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S級冒険者が歩む道~パーティーを追放された少年は真の能力『武器マスター』に覚醒し、やがて世界最強へ至る~  作者: さとう
第二十八章 ネクロファンタジア・マウンテン

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封印されし黒鋼の山ネクロファンタジア・マウンテン②/『イズールド』

新年、あけましておめでとうございます!!

今年もS級冒険者が歩む道をよろしくお願いします!!

 ハイセ、プレセア、ヒデヨシ、エアリア、シドラ。

 五人は周囲を警戒しつつ、山道を歩いていた。

 ハイセは最大級の警戒をし、傍にいるヒデヨシを守るよう銃を手にしている。するとプレセアが言う。


「今は、魔獣の気配はないわ。安心していいわよ」

「……お前を疑ってるわけじゃない。でも、ここは未知の領域だ。警戒は必要だろ」

「そうだけど、私の精霊を疑いすぎるのもね。あなた、疲れるわよ」


 そう言い、ふよふよと二メートルほど上空を飛ぶエアリアにプレセアは言う。


「エアリア、そっちはどう?」

「どうもなにも、こんな低空じゃ何もわからんぞー!! もうちょい高く飛びたい!!」

「ダメ。シズカがどうなったか忘れたの?」

「むうう」


 ちなみに、警戒しているのはハイセだけではない。

 

「むううう……」


 シドラだった。

 久しぶりに外に出て、とにかく周りをキョロキョロしている。

 その様子を見て、ハイセが言う。


「おい、お前はアイテムボックスにいてもいいって何度も言ってるだろ」

「い、いえ!! わたし、ヒデヨシ様の護衛ですし。それに……わたしも」


 シドラは、オーバースキル『岩神』のスキル保持者。

 ロウェルギア、シズカと同じなのだが、力に目覚めたのは最近であり、戦闘経験どころかスキルの仕様すらまともに知らない。

 アイテムボックスに入る前、プレセアに『ヒデヨシの護衛』と言われ、それを果たすべく頑張っている。それを見てヒデヨシはクスっと微笑む。


「シドラちゃん、ずっと私に付いてくれたんです。寝る時も、お風呂も一緒で」

「ううう、やっぱりご迷惑でしたか?」

「そんなことないよ。ふふ、妹ができたみたいで、うれしい」

「……妹。えへへ」


 シドラは嬉しそうに微笑んだ。

 その様子を見て、ハイセはプレセアに言う。


「……これも、お前の狙いか?」

「どういうことかしら?」


 どこかとぼけたように言うプレセア。

 プレセアは、大人ばかりで居心地の悪そうなシドラを気にしていた。そして、同じように居心地の悪そうなヒデヨシを見て、二人を一緒にすればいい友人になれると踏んだのだ。結果は見ての通り。


「あのさ、シドラちゃん。帰る場所がないなら、私のところにくる?」

「あ……いいんですか?」

「うん。オーバースキル、もっと使えるようになりたいんだよね。シズカもオーバースキル保持者だし、イエヤス様やゲンパクはスキル研究者だから、きっとすぐに使えるようになるよ」

「あ……はい!! 一緒にいたいです」


 本当の姉妹のようだった。

 ハイセは横目で見つつ、少し安心したように頬を緩ませた。

 すると、プレセアが顔を覗き込む。


「シドラ、引き取ることも考えてた? イーサンやシムーンのいい友達になれるとか考えてたでしょ」

「…………うるせ」

「まあ、あなたも言ったじゃない? ロウェルギアの『魔導船』が実用化すれば、人間界と魔界の行き来が可能になるかもって。そうなれば、いつでも会えるわ」

「……だから、うるせえっての。お前も警戒しろ」


 山道は、人間界にもあるような普通の山道と同じだった。

 魔獣の気配もない。ここが『ネクロファンタジア・マウンテン』と言われると、そうも思えないような……そんな、あまりにも普通の道だ。

 安全だからこそ、パーティー分断し、山道の途中からの分岐道を進んでここにいる。

 このパーティーも、一日かけてハイセたちが考えた結果のパーティーだ。戦力を分散し、どんな状況にも対応できるメンバーである。

 シドラ、ヒデヨシはアイテムボックス内で待機……という話だったが、二人が『力になりたい』と言って、パーティーに入ったのだ。

 

