↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/46

第9章:変装スキルで敵の要塞都市に潜入!伝説のテイマーの妹と出会い、世界樹を蝕む『暗黒竜』と貴族たちの真の陰謀を知る

カエララの巨大な門を通り抜けると、都市はその冷たく圧迫的な威厳のすべてを現した。


混沌とした商業都市であるアエテルガルドとは異なり、ヴァエロール家が支配する双子都市は、黒い石と鋼鉄の軍国主義的な迷宮だった。朝日が広く舗装された通りを温めようと奮闘していたが、そこは真紅のマントを着た何百人もの王室近衛兵によって強迫観念的にパトロールされていた。


マーカス、アナベル、そしてゴリアテはうつむき加減に歩き、朝の旅行者の流れに完璧に溶け込んでいた。若き忍者の致命的なスキル【変装の術】は完璧に機能していた。ずんぐりとしたハゲの商人、そばかすのある村娘、煤だらけの若い見習いに二度見をする者は誰もいなかった。


しかし、魔法の幻影の下では、緊張感は息が詰まるようだった。アナベルは鞄を痙攣するように握りしめていた。ゴランが彼女に託した【アビサル・アズライト】の破片の致命的な重さを、彼女は嫌というほど自覚していた。マナを吸収し、ドラゴンの鱗を貫くことができる唯一の鉱物を、敵地の中心に直接持ち込むことは、計り知れないリスクだった。


パトロールの視線から離れた暗い路地に曲がった後、3人は息をつくために立ち止まった。


「潜入成功だ」マーカスは囁いた。スキルによって変えられた彼の声は、不自然に甲高くなっていた。「だが、ここからが難しい。カエララは巨大だ。ドラゴンと一緒に歩き回っている伝説のテイマーを、一体どこから探し始めればいいんだ?」


ふっくらとした商人の体の中に圧縮され、居心地の悪そうなゴリアテは重々しく鼻を鳴らした。「情報が自由に流れ、巨大な偉業が見逃されない場所は一つしかない。俺たちはカエララの冒険者ギルドへ直行しなければならない」


アナベルは、つぎはぎだらけのドレスの腰に手を当て、激しく首を横に振った。

「絶対にダメよ、ゴリアテ。それは自殺行為だわ」


「なぜだ? 最も論理的な動きだ」とタンクは反論した。


「私たちを見てよ」ヒーラーは変装した巨漢と忍者を指差して鋭く言った。「あなたは汗だくの商人。マーカスは煙突から逃げ出してきたみたいだし、私は剣なんて見たこともないような田舎娘よ。そんな『無職(クラスレス)』の平民3人が現れて、伝説の冒険者に関する機密事項を尋ね回ったら、ギルドの入り口の衛兵がどう反応すると思うの?」


マーカスは顎を掻き、渋々頷いた。

「アナベルの言う通りだ。ギルドはヴァエロールの犬の巣窟だろう。奴らは2分で俺たちを追い出すか、最悪の場合、衛兵に疑われることになる」


「じゃあどうするんだ?」ゴリアテが唸った。


アナベルの目は、明晰な戦略的決意で輝いた。

「私は都市の地図を研究したわ。メインのギルドは『鉄の広場(アイアン・スクエア)』にあって、そのすぐ近くに旅人用の宿屋があるの。部屋を借りて、鍵をかけて、眠るのよ」


「眠る? 今? まだ朝だぞ」マーカスは混乱して指摘した。


「私たちは朝の4時から起きているのよ、アエテルガルドから脱出して以来ね。キメラと対峙し、ノンストップで走り続けたわ。私たちのHPとマナバーは底をついているの」アナベルはきっぱりと説明した。「安全が確保できたら、マーカスは変装を解除できる。私たちは休息し、システムのおかげでエネルギーを回復させる。そして、午後遅くになってから本来の姿に戻って、補給に向かうのよ」


