第10章:火山ダンジョンで賞金稼ぎに襲撃されたが、仲間との完璧な連携で返り討ちにする。そしてついに、伝説の【竜使い】と対面し世界の真実を知る件
翌朝、空気は凍りつくように冷たく、カエララは深い霧に飲み込まれていた。
厳重な検問所の衛兵に気づかれずに都市を出るため、マーカスはマナの一部を消費して、グループ全体に範囲型の【変装の術】を発動させた。
威圧的な黒い城壁を通り過ぎ、衛兵たちの目には控えめな旅行者の集団として映りながら、マーカスはエネルギーを節約するために幻影を解いた。
彼らは北へ向かって行軍した。やがて地形は荒涼とし、サクサクと音を立てる黒い灰で完全に覆われた。
巨大な火山の斜面が彼らの前にそびえ立ち、空を深い赤色に染めている。ダンジョンのふもとでは、商人がすでに彼らを待っていた。4人の威圧的な私兵と、鱗に覆われた荷獣が引く2台の大きな幌馬車を従えている。
「時間通りだな」男は言い、マーカスに3万ルーメンが入った重いベルベットのポーチを手渡した。「これが前金だ。よく聞け。先鋒の魔物は俺の護衛が処理する。お前たちの仕事は、後方で俺たちの背中を守ることだ。山賊、略奪者、あるいは王室近衛兵に気をつけろ。俺たちがここにいることは、誰にも知られてはならない」
キャラバンは、純粋な黒曜石でできた険しい道をゆっくりと、過酷なペースで登り始めた。
一歩進むごとに熱が増し、彼らは鎧の下で大量の汗をかいた。やがて彼らは、『火山ダンジョン』の入り口を示す、溶けた岩の巨大な大穴から数十メートルの場所に到着した。
敷居を跨ぐ直前、マーカスは突然足を止めた。
灼熱の空気とは対照的に、冷たい悪寒が彼の背筋を走る。彼は谷の方を振り返り、その目を黄金の光で輝かせた。
≪システムハブ:スキル発動≫
【使用者:マーカス】 | 【クラス:忍者】 【スキル:鷹の目】
彼の視界が極限まで拡張される。眼下の谷間、暗い岩の間に隠れるようにして、3人の人影が計算され尽くした致命的な動きで尾根を登ってきていた。
「ゴリアテ……アナベル……」マーカスは囁いた。彼の声は急に緊張を帯びていた。「客が来たぜ。3人組だ。フードを被り、黒いマントを着ている……しかも、動きが異常に速い」
アナベルは目を丸くし、彼女の頭の中に昨夜読んだ手配書が駆け巡った。
「マーカス、もし彼らが私の思っている通りの連中なら、私たち深刻なトラブルに巻き込まれたわ。冷酷な傭兵グループの手配書を見たの。戦士、鍛冶師、そしてエルフよ。もし彼らが私たちを狩りに来ているなら、容赦はしないわ」
「こんな開けた場所で立ち止まって、エルフの動く的になるわけにはいかない」ゴリアテは火山の暗い入り口を見つめながらシッシッと音を立てて言った。「中に入って、この狭い地形を俺たちの有利に使おう」
グループは敷居を跨ぎ、重い馬車に続いた。
火山ダンジョンの内部は、マグマの川と赤熱した岩が広がる地獄のような光景だった。行軍は拍子抜けするほど簡単に進んだ。第1階層と第2階層には【ファイアスライム】と【マグマハウンド】しかおらず、商人の護衛たちが数秒で一掃したため、後衛の介入は必要なかった。
しかし、真の試練はダンジョンの魔物ではなかった。
熱が文字通り息苦しくなり、空気が灰で厚く振動する第3階層の灼熱の石のプラットフォームに足を踏み入れた瞬間――マーカスは、下りスロープとフロアの他の部分を繋ぐ唯一の狭い通路の中央に陣取った。
「馬車と一緒に先に行ってくれ」マーカスはゴリアテ、アナベル、ダイアナに振り返って命じた。「ペースを落として商人を援護しろ。俺もすぐに追いつく」
