表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

42/43

第42話 本物の虚飾

忍び寄る不気味な人間にエリカ達は固唾を飲んだ。


フィッシュネットトップスを素肌の上に着て、その異質さをオリーブ色のロング丈パーカーで羽織り隠している。


エリカは覚悟を決めた。そしてエリカは1歩前へ出る。


緊迫した状況に音楽をかけるがごとくエリカがリズ達に言った。


「ここは私に任せて、先に行ってください。」


それは決心した姿だった。


リズとルナはエリカの背中を見た。小さな背中だが背負うものは大層に多く、立派であった。


「ほら、レツお兄ちゃんのために、お姉ちゃん達がこの先の道を作ってあげてください。私はここの掃除をします。」


リズとルナは信じた。必ず戻ってくることを。


「頼んだよ〜!エリカちゃん!」


「きっと!合流しよう!」


返事は必要なかった。それ以上にエリカの背中には重みがあったのだ。


リズ達が去った後、エリカは牽制した。


「あなたは、誰なんですか!」


謎の男は、エリカの周りをぐるぐるしエリカの顔をじっと見た。その行動にエリカは目で追うことしかしなかった。


「名乗るものではないんだけどね」


そう言った瞬間エリカは、容赦なく魔力をぶつけた。


放った閃光は謎の男へと向かう。

しかし男は自分の体に手を置き


感度(バイブ)


閃光は男を過ぎ去り、もはや塵も残さない。


はずだった。


なぜか男は無事。跡ひとつない。


ブゥゥゥゥンッ


気づけば男はエリカのすぐ横に来ていた。

エリカはすぐ反応が出来なかった。男にエリカは触れられてしまった。


感度(バイブ)


エリカの脳裏に浮かんだのは、大男。

あのようにされると冷や汗をかく。


「終わりだ。」


男はそう宣言した。


こんなんで終わりたくない!

その原動力がエリカの身体を動かした。


エリカの身体が一瞬で消え男の後ろに現れる、そして丸い魔力瞬間的に生成しそれをそのままぶつけた。


そして煙が舞い上がるが、構わずエリカは男の前へ現れ顔を身体を埋め込ませながら殴る。後ろに傾いた所をそれよりも後ろからエリカは蹴り上げた。


エリカは右手と左手に魔力を溜めた。


それを真上に同時に放つ。


「はぁぁ!!」


天井がボロボロと降ってくる。

エリカは感じ取った。男が大した傷を負っていないことに。


すぐさま指先に小さな魔力を数個作る。辺りに散らばせた。


「やば、予想以上に強すぎじゃないか?」


男が疲労感を見せつけながらゆっくりと降りると、エリカは片手に魔力を溜め、それをまた真っ直ぐはなった。


その魔力を男は避けるが、先程ばらまいといた魔力の塊に反射し方向を変えて、男を刺した。


「ぐっっ!?」


魔力は止まることを知らず、次々と反射し男を指した。


男は、体に穴が空く。

決着がついた。


感度(バイブ)


男は穴が空いたところの周辺を撫でると、まるで砂岩を撫でると砂がサラサラと落ちていくように、穴は埋まっていった。服も同様にだ。


「化け物ですか!あなたは!?」


無傷となった彼にエリカは戦慄した。

男は顔に着いた血を拭うと、視線を逸らした。


「まさか、こんな攻撃されるとは思わなかったぜ」


やれやれとした感じの態度を取る。


「アイはトーマス・アバウト。見ての通りナイスガイだ。」


先程戦ったとは思えないほど元気で、親和的だった。

トーマスはエリカに突然変な事を言った。


「ユーには、好きな人いるでしょ?」


「!?」


エリカの心臓が「ドキッ」と鼓動を刻んだ。


エリカの態度がよそよそしくなり、顔が赤くなって目が泳いでいる。


「い…いません!」


トーマスがうんうんとわかったかのような顔をしている。


「アイの潜在輝石感度(バイブ)はね、自分以外の人に恋をしている場合は効かないんだ。」


自分の輝石の開示をした。エリカはどんどんと赤らめていく、目がぐるぐるとなる。


「それにね、ユーにそれを聞いた時とても心拍数が上がってる。激しい動きをしたせいじゃない。」


エリカは下を向いて質問した。


「なんでそんなことわかるんですか……?」


トーマスは胸に手を当て高らかに答えた。


「アイはね、セクシーな男優をしているんだ。」


エリカは頭を傾げた。


「要するに、恋愛のプロフェッショナルだ。」


数秒待ったあと、手を下げ遠くを見つめた。


「と言っても、アイは男の人としかしてないけどね。」


「それに相手はミーを本当に愛してはくれない……。ゼイらは演技なんだよ。」


悲しそうな顔で自分語りをした。

エリカの顔をふと見る。顔を赤らめながらボーッとしていた。そして自分の顔を横に震わした。


「ごめんごめん、その人はどういう人なのかな?」


エリカはキュッと身を縮めて答えた。


「あの人は……自分じゃなくて他の人を優先してくれて、自分のことはどうしても他人に結びつけたがったりします。」


「だから、私は甘えられないあの人を甘えさせ…たい」


そう言い切った時、エリカは思い出した。


烈が平等の思想を持ってその夢を実現するためにここに来て、エリカは烈を支えようとしたけれど、またしても自分を犠牲にさせてしまったこと。


***


「俺たちがすることはゴールへ行くことだ!」


***


だけど、少し違った。ちょっとだけだけど、エリカ達を頼ってくれた。


(私はここで立ち止まっている場合じゃないのです!)


エリカは片手ずつを重ねた。そして魔力を溜める。

魔力の生成による風圧により髪が少しふわっと上がった。エリカの瞬きの数が増える。


エリカの目には光が消えていた。

完全に敵を排除する。


「全魔……」


「気に入った!お前の仲間にさせてくれ!」


突拍子もない発言にエリカの魔力は爆発した。


「アツっ!」


純粋なトーマスの笑顔にエリカは困惑した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