「む? おーいハイセ、なんか見えてきたぞー」


 鳥並の視力を持つエアリアが、何かに気付いた。

 ハイセは警戒。プレセアも弓を手にし、シドラとヒデヨシは会話をやめてハイセたちの傍へ。

 そして、エアリアが先行し、ハイセたちがあとに続き……到着した。


「……どうやら、ここからが本番のようだな」


 そこは、広場になっていた。

 そして、木々に絡みついた蔦が、大きなゲートを隠すように垂れていた。

 まるで、森の中にある遺跡。

 ハイセが近づき、ゲートに触れる。


「石造りの、ゲート……か」


 『イゾルデ』に触れた時のような警告音、特殊な演出はなかった。

 プレセアが近づき、蔦に触れる。


「……この蔦も、本物ね。純粋な植物……精霊も住み着いている」

「あ、あの」


 と、ヒデヨシが挙手。全員の視線がヒデヨシへ。

 ヒデヨシはゆっくりと、右手を壁に向けた。そこには文字が書かれていた。


「……『イズールド』か。イゾルデの壁に書かれていた文字と同じ。どうやら、この先に『アーサー』を開ける鍵の一つがあるようだ」


 シドラも気付く。


「あの、ハイセさん……これって」


 扉の近くにプレートがあり、スイッチのようなものがあった。

 エアリアが近づき、スイッチをペシッと叩く。

 すると、遺跡の扉が開き、先に続く道が現れた。


「おー、開いたぞ!!」

「おい馬鹿、調べもせずに触るなバカ。罠だったらどうするんだ馬鹿」

「バカバカ言うな!! スイッチがあれば押すだろうがー!!」


 ぷんぷんするエアリア。ハイセはエアリアの頭をペシッと叩き、入口の前に立つ。


「……プレセア、わかる範囲でこの先を精霊に調べさせろ」

「もうやってるわ。というか……何、これ」

「なんだ」


 プレセアは険しい顔をしていた。

 右手が淡く発光している。ハイセにはそれが精霊の発する光だと気付く。


「先が見えない。ただの遺跡……というか、山の中なのか、わからないわ。生物の気配なのか、魔獣なのか……人なのか。私にはわからない」


 手の光が消えた。

 エアリアが、小石を拾って入口へ投げる。


「フン。この先が何であれ、先に進むしかないんだろー? だったらあたいは進むだけだ。それがS級冒険者だからな!!」


 単純だが、その通りだった。

 ハイセはシドラとヒデヨシに言う。


「二人とも、アイテムボックスに戻れ」

「だ、大丈夫です。わたしだって」

「わ、私も」

「そういう次元じゃない。ここから先、全く未知の領域だ。お前たちを守れるかわからない以上、安全な場所に避難してもらうしかない」

「「…………」」


 二人は、足手まといなのだ。

 心意気が立派だろうと、強い決意をしても……現実では意味がない。

 二人は互いを見て頷き、ハイセに言う。


「何かあったら、呼んでくださいね!!」

「わ、私も……役に立てれば」

「ああ、わかった」


 二人はアイテムボックスへ。

 ハイセは、プレセアとエアリアに言う。


「行くぞ。最大級の警戒で、決して単独行動はするなよ」


 ハイセたちは、『イズールド』の中に踏み込んだ。


  ◇◇◇◇◇◇

 一方、サーシャたち

  ◇◇◇◇◇◇


「うー、師匠たち大丈夫かなー」


 クレアは、サーシャの隣でブツブツ言っていた。

 サーシャ タイクーン レイノルド クレア ピアソラ。この五人がパーティーである。

 ロビンの代わりにクレアが入っただけで、実質『セイクリッド』のようなパーティーだ。

 サーシャは言う。


「クレア、気を引き締めろ」

「わかってますよ。よーし、気合い入りました!! サーシャさん、前衛頑張りましょうね!!」

「ああ、そうだな」


 サーシャたちも、山道を進んでいた。

 タイクーン、レイノルドが警戒し、その間にピアソラがいる。

 サーシャが戦闘で、常に薄く闘気を纏っていることで、ありとあらゆる状況に対応できる。

 その様子を見て、クレアも真似をしたが……すぐに疲れたので闘気を解除。

 薄く闘気を纏う。これだけのことを、クレアはうまくできない。


「……むー」


 闘気の扱い方で、クレアはサーシャに勝てる気がしない。

 纏うことより放出が得意なクレア。逆に、サーシャは放出が苦手だった。だが……今は放出も、サーシャが上かもしれないとクレアは思う。

 得意分野でさえ、サーシャに負けている……そう思うと、クレアは悔しくなった。


「サーシャさん、聞いていいですか?」

「む、なんだ?」

「その、稽古の時間ってどれくらいですか?」

「稽古? そうだな……早朝稽古、日中は仕事、夜は稽古……半日以上だな。いや、最近は日中も闘気を薄く纏っているから、『ソードマスター』の力は常に発動している」

「え」


 つまり、ほぼ一日。

 その密度に、クレアは唖然とした。


「お前は、ハイセに稽古を付けてもらっているんだろう。フフ……負けていられないな」

「むぐぐぐぐ……!!」


 勝てる気がしないと感じてしまうクレア。

 だが、ここで諦めるのは、師であるハイセに申し訳ないと思った。


「ま、負けませんので!! フン!!」


 クレアは薄く闘気を纏い、サーシャに張り合うように前を歩くのだった。

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〇S級冒険者が歩む道 追放された少年は真の能力『武器マスター』で世界最強に至る 2巻
レーベル:GAコミック
著者:カネツキマサト
原著:さとう
その他:ひたきゆう
発売日:2025年 10月 11日
定価 748円(税込み)

【↓情報はこちらのリンクから↓】
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お読みいただき有難うございます!
月を斬る剣聖の神刃~剣は時代遅れと言われた剣聖、月を斬る夢を追い続ける~
連載中です!
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― 新着の感想 ―
[一言] 2コ編成ができたってことは、必然的にエクリプス、ヒジリ、ロビン、シズカ、ロヴェルギアってことになる。 久しぶりにセイクリッド以外のチームで組まれたロビン、斥候や援護射撃は大丈夫だとしても、ヒ…
サーシャが五大クランのクランマスターとして巨大組織のトップの仕事をしながらこれだけ強くなるというのは無理がありすぎる設定。普通は弱くなるか良くても現状維持が精一杯のはず、こうやって理不尽にサーシャやセ…
ハイセ達は、少し微妙だけどヒデヨシとシドラが歩み寄る絶好な機会を作るバランスの良いパーティーですね。先行警戒は、ほぼプレセアの役割で、エアリアは猪突猛進な所が少し不安ですが、ハイセが何とかカバーしてく…
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