忍者は新しく鍛造された2本のクナイを抜き、溶岩の光に照らされたその顔に鋭い笑みを浮かべた。
「あの3人の傭兵が追いついてきた。素敵なサプライズを用意してやる時間だ。爆発音が聞こえたら、戦闘の準備をしてくれ」
若き忍者は一秒も無駄にせず、素早く印を結び、純粋なマナの大量のエネルギーを流し込んだ。
≪システムハブ:スキル発動≫
【クラス(Aランク忍者):分身の術】
濃密で爆発的な煙の雲が、狭い玄武岩の通路を包み込んだ。
煙が晴れると、そこには全く同じ姿をした3体の完璧なマーカスのコピーがいた。彼らは重武装し、新たな爆発手裏剣を構えてオリジナルを挟むように立っていた。
クローンたちは音もなく散開し、赤熱した岩の隙間に完璧に身を潜め、迫り来る3人の冷酷な賞金稼ぎに爆発的な地獄を解き放つ準備を整えた。
第3階層の灼熱の空気が、突如として耳をつんざくような轟音によって引き裂かれた。
フードを被った3人の傭兵が狭い玄武岩の通路に足を踏み入れた瞬間、マーカスのクローンの絶対にミスを犯さない戦術的感知が罠を作動させたのだ。
岩の隙間から爆発手裏剣の雨が降り注いだ。
爆発は壊滅的だった。衝撃波が灰と黒煙、そして火山礫の分厚い雲を巻き上げ、火山の壁そのものを震わせた。
爆発のこだまが耳に届くや否や、グループは完璧な同調で行動を開始した。
アナベルはヒーラーの杖を溶岩石に激しく叩きつけた。彼女に巨大なエネルギーの蓄えを与える新たな魔法の装飾品のおかげで、彼女は躊躇うことなく純粋な魔法の奔流を流し込んだ。
≪システムハブ:グループスキル発動≫
【使用者:アナベル】 | 【ヴァルキリーの祝福】
目も眩むようなエメラルドのオーラが広がり、マーカス、ゴリアテ、ダイアナの体を包み込む。彼らの筋肉は張り詰め、増幅された反射神経と超人的なスタミナで満たされた。
彼女の横で、ゴリアテは巨大な腕を胸の前で交差させ、【質量倍増】を発動した。金属的な悲鳴と共に、ベテラン戦士は巨大化し、人間の盾として振る舞う準備ができた止めることのできない巨像へと変貌した。
彼の後ろでは、若きダイアナが重い連発クロスボウを構え、その瞳を武器のルーンに反射する冷たい青い光で輝かせ、自動魔法追尾の【固定視線】をアクティブにした。
最初の罠の猛烈さにもかかわらず、賞金稼ぎたちは初心者の冒険者ではなかった。
黒煙の渦の中から、荒々しく怒りに満ちた声が静寂を破った。
「安っぽい手品だ!」【鍛冶師】クラスが叫び、赤熱した重いウォーハンマーで灰を払い除けた。「堂々と顔を出せ、臆病者ども!」
魔法の弾丸の雨――まだ煙の中に隠れているエルフによって致命的な精度で放たれた純粋なマナの矢――が空気を切り裂き、彼らの顔を真っ直ぐに狙ってきた。
しかし、ゴリアテはすでに配置についていた。巨像は足をしっかりと踏ん張り、新しく手に入れた巨大な【高品質アーマード・シールド】を掲げた。魔法の弾丸は金属に埋め込まれた貫通不能のドラゴンの鱗に当たって砕け散り、かすり傷一つ残さずに無害な青い火花となって消散した。
しかし、その遠距離攻撃は単なる陽動だった。
暗闇から傭兵のリーダー、【戦士】クラスが現れた。流れるような無慈悲な動きで、彼は重い刃を地面に向かって振り下ろした。
≪システムハブ:敵スキル発動≫
【戦士クラス】 【冥界の刃】
黒い炎の直線的な斬撃が剣から噴出し、玄武岩の床に沿って5メートル以上も疾走してきた。地獄の炎の舌がグループに向かって突進し、進路上の岩を溶かすほどの強烈な熱を放つ。
「左右に散れ!」マーカスが命じた。
