言していくに当たり、誰がその任を担うのかという話になった。

この案はすべての種族にとって必要な事ではあるのだが、皆レイシストなので、


「劣等種の提案などに乗ってたまるか」


と、理屈ではなく感情論で拒否されてしまう可能性が非常に高かった。


他種族に対して角を立てず、その言い分にしっかりと耳を傾け、穏便に話し合いができる人物が求められたのである。


「俺が行ってきます」


志願したのはイェンであった。


最良の適任者であった。


なぜなら彼は差別意識を持たないノットレイシストであるがゆえに。


交渉役に任命されたイェンは、戦場を駆けずり回り、各種族のレイドリーダー達に接触した。


そうしたところレイドリーダー達は共同戦線設立案に同意してくれた。


皆、トップランカーの中から厳選された非常に優秀な者達であったので、互いに手を組んでメガネを戦場より一掃しなければならない事の必要性を、ちゃんと理解してくれたのである。


ただ、皆、レイシストなので、自種族以外の低級生命体と協力しなければならない事に対し、やはり嫌悪感を露わにした。


そうした負の感情をぶつけられても交渉役のイェンは柔和な態度を決して崩さなかったのである。

もし彼以外の人物が交渉役であったら腹を立ててしまって衝突が起こり、話し合いは決裂していたであろう。

イェン様様であった。


こうして無事に対メガネ共同戦線が誕生し、我々は断固たる意志を持ってすべての種族からメガネを強制回収していったのである。

この時、我々は以下のようなスローガンを掲げた。


【メガネ。ダメ。ゼッタイ。】


【メガネやめますか? それとも人間やめますか?】


【メガネはあなたの人生を粉々にします】


【勝者はメガネに頼らない】


集められたメガネは一箇所に集められ、うず高く山のように積み上げられた。


そして火を放たれ、焼却されたのである。


焚書ならぬ焚メガネであった。


重度のジャンキーでメガネを決して手放そうとしない者もいたが、そうした者はメガネごと火にくべられた。


以上のようにして我々はメガネ撲滅に成功し、メガネハントという戦争を勝利で終えたのであった。


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