「お前の言わんとすることが分かってきたぜ」ゴリアテは呟き、偽の商人の顔に満足げな笑みが広がった。


質素な宿屋を見つけると、彼らは奥の部屋の料金を前払いした。

重い木製のドアが彼らの後ろで閉まり、鍵がカチッと音を立てるとすぐに、マーカスは素早く一連の印を結んだ。灰色の煙の雲が彼らを包み込み、幻影は消え去った。

ゴリアテは再びその巨大な体格で部屋を満たし、マーカスは戦術服を取り戻し、アナベルは本来の姿に戻った。


彼らは極度の疲労に打ち負かされ、藁のマットレスに倒れ込んだ。

数時間がゆっくりと過ぎていく。重く、回復力のある眠りだった。午後遅くに彼らが目を覚ました時、システムはその義務を果たしていた。全員のHPとマナバーは完全に回復していた。


「よし、これでようやく話ができるな」ゴリアテは唸り、指の関節を鳴らして凹んだ兜を手に取った。「このギルドを散歩しに行こうぜ」


「慌てるな、巨人」マーカスが彼を制止し、ベルトの武器を調整した。「俺たちは休んだが、昨夜の戦いで装備はボロボロだ。この都市で何か行動を起こす前に、買い物に行かなきゃならない。出し惜しみはなしだ」


宿屋を抜け出すと、マーカスは目立たないように、自分たちの顔をマントの重いフードの下に隠すためにマナの一部を消費した。彼らは鉄の広場の店に散らばった。


マーカスは宝物のほぼすべてを費やし、マナを流すのに最適な、都市で最も硬い金属で鍛造された致命的なクナイのセットを、戦術的な巻物と爆発手裏剣の供給と共に購入した。アナベルはHPを回復する青いポーションとマナを回復する赤いポーションを買い込み、そして貯金のほとんどを貴重な魔法の装飾品に投資した。総マナプールをパッシブに増加させる一対の指輪とアミュレットで、戦闘中の彼女の自律性を大幅に高めるものだ。最後にゴリアテは、広場で最も権威のある鍛冶場に行き、本物の貫通不可能なドラゴンの鱗で補強された、巨大で高品質な【アーマード・シールド】を装備して出てきた。


完全な補給を終えた彼らは、カエララが魔法のランタンに火を灯し始めたまさにその時、広場の中央にある大きな彫像の陰で合流した。ラッシュアワーが到来していた。何百人もの武装した冒険者たちがギルドのドアに群がっていた。


ゴリアテは鉄のガントレットをはめた拳で新しいドラゴンの盾を叩き、鈍い轟音を響かせた。

「このヴァエロールの気取った連中に、本物の冒険者がどういうものか見せてやろうぜ」


彼らは中に入った。ギルドの内部は地獄のような騒ぎだった。傭兵や呪文詠唱者が叫び、ビールを一気飲みし、容赦のない交渉を行っている。彼らは15分間二手に分かれた。

再会した時、マーカスの目は驚きと勝利が入り混じった光を放っていた。


「大当たりだ」忍者は小声で言い、彼らの方に身を乗り出した。「Bランクのパーティーの会話を盗み聞きしたんだ。彼らは西で起こった終末的な衝突について話していた。アエテルガルドのホーリーナイト、サー・ガレスは……死んだ。そして彼と共に、至高の魔導士ヴォーティガンもだ。全滅さ」


アナベルは心臓が跳ねるのを感じた。(ゴランと叔父様がやったのね)


「あのイカれた木こりが、ヴァエロールの最も凶暴な犬どもを倒したってわけだ」ゴリアテは満面の笑みで唸った。


「ただ」とマーカスが口を挟む。「テイマーやドラゴンに関する公の言及はない」


「驚くことじゃないな。あんな奴が掲示板に広告を出すわけがない」とゴリアテがコメントした。「だが、俺には解決策がある。重武装の『非公式』な護衛を探している風変わりな商人がいるんだ。彼は北にある【火山ダンジョン(ヴォルカニック・ダンジョン)】へ、何トンもの魔物の肉を輸送しなければならない。どの冒険者も、あそこは『ドラゴン』のダンジョンだと言って依頼を受けないらしい」