アナベルによって強化された敏捷性を生かし、グループは扇状に散開し、直線的な攻撃を背後の壁に直撃させてマグマの池に変えることで無効化した。
「私たちの番ね」ダイアナが氷のように冷たく呟いた。
【固定視線】の自動ロックオンを利用し、少女はクロスボウのトリガーを素早く3回連続で引いた。有毒なマナと麻痺毒を帯びた3本のボルトが、不自然な曲線の軌道を描いて発射され、岩の遮蔽物を迂回して3人の敵の首を真っ直ぐに狙った。傭兵たちは必死に防御を強いられた。
これこそが、マーカスが待っていた戦術的な陽動だった。
エルフが回避行動をとって空中でバランスを崩している間に、マーカスの3体の忍者クローンが煙から現れ、彼に飛びかかって残酷な近接戦闘を強いた。同時に、本物のマーカスは敵の陣形の反対側の側面に滑り込み、防御に回っている鍛冶師と今や包囲されたエルフの死角を狙って爆発手裏剣の弾幕を放った。
ゴリアテも手を緩めなかった。敵が防御のために集まっているのを見て、金属の巨像はゲームを終わらせることを決めた。
「これを味わいな、クズども」彼は唸り、両手でドラゴンの盾を握りしめた。
≪システムハブ:スキル発動≫
【使用者:ゴリアテ】 【大地を砕く盾】
ゴリアテは巨大な盾の下端を火山の床に直接叩きつけた。その衝撃は暴力的な局地地震を引き起こした。ギザギザの亀裂が玄武岩を引き裂き、驚異的なスピードで傭兵たちに向かって走る。地震の衝撃波は、マーカスの手裏剣の連鎖爆発と相まって、敵の後衛を圧倒した。鍛冶師とエルフの足元の床が崩れ落ち、彼らを空中に放り上げ、溶岩の石筍に激しく叩きつけた。彼らは即座に意識を失い、地面に崩れ落ちた。
しかし、リーダーは普通の傭兵ではなかった。
猫のような反射神経を持つその戦士は、地震波が彼を襲う前に、仲間の鍛冶師の肩を踏み台にして、衝撃ゾーンから飛び出した。ほんの数分の一秒で、彼の目は敵の陣形における弱点――アナベル――を正確に特定した。
驚異的な速度で動き、戦士はゴリアテの防衛線を迂回し、ヒーラーの背後に幽霊のように現れた。いまだに煙を上げている彼の剣の刃が、少女の首に向かって無慈悲に振り下ろされる。
だが、アナベルはもはや、山から奇跡的に逃げ延びた怯える新米ではなかった。
彼女は振り返ることすらしなかった。足を地面に踏ん張り、新しく再生されたマナの波を解き放った。
≪システムハブ:スキル発動≫
【使用者:アナベル】 | 【エメラルドの盾】
半透明の緑色の水晶でできた幾何学的な障壁が、彼女の周りに瞬時に実体化した。戦士の重い剣が障害物に激突した時、それは鋼を弾き返す破壊不可能なガラスのように鳴り響いた。エメラルドの盾は光り輝く破片のシャワーとなって砕け散ったが、その役割を完璧に果たし、致命的な衝撃を逸らして防ぎきったのだ。
単なるヒーラーが直撃を弾いたことに信じられない様子で、傭兵の目は見開かれた。彼が驚愕したのは、ほんの心臓の鼓動一回分の時間だけだった。
彼の背後の影から、マーカスが飛び出した。忍者は致命的な武器を使わず、特殊な中空のクナイを戦士の顔面に外科的な精度で投げつけた。武器は男の兜に当たって砕け、濃い紫色の睡眠粉末の雲を放出した。
傭兵は反射的にそれを吸い込んだ。彼の目は瞬時に裏返り、膝から崩れ落ち、灼熱の床の上に重く倒れ込んで、2人の仲間の強制的な眠りに加わった。
戦闘のこだまは消え去った。十数メートル離れた、巨大な馬車の陰で、商人は宗教的な沈黙を保っていた。ビジネスマンの厳格な顔は、安堵と満足の入り混じった広い笑みへと緩んだ。彼は、率直に言って怪物じみた能力を持つグループを雇ったのだ。
