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≪本論・十傑集の黎明3≫

コスタニコは冒険が始まるとファイエルとして十全にパーティへ貢献していた。


そしてフリーランスの魔法研究者でもある彼女は、オウタが抱えている問題の解決についても尽力したのである。

異世界への帰還方法については、コスタニコは門外漢であったので力になれなかったが、性転換して女になってしまっているというトラブルに関しては対応可能であった。


「…これは…凄い事だよ……」


オウタの身体を調べた彼女は、そう感嘆の声を上げた。


何が凄い事なのか。


それは、魔法の固定化、に成功していたからである。


魔法とは魔力を消費して世界の法則を一時的に書き換える技術である。

一時的なので、時間が経過すれば世界の法則は復元されてしまう。

つまり魔法の効果が失われるという事である。

効果を維持したいとなれば、魔法を繰り返し使い続け、当然、魔力を消費し続ける事になるのである。


だがしかし、オウタにかけられた性転換の魔法は、書き換えられた世界の法則が、その状態で固定していたのである。


固定されているので魔法を繰り返し使い続ける必要がなくなっており、オウタは魔力の消費無しで、ずっと女でいられるのであった。


「…固定化は…魔法技術の最重要課題の一つだ……。…オウタの身体に起こっている事の…メカニズムを解明できれば…単なる性転換だけでなく…様々な分野に応用できる……。…例えば、強化魔法が解けなくなるので…武具は本当に金属で生成されたような…性能を持つようになる……。…浮遊魔法をかけた巨石は…永久に浮かび続けるから…それを使って…空中要塞も作れてしまう……」


興奮を隠しきれないコスタニコであったが、当のオウタは、


「とても夢のあるお話ですが、僕は男の体に戻りたいです」


と、うんざりしていた。


オウタの性転換には不明点が多く、解くためには色々と研究をする必要があった。

そこで、魔法の固定化の仕組みを解明したいコスタニコにオウタは協力し、自身の身体を研究材料として提供して、その解除方法も調べてもらう事にしたのであった。




さらにコスタニコはオウタと連携して、もう一つ研究を行う事にした。

そのテーマは


【忍術と魔法の合体】


であった。


忍術と魔法の合体には、大いなる可能性が秘められているというのである。


例えば、肉体強化について、忍術も魔法も同じ人に重ね掛けする事は出来ない。

けれども忍術の肉体強化の上に、魔法の肉体強化をかけられる可能性が有り、それを実現できれば、単純に1+1=2ではない相乗効果を発揮され、強化率が飛躍的にアップする事が期待できたのであった。


この忍術と魔法の合体の研究については、帝立勇者聖女養成専門学校成績最優秀者である、才のマクシア、も助力する事になった。


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