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≪序論・背景・二つの世界について1≫

【金属】


という言葉がある。


【光沢を持ち、熱や電気をよく伝え、強度が大きくて折れにくく、展性・延性を持ち、常温では固体の物質】


を意味する言葉である。

その特性ゆえ、様々な用途がある物質である。


しかし、金属は我々の世界には実在しない架空の物質である。

空想の産物でしかないのだ。


だが驚愕すべき事に、異世界〈地球〉には、この夢物語のような物質が存在しているのである。

そんな物質が一体どこにあるのかというと、信じられぬ事に大地から産出するとの事であった。

大地を掘ると【鉱石】という金属を含む石が取れるというのである。

しかもその埋蔵量は莫大との事であった。

我々の世界でも大地を掘れば石はいくらでも出てくるが、鉱石なるものが出てきた試しは無い。


更に驚くなかれ。

異世界にて金属は大地に埋まっているだけでなく、なんと【星】という形で空にも浮かんでいるのである。


何を言っているのか訳が分からない、という状況に陥っている事と思われるので、ここで異世界の世界観について詳しく言及していく。


我々の世界では、大地平面説と大地球体説がせめぎ合っており、まだ確定していない。

対して異世界は大地球体説で確定しているのである。

異世界の大地は丸く完結しているのだ。


丸く完結した大地は地球と呼称されており、それは宇宙と呼ばれる無限の広さを持つ空間に浮かんでいる。

そして、その宇宙には地球だけでなく、星という金属を含んだ塊が無数に浮遊しており、地上から空を見上げれば肉眼で目視できるのである。

つまり異世界は


【金属無限世界】


と定義する事が出来るのだ。


反って我々の世界は悲しいかな


【金属絶無世界】


である。


異世界ではその無限にある金属を活用して


【科学】


という名の技術を発展させている。

この科学によって異世界人は、火や雷を発生させたり、対象を凍り付かせたり、物を浮かび上がらせたり、超人的パワーを行使したり、といった事を実現しているのである。


では金属絶無世界の住人である我々に同様の真似は不可能なのかと言えば、そんな事はない。

可能である。


【魔法】


という名の技術によって。


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