キャラバンは容赦のない行軍を再開し、第3階層のさらに奥深くへと下っていった。
商人の馬車が安全な距離まで離れ、ある程度のプライバシーが保てるようになると、ゴリアテはダイアナの横に並んだ。
「さて、お嬢ちゃん」タンクは声を落として話し始めた。「本当のことを話してくれ。ヴァエロール家について、お前は一体何を見つけたんだ?」
ダイアナはクロスボウのグリップを強く握りしめ、その記憶に視線を暗くした。
「数日前、私は経験値稼ぎのためにダンジョンにいたの」彼女は説明した。「どうやってかは分からないけど、ヴァエロールの猟犬たちが私の身元を突き止めたわ。彼らは私を捕らえて餌として……兄のルシウスに降伏を強いるための、生きた人質として使おうとしたのよ。バックパックに転移石を持っていたから、奇跡的に逃げ延びることができたけど」
アナベルは一歩近づき、慰めるように彼女の肩に手を置いた。
「ダイアナ、聞いて。私たちもこの商人を護衛するためにここにいるわけじゃないの。私たちの本当の任務は、あなたのお兄さんを見つけて警告することなのよ」
それ以上何も付け加えることなく、ヒーラーは鞄を少し開き、若きレンジャーに脈動する【アビサル・アズライト】の破片を見せた。
「これらの石は、ドラゴンの鱗を貫通できると知られている唯一の物質よ」アナベルは深刻な表情で説明した。「私たちはこれをドミニク、貴族たちのトップ魔導士の一人から奪い取ったの。彼らは、あなたのお兄さんのドラゴンを倒せる武器を鍛造するためだけに、これを買い占めていたわ」
ダイアナは目を丸くした。
「でも……それはおかしいわ」彼女は明らかに混乱して呟いた。「ルシウスは自分のことだけを気にかけて、孤立して生きていて、誰とも争いなんて起こさないわ。なぜヴァエロール家は彼を狙っているの? 彼を排除して何を得ようというの?」
「それが私たちが突き止めようとしていることだ――」
マーカスが答えようとしたが、隣の馬車から聞こえてきたくぐもった呻き声に遮られた。
戦士クラスの傭兵の隊長が、麻痺した頭を振りながら意識を取り戻しつつあった。
ゴリアテは二度考えなかった。うなり声と共に巨大な腕を伸ばし、男の鎧の襟首を掴んで馬車から引きずり下ろし、対マナの鎖の重みに耐えさせながら自分の横を歩かせた。
「起きな、お寝坊さん」ゴリアテは彼を引っ張りながら唸った。「さあ、話してもらおうか。お前は誰のために働いている? このダンジョンで一体何を探している? なぜお前たちはカエララで指名手配されているんだ?」
戦士は土と灰の混じった血の塊を地面に吐き捨て、軽蔑に満ちた視線を上げた。
「地獄へ落ちろ」彼はシッシッと音を立てて言った。「俺はヴァエロールの犬どもと話す気はない」
マーカスは笑い出した――心からの、ほとんどヒステリックな笑いだった。
「俺たちが? ヴァエロールの犬? そいつは傑作だ」忍者は一瞬で距離を詰め、クナイの鋭い刃を男の喉仏に真っ直ぐ押し当てた。彼のトーンは氷のように冷たくなった。「もう一度やり直そう。お前たちは誰だ、なぜ俺たちを尾行していた、そしてなぜ指名手配されている?」
戦士はごくりと唾を飲み込んだ。
「わかった、わかった……そのクナイを下ろしてくれ、小僧。俺はポールだ。ヴァンガルディアから来た。俺のギルドマスターが、ヴァエロール家の動きを調査するために、潜入工作員として俺をここカエララに送ったんだ。俺たちが指名手配されたのは、嗅ぎ回るべきでない場所を嗅ぎ回って、ダンジョンでの奴らの動きを知ってしまったからだ」
