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≪序論・背景・二つの世界について2≫

ここで改めて我々が日常的に使用している魔法について説いていく事にする。


魔法とは


【魔力】


を消費して


【世界の法則を一時的に書き換える技術】


である。


そうする事によって魔法は、先に触れた科学と同じような事が出来るようになる。


ちなみにであるが【科学は世界の法則を書き換えたりはしない】。


科学は飽く迄、世界の法則を遵守し、金属の力を利用することで事を成しているのである。


魔法は世界の法則を一時的に書き換えるので、理論上、万能である。


具体例を挙げると、大陸を千切って投げつける魔法、という途方もないスケールのものが実在している。

しかし、その魔法を発動させる事は不可能である。

なぜなら魔法を行使するためには、その内容に応じた最低限の魔力の量


【必須魔力量】


があり、それを満たさなければ発動しないのである。

大陸を千切って投げつけるという規模の大魔法ともなると当然、必須魔力量も途轍もない事となり、結果、出来ないのである。


魔法は理論上万能であるが、必須魔力量によって、その万能性に制限がかかっているのである。




魔法に続いて、次は魔力について言及していく事にする。


魔力とは何か。


それは生命エネルギーである。


生命エネルギーとは何か。


それは人間をはじめとして、生きとし生けるものすべてが内包する生命活動を行うためのエネルギーの事である。


魔力の計量単位は、馬力[バリキ]、となっている。


単位が馬力の由来は、魔法で肉体強化を施された馬1頭が発揮する仕事率を1馬力と定めたもの、という事から来ているのだが、小難しい内容であり、説明しても、専門家でないとピンと来ない話になるので詳細は省く事にする。


人間一人が持つ魔力は


【個人保有魔力量】


と呼ばれ、これには個体差がある。


個人保有魔力量の平均値は1馬力である。

よって例えば、個人保有魔力量5馬力となれば、その人物は平均的人間5人分の魔力を所持しているという事になる。


個人保有魔力量は成長と共に増加していき、16歳で最大値に達する。

我々の世界で成人年齢が16歳なのは、これが理由である。

個人保有魔力量は完全に才能である。

生来で決まっており、後天で増加させる術はない。



先の、大陸を千切って投げつける魔法に話を戻すが、ならば膨大な数の人員を集めて必須魔力量の条件を満たせばいいではないか、と思われるかもしれないが、それは無理である。

なぜなら魔法の発動には


【呪文】の【詠唱】


が必要であり、詠唱は一個人でやらなければならないのである。

複数人で詠唱して一つの魔法を行使する事は出来ないのである。

したがって、大陸を千切って投げつける魔法を発動できるのは、とんでもない個人保有魔力量がある一人の人間という、非現実的な存在でなければならないのである。


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