第6章:腐敗した貴族に捕まるも脱獄! 謎の声に導かれた隠しダンジョンで【魔狼】をテイムしたら、基本クラスが『自然の守護者』へと超進化して最強の相棒を手に入れた件
アエテルガルドのそびえ立つ城壁へ向けた帰路は、彼らの足音の鈍い響きとゴリアテの荒い息遣いと共に進んだ。
幽閉状態と【ジャイアント・オクトパス】との残酷な戦闘からいまだに回復しきれていないタンクは、落ち着きを取り戻すのに苦労していた。
「あの呪われた魔導士が、これまで何度厄介事を起こしては無傷で切り抜けてきたか、あんたには想像もつかないだろうな」
ゴリアテは踏み固められた土の上に血の塊を吐き捨てて唸った。彼が歩くたびに、凹んだ鎧が軋む音を立てる。
「もっと悪いことに、今や奴はゴラン、あなたの存在を知ってしまったわ」
アナベルはヒーラーの杖を神経質に握りしめ、口を挟んだ。
「奴はあなたが戦う姿を見た。あなたが何をやれるか知っているのよ」
ゴリアテは険しい顔で頷いた。
「あれほどのクラスの魔物を同時に使役し、進化させることのできるモンスターテイマーなんて前代未聞だ。システムのルールを完全に破壊している。もし俺たちがアエテルガルドに入れば、おそらく尋問のために全員逮捕されるだろう。あるいはもっと酷い目に遭うかもしれない。都市には戻らない方がいいんじゃないか」
「逃げるわけにはいかないわ」
アナベルはしっかりと足を止め、反論した。
「ギルドマスターにあの魔導士のことを報告しなければならないの。もし私たちが隠れたら、ドミニクの勝ちになり、奴の作り話が絶対的な真実になってしまうわ」
「他人を人間の盾として使うような卑怯な魔導士など、俺は恐れない」
ゴランは肩に斧を無造作に担ぎ、石のように冷たく硬い声で宣言した。
しかし、ヒーラーの希望は、アエテルガルドの巨大な門のシルエットが地平線に浮かび上がった瞬間に打ち砕かれた。
入り口を守っていたのは、いつもの都市衛兵ではなかった。そこで彼らを待ち構えていたのは、輝く黄金の鱗鎧と分厚い真紅のマントを身にまとった【王室近衛兵】の一個小隊全体だったのだ。
そしてその陣形の中央には、緊張した顔つきと読み取れない表情を浮かべたギルドマスター、アルトゥールが立っていた。
「私と一緒に来い。騒ぎは起こすな」
アルトゥールは命じた。彼の深い声からは、いつもの温かさが不自然なほど消え失せていた。
「お前たちは全員逮捕する」
近衛兵の隊長が宣告し、剣の柄に手をかけた。2人の部下が一歩前に出て、重い対マナ(アンチ・マナ)の鎖を振りかざした。
「叔父様……これ、一体どういうことなの!?」
アナベルは信じられないといった様子で叫んだ。
ギルドマスターは無表情を貫いたが、衛兵たちに見えないよう、姪と視線を交わした。彼はほんのわずかに、ほとんど気づかれないほど小さく頷いた。落ち着けという無言の合図だ。
(状況は私がコントロールしている)――彼の目はそう語っていた。
すでに筋肉を緊張させ、斧を抜くためにインベントリへ手を伸ばそうとしていたゴランは、その視線の交差を見逃さなかった。
彼は怒りを飲み込み、肩の力を抜き、絶対的な冷徹さを保ちながらその芝居に乗ることに決めた。
対照的に、ゴリアテは何も気づいていなかった。
「腐敗したクズ共が!」
タンクは咆哮し、拘束を振り解こうとして衛兵の一人を乱暴に突き飛ばした。
鋭く暴力的な槍の柄の一撃が彼の膝裏を打ち、彼を石畳の上に崩れ落ちさせた。続いて、鉄のガントレットに包まれた拳が胃袋に真っ直ぐ叩き込まれる。
ゴリアテは血を吐、息を詰まらせたが、再び反撃に出る前に、ゴランの重い手が彼の肩をガッチリと掴んだ。
「じっとしてろ」木こりは囁いた。
ゴリアテは彼の氷のような視線と交わり、不承不承ながらも落ち着きを取り戻し、鎖で縛られるがままになった。
彼らは無言のまま要塞の下層、都市の地下牢へと連行された。
空気は凍りつくように冷たく、湿気を帯びていた。彼らは広々とした石の独房に閉じ込められ、放置された。
看守の足音が消えるや否や、アナベルは素早く、小さなしわくちゃの羊皮紙を取り出した。所持品検査の間に、アルトゥールが巧みに彼女のポケットに滑り込ませたものだ。
彼らは隅に集まり、少女は小声で読み上げた。
『海の迷宮で何があったかは知っているが、私たちには他に選択肢がなかった。ドミニクに先を越されたのだ。残念ながら、お前たちが計画を台無しにした王族――ヴァエロール家――は公式にはアンタッチャブルな存在だ。何年も前、彼らはアエテルガルドが今日のような大都市になるのを手助けし、そのオカルト的な支配権を握った。
だが、恐れるな。今夜、お前たちは逃げることができる。マーカスがお前たちを解放しに来るだろう。南へ向かい、山を越え、ヴァエロール家が支配するもう一つの都市カエララへ行け。そこで情報を集め、あのサイコパスどもが一体何を企んでいるのかを突き止めなければならない。すまない、アナベル。私が王族に逆らうために信頼できる男は、マーカスの他にはいないのだ』
ゴランは鼻を鳴らし、筋骨隆々の腕を組んだ。
「この扉をぶっ壊して、今すぐここを出よう。俺は檻の中にいるのが好きじゃない」
「彼の言う通りだ」ゴリアテも同意した。「俺たちが組めば、外にいる奴ら全員を床に這いつくばらせることができる」
「二人とも、やめて」アナベルが彼らを黙らせた。「もし今ここで虐殺を始めれば、私たちは王国中でお尋ね者の犯罪者になり、叔父様を深刻なトラブルに巻き込むことになるわ。計画に従いましょう」
ゆっくりと時間が過ぎていった。
真夜中、微かな金属のクリック音が静寂を破った。独房の重い蝶番が軋む。
戸口に立っていたのはマーカスだった。
彼は悪趣味な銀の鎧ではなく、体にフィットした暗色のステルス戦闘服を着ていた。彼はいつもの反抗的な態度でゴランを見た。
「オッサン」金髪の少年は小声で言った。「言っておくが、あんたのためにやってるんじゃないからな。俺はアナベルのためにだけやってるんだ」
ゴランはゆっくりと立ち上がり、彼を見下ろした。
「それでも感謝するよ、小僧」
彼は絶対的な真剣さで答え、マーカスの意表を完全におもいっきり突いた。
彼らは刑務所の暗い廊下を抜け出した。
外では、忍者の致命的な【分身の術】スキルのおかげで、マーカスのクローンたちが城壁の歩哨の注意をそらしていた。
本物のグループは監視をかいくぐり、軍馬に似