グループは驚いた顔を見合わせた。「奴らについて何を知っている?」とマーカスが問い詰める。
「ほとんど何も」ポールは歯を食いしばりながら認めた。「今確かなのは、ヴァエロール家が死に物狂いで『ドラゴン・テイマー』をあぶり出そうとしていることだけだ。俺とチームは、奴らより先に彼を追跡し、情報を得るか、俺たちに協力するよう説得しようとしていたんだ」
アナベルが一歩前に出た。
「もしあなたが本当にヴァンガルディアから来たのなら」彼女は彼の目を真っ直ぐに見据えて言った。「あなたのギルドマスターの名前を教えて。そして彼のクラスは何?」
ポールは躊躇しなかった。「彼の名前はフランシスだ。そして彼は【魔導士】だ」
アナベルの顔は安堵の笑顔でパッと明るくなった。彼女はマーカスに武器を下ろすよう合図した。
「彼は本当のことを言っているわ」ヒーラーはグループの残りのメンバーに確認した。「私が小さかった頃、フランシスと叔父のアルトゥールと一緒に育ったの。彼らは切り離せない存在で、それぞれのギルドを設立する前は、いつも一緒に任務に行っていたわ」
ポールは瞬きをし、まるで幽霊でも見たかのようにアナベルを見た。
「でも……それじゃあ」彼は呟いた。「あんたたちはヴァエロールの犬じゃないってことか?」
ゴリアテはポールの襟首を掴んでいた手を緩めた。
「どうやら」タンクは唸った。「俺たちは全員、同じ人物を探しているらしいな」
キャラバンは容赦のない下降を再開した。
熱は息苦しくなり、視界をぼやけさせ、肺の空気を奪う灼熱の息吹となって、彼らが第4階層に足を踏み入れるまで続いた。そこは、マグマの川に照らされた広大で荒涼とした地下カルデラだった。
しかし、第5階層への壮大な下りスロープに向かう代わりに、商人は荷獣に停止の合図を送った。
馬車はフロアの正確な中央、一見すると出口のない頑丈な岩壁に向かって止まった。ビジネスマンは馬車から降り、岩に近づき、二本の指を唇に当てた。彼は複雑でリズミカルな一連の口笛を吹いた。
その瞬間、山自体が応えたかのように思えた。鈍い轟音と地面を震わせる地殻変動のような揺れと共に、古代のカウンターウェイト機構に押し出されて、巨大な丸石が横にスライドし始めた。狭い秘密の通路が開き、ダンジョンのまさに心臓部へと続く隠された道が現れた。
グループが敷居を跨ぐや否や、空気が劇的に変わった。もはやただ熱いだけでなく、かつてないほどの力の魔法のオーラで文字通り飽和していた。
ダイアナはたまらなくなった。彼女は重いクロスボウを落とし、目に涙を浮かべて前に走り出した。
「お兄ちゃん!」彼女は叫び、感情で声を詰まらせた。
使い古されているが優雅なマントに身を包んだ若い男が驚いて振り返り、妹をきつい抱擁で迎えた。ルシウス、伝説のモンスターテイマーだ。
しかし、マーカス、ゴリアテ、アナベルの息を呑ませたのは、ヴァエロール家の最重要指名手配犯ではなかった。彼の後ろにいる巨大な生き物だった。
ドラゴン。オニキスと深紅の鋼鉄の盾ほどに分厚い鱗を持つ、本物のタイタンのようなドラゴン。それは軍事要塞ほどの大きさで、折りたたまれた翼は太陽を覆い隠すことができる帆のようだった。その超巨大な爬虫類は装甲された鼻面を下げ、新参者を完全に無視して、馬車から降ろされた何トンもの魔物の肉を原始的な貪欲さでむさぼり食い始め、その燃え盛る顎の致命的な一噛みごとに洞窟を震わせた。
