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≪本論・十傑集の躍進5≫

ベストペンギニストに選ばれ、一躍時の人となった十傑集であったが、知名度が上がった事による代償、すなわち有名税を二つほど支払う羽目になった。


一つ目の有名税は【パーティ師】に利用された事である。


企業と同じようにパーティにも、吸収合併、という制度がある。

一つのパーティが他のパーティを、そのメンバーや成績等を包括的に吸収し、合併するのである。

吸収された側のパーティは消滅する事となる。


この制度を悪用するのがパーティ師であった。


吸収合併は様々な事情で行われるのだが、そこに金銭が発生する場合がある。

パーティ師は、特定のパーティのメンバーに成り済まして、他のパーティへ架空の吸収合併の話を持ち掛けて、代価を騙し取ってしまうのであった。


この詐欺行為に、十傑集が吸収される側として勝手に使われてしまったのである。


そして被害者が出てしまったのである。


被害者となったのは、なんとイェンが元所属していたパーティのリーダーであった。


パーティ師は狡猾であった。

普通に考えればベストペンギニストに選出され、飛ぶ鳥を落とす勢いのある十傑集なのだから、吸収する側にはなっても、吸収される側になるのは、極めて不自然なのである。

パーティ師は、この不自然さを誤魔化すために、あるストーリーをでっち上げたのであった。

そのストーリーの内容は以下である。


リーダーの不興を買って、パーティから追放されてしまったイェン。

彼は深く後悔し、どうにかして復帰させてもらいたいと考えた。

しかし、手ぶらでは拒絶されてしまうと考えたイェンは、新たにパーティを立ち上げ、育てて有名にし、それを手土産にして、復帰をお願いしようとしたのである。

制度の都合上、高額の金銭を支払う事にはなるが、後ほど返金するので、どうかイェンの心意気を汲んで、この吸収合併を受け入れてはくれまいか。


このストーリーをパーティ師から聞いた被害者のリーダーは、


「健気な奴め。よかろう、ベストペンギニストを吸収したとなれば、俺のパーティに箔が付く」


と、いい気になってしまい、まんまと騙され、大金をせしめられてしまったのであった。


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