マーカスの目が輝いた。「説明しろ」


「その商人は、原石のダイヤモンドで支払いをする謎の隠遁者に肉を供給していて、そこには食べさせなければならない巨大なペットがいるそうだ。俺たちが雇われれば、テイマーへの直行チケットを手に入れたも同然だ」


ゴリアテが話している間、マーカスの研ぎ澄まされた本能が異常を察知した。忍者は視界の隅で、彼らから数歩離れた掲示板の通知を調べているふりをする、よく作られた戦術アーマーを着た細身の人物に気づいた。姿勢が不自然で、頭が彼らのグループの方へわずかに傾いている。間違いなく盗み聞きをしている。


マーカスはアナベルと素早く視線を交わした。ヒーラーは気づかれないように頷いた。彼らはその芝居に乗ることにした。


彼らは群衆を押し分け、商人に近づいた。豪華な服を着た厳格な顔つきの男は、彼らを上から下まで見た。「体格はいいが、お前たちは3人しかいない。マグマへの道は危険で這い回っている。4人目のメンバーを見つけたら仕事はお前たちのものだ。そうでなければ交渉はここで終わりだ」


グループが言い訳をでっち上げる前に、先ほど彼らをスパイしていたのと同じ細身の人物が、早歩きで群衆を押し分けてきた。

「おっと、遅れてごめん! 装備の修理をしていたんだ」

若々しい声が叫んだ。その人物はマーカスとアナベルの間にぴったりと立ち、厚かましいほど何気なく腕を組んだ。


マーカスは狂ったように男に頷いた。

「こいつですよ! 俺たちの4人目のメンバーです」


商人は満足そうにため息をついた。

「交渉成立だ。明日の夜明け、パトロールの目から遠く離れた火山のふもとで会おう」


商人が姿を消すや否や、空気は緊張に包まれた。

ゴリアテは自称少年の首根っこを掴み、彼を体ごとギルドのドアの外へ引きずり出し、カエララの暗い路地へ投げ飛ばした。

「さて、お前が一体何者で、なぜ俺たちをスパイしていたのか、そして何を望んでいるのか、教えてもらおうか」タンクは唸り、その巨体で逃げ道を塞いだ。


アナベルが一歩前に出た。

「『彼』は男の子じゃないわ」ヒーラーは腕を組んで言った。「フリはもうやめて。あなたのクラスは何? そして、なぜあの特定のダンジョンに行きたいの?」


見破られ、若き人物は苛立ったようなため息をついた。

彼女は兜を脱ぎ、滝のような長い茶髪が肩にこぼれ落ちた。

「私の名前はダイアナ」少女は澄んだ声で言った。「そして私はルシウスの妹……カエララで最も有名なモンスターテイマーの妹よ」


マーカスは目を丸くした。彼らは汗をかくことすらなく、ダイレクトな繋がりをたった今見つけたのだ。


「兄のことが心配なの」ダイアナは続け、その眼差しは偽りのない苦悩で曇っていた。「ヴァエロール家が兄を狙っていることは知っている。どうしても兄に会って、差し迫った危険を警告しなければならないの」


ゴリアテは首を振った。「小さな女の子には自殺行為の旅だ」


「私のクラスは【アーケイン・レンジャー(秘術の射手)】よ」彼女は誇らしげに反論し、マントを開いて、密集した魔法のルーンが刻まれた複雑な連発クロスボウを明らかにした。「私はマナを込めたボルトを使うの。厳密に後衛にとどまるし、私の援護射撃はあなたたちの役に立つはずよ。お願い……私を連れて行って」


グループは小声で相談した。テイマーの妹が一緒にいれば、彼が自分たちをヴァエロールの暗殺者と間違えて視界に入った瞬間に焼却するのを防ぐ保証になる。


「いいだろう、お前も来い」ゴリアテが宣言した。「だが、危険の兆候が少しでもあれば、俺が言う通りにしろ。わかったか?」


ダイアナの顔は、安堵と感謝に満ちた笑顔でパッと明るくなった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。