ルシウスはダイアナに微笑みかけ、彼女を安心させると、取引を終えるために商人に近づいた。ビジネスマンは完了した任務の支払いの残りをマーカスに手渡し、ルシウスは純粋なダイヤモンドの原石が入った重いポーチを商人の手に投げ渡した。
商人は強欲に頷き、飢えたような笑みを浮かべてダイヤモンドの重さを量った。そして、彼の視線は馬車の中でまだ縛られているポールと他の2人の傭兵に落ちた。彼は私兵たちに短く頷いた。「あの3人を空の馬車に乗せろ。カエララで奴らの首には高額な賞金がかかっているからな。いい臨時収入になるぞ」
マーカスは二度考えなかった。彼は前に出て、武装した衛兵と縛られた捕虜の間に立ちはだかり、氷のような表情で腕を組んだ。
「そこまでだ、商人」若き忍者は言った。「この3人を倒したのは俺たちだ。そして彼らは、俺たちと一緒にここに残る」
商人は眉をひそめ、憤慨で顔を赤紫色に染めた。
「お前たちは給料をもらって働いているんだぞ! 俺の護衛だろうが! お前たちが仕事中に捕まえたものはすべて、俺の専有財産だ!」
ゴリアテが彼なりの方法で彼を黙らせようと盾を上げる前に、ルシウスが介入した。流れるような、無関心な仕草で、テイマーはローブからもう一つのダイヤモンドの小袋を取り出し、それを商人の足元に直接投げつけた。
「これで、お前の貴重な賞金首の損失は十分にカバーできるだろう」ルシウスは、絶対的な脅威を隠した静かな声で言った。「さあ、馬車を持って帰れ。今すぐにだ」
強欲に目がくらみながらも、ドラゴンの影――咀嚼を止め、巨大な黄金の目で自分をじっと見つめている――に恐怖し、商人はポーチを拾い上げた。一言も発することなく、彼は部下たちに馬車の向きを変えるよう命じ、獣が彼を今日のメニューに加えることを決める前に、素早く秘密の通路へと姿を消した。
車輪の音が消え、巨大な丸石が決定的な音を立てて彼らの後ろで閉まると、広大な洞窟には沈黙が満ち、ドラゴンの顎でパチパチとはぜる炎の音だけがそれを破っていた。
ルシウスは重い丸石が入り口を塞ぐのを見つめ、疲れたようなため息をついた。
「彼は、自分が高級な闇市の密輸業者と取引していると思っているんだ」テイマーは彼らの無言の疑問を予測して呟いた。「私が彼にダイヤモンドの原石で支払いをしているのは、彼が王室近衛兵の検査を回避するために隠蔽魔法を使ってくれるからだ。もし彼が私の本当の正体を知っていたら、何ヶ月も前にヴァエロール家に私を売り飛ばしていただろう」
そして、ルシウスは妹から未知の冒険者たちのグループへとゆっくりと視線を移した。彼の表情は読み取れなかった。
「君たちは誰だ?」氷のように冷たく、絶対的な冷静さでルシウスは尋ねた。「そしてなぜ、商人と一緒に帰らなかった?」
アナベルが一歩前に出た。彼女はマントの留め具を外し、ヒーラーのローブを露わにすると、完全な決意を持って彼の目を真っ直ぐに見据えた。
「私たちは遥々ここまで来て、地獄を潜り抜けてきたわ」少女は口を開き、その声は溶岩岩の壁にしっかりと響き渡った。「ヴァエロール家のことについて、あなたと話すためだけにここへ来たの」
躊躇することなく、アナベルは鞄を開き、脈打つ【アビサル・アズライト】の破片をルシウスに見せた。彼女は、自分たちがそれをトップ魔導士の一人であるドミニクからどのようにして奪ったか、そしてそれがドラゴンの鱗を貫くことができると知られている唯一の物質であるかを素早く説明した。
マーカスはヒーラーの隣に立ち、目を細めた。
「この地域全体で知られているドラゴンは、あんたのものだけだ」忍者は推論した。「だから奴らがあんたを探していると俺たちは推測したんだ。この裏には何があるんだ、ルシウス?」
