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≪序論・背景・二つの世界について3≫

ここで


【魔力は他の生物に供給可能】


という点に言及しておく。


自分の魔力を他人に与える事が出来るのだ。

これによって、魔力を与えられた者は本来の個人保有魔力量を超える魔力を所持する事が可能となる。


再び、大陸を千切って投げつける魔法の件になるが、こうした特性があるのなら、一人の人間に魔力を供給しまくれば、発動必須魔力量をクリアできると考えられるが、やはり不可なのである。


それは、個人保有魔力量とは別に、人間一人が受け止め切る事が出来る魔力量には


【個人限界魔力量】


という上限があるためである。


その上限を上回る魔力を供給されてしまうと人はどうなるか。

風船に空気を送り込み過ぎるのと同じである、と言われている。

魔力が暴発し、爆発が起こるそうである。

現に爆死事故も報告されている。


個人保有魔力量と同様に、個人限界魔力量にも個体差があるのだが、それを計る手段は実際に魔力を供給してみるしかないのが現状である。

それは爆死のリスクを伴う危険な行為なので誰もやらず、結果、自身の個人限界魔力量を把握している者はいないのである。


ただ過去事例より20馬力程度を供給するまでは安全圏と言われているため、人から魔力を貰う時はそれを限度とするのが一般的となっている。


そして当然、20馬力程度の魔力が増加したところでは、大陸を千切って投げつける魔法は行使できないのである。


余談となるが、歴史上に残っている個人限界魔力量の最高記録は、一騎当千〈ワンマンアーミー〉の語源となった、キャワ中島の戦い、における武将:ケンウンの1000馬力である。

キャワ中島の戦いについて概要を説明すると、





迫り来る敵軍、その数10万


迎え撃つはケンウン率いる兵1000名


だが1000名の兵はこれまでの激戦で全員負傷しており満足に戦えない状態


そこで爆死覚悟でケンウンに1000名すべての魔力を結集する事を決行


1000人分の魔力、すなわち1000馬力をすべて受け止めて魅せるケンウン


臣下の魔力と闘志を背負い、愛馬:放生白龍に肉体強化の魔法を施して速馬とし、10万の大軍へ、単騎駆けの敵中突破を敢行するケンウン


槍の穂先に敵兵を突き刺し、それでそのまま別の敵兵を殴りつけるという動作を繰り返し、4人の敵将を討ち取るケンウン


最後は敵の総大将に一太刀浴びせるところまで行き、見事10万の敵軍をたった一騎で撃退せしむる事に成功したのであった





後世の脚色が多分に含まれていると言われてはいるが、このエピソードから、極めて強い人を言い表す一騎当千という言葉が生まれたのである。


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