≪序論・背景・主要人物4≫
四人目。
コスタニコ・セクスタ。
有無種の女性で年齢は18歳。
冒険者としてのジョブは、遠距離から攻撃魔法を駆使して戦う火力支援士〈ファイエル〉である。
イェンと同じくらいの長身で、マクシアを上回る豊満なプロポーションをしているが、大振りなローブでその肉体を完全に隠してしまっている。
美貌の持ち主だが、ストレートロングヘアで顔全体を覆ってしまっており、マクシアが、メカクレ、なのに対して、こちらは、ゼンカクレ、である。
常に猫背気味で、ボソボソと喋り、内気で気弱で大人しい。
魔女帽子を被りたかったからファイエルになったそうである。
得意な攻撃魔法は光線系。
個人保有魔力量は28馬力でとても高い。
マクシア同様、こちらも高速二重詠唱まで使用可である。
そしてコスタニコは
【棺桶担いじゃっている系女子】
であった。
厳密には、棺桶型の頑丈な荷物入れ、を背負っているのである。
その中身は、魔法の研究道具である。
彼女はフリーランスの魔法研究者なのである。
魔法技術の研究は、国やその関連組織が行うものだが、個人レベルでの研究も許されている。
ただ新発見をした場合、即座に国へ報告する義務を負い、それを怠ると、
「良からぬ事を企てている」
として、国家反逆罪という重罪に問われてしまうのである。
魔法研究者であるコスタニコは必要があれば出先でも研究できるように、必要な道具を常に持ち歩いているのであった。
以上が主要人物四名の紹介である。
この論文の著者である私については、既に断片的に情報を載せているが、一応、ここでも自己紹介しておく。
メイスン・ウェンリー。
有無種の男性で年齢は20歳。
冒険者としてのジョブは運搬士〈ポーター〉である。
中肉中背でこれといった特徴の無い平々凡々な顔立ちをしている。
歴史家を志望しており、そのために論理的思考力と、鑑識眼といった分析力を鍛えていて自信がある。
そして何より、真理を追い求める探求心は誰にも負けない。
そのためなら神君でも否定してみせ、異端者の誹りも喜んで受ける。
荒事は苦手なので、戦闘には参加しない、荷物を持ち運ぶ専任ジョブであるポーターとなった。
ただしポーターとなった理由はそれだけではない。
もっと重要な理由がある。
それは、物事や出来事に直接関わりを持たない、傍観者、でいられるという事である。
ポーターは端ジョブと言われており、パーティ内では、自走する荷車程度の認識しかされない。
つまり軽んじられているのである。
が、軽んじられているがゆえに、パーティ内で意見を求められたり、決断を迫られたりする事が無いのである。
歴史家志望の私は冒険をしていてもフィールドワークが目的なので、飽くまで観察する立場でいたいのである。
物事や出来事に干渉したくないのである。
万が一、パーティが歴史的決断に迫られる事があった時、私は第三者として客観的に見ていたいのである。
そういった点で、端ジョブのポーターは私にとって好都合なのであった。
個人保有魔力量は3馬力と平均より高い方である。
差別に関しては、先に述べた、有無種は最も優れた最高の生物である人間という訳ではない、という持論から、当然、イェンと同様に否差別主義者である……と言いたい所ではあるが、否である。
幼少の頃から受け続けた洗脳教育によってレイシストから完全に脱却できておらず、他種族を目にすると、そこはかとない侮蔑感を抱いてしまう未熟否差別主義者なのであった。