テイマーはアズライトの破片を観察した。彼は少しも驚いた様子を見せなかった。
「私が隠れ続けているのは、過去にすでに彼らの魔導士から攻撃を受けたことがあるからだ」ルシウスは、苦い認識を込めた声で答えた。「だが、君たちは一つ根本的な点で間違っている。ヴァエロール家は私を殺したいわけでも、私のドラゴンを殺したいわけでもない。彼らは私の相棒を生け捕りにする必要があるんだ。イスリルを感染させた生物……『暗黒竜』を追跡するためにね」
グループ全体が沈黙し、その暴露に混乱した。
ダイアナはもう抑えきれなかった。緊張でずっとこらえていた涙が、彼女の顔を伝い落ちた。彼女は再び兄の腕の中に飛び込んだ。
「彼らは私を誘拐しようとしたのよ、ルシウス!」少女はすすり泣いた。「私を餌として……あなたを無理やり引きずり出すための生きた人質として使おうとしたの!」
ルシウスの冷静さが一瞬ひび割れた。妹を落ち着かせようと髪を撫でながら、彼は怒りで顎を食い縛った。
「私は彼らに協力する気など一度もなかった」テイマーは拳を握りしめ、唸った。「彼らは私を従属させたがっていた。彼らの精神魔法を使って私を操り人形にし、彼らの好きなように動かす奴隷に変えようとしたんだ。私を見つけ出し、協力を強制するためだけに、彼らは都市の多くの罪のない人々を排除してきた」
ゴリアテは眉をひそめ、その声は兜の中で轟いた。
「ちょっと待ってくれ。『暗黒竜』ってどういう意味だ?」
ルシウスは深くため息をつき、巨大な鱗を持つ相棒に視線を向けた。
「ここ数ヶ月、私自身で調査を行ってきたんだ。君たちもその異常に気づいていることと思う。いくつかのダンジョンが地表に魔物を吐き出し、都市を攻撃している。まるで、深層で何か不自然なものが彼らを恐怖に陥れ、下層から追い出しているかのように」テイマーは腕を組んだ。「システムには何か深い異常が起きている。だから私は、地球の正確な中心にある【原初の迷宮】へ下った。そこで私は、誰か、あるいは何かがイスリル……世界樹を腐敗させたことを発見した。暗黒竜がそこに巣食い、致命的な瘴気で感染させたんだ」
「そしてここで貴族たちの出番というわけだ」ルシウスは嫌悪に満ちた表情で締めくくった。「本当の問題は感染だけではない。ヴァエロール家は腐敗について知っているが、イスリルを治療したりこの世界を救ったりするために私と協力したいわけではないんだ。彼らは自分たちだけでこの危機を解決し、市民の目に絶対的な英雄であり王国の救世主として映ることを望んでいる。その過程でどれだけの命を犠牲にしようとも、この大災害を利用して彼らの政治的支配をきっぱりと強固なものにしたいのさ」
アナベルは目を丸くし、ギルドの埃を被った公文書館で学んだ歴史のパズルを頭の中でつなぎ合わせながら、息を呑んだ。
「イスリル……世界樹」ヒーラーは目に見えて青ざめながら呟いた。「古代の伝説では、それがシステムの生命線だと言われているわ。その巨大な根は地球の地殻全体に枝分かれしていると……」彼女はルシウスを見上げ、自分自身の推論に恐怖した。「ダンジョン……私たちが今歩いているまさにこの壁。ダンジョンは、世界樹の根なの?」
ルシウスは深刻に頷いた。マグマの輝きが、疲れているが決意に満ちた彼の目に反射していた。
「ああ、その通りだ」テイマーはドラゴンの巨大な鱗を撫でながら確認した。「ダンジョンは世界樹の根だ。そしてもし暗黒竜の腐敗がその根を腐らせてしまえば……ヴァエロール家が支配する王国など残らない。すべてが崩壊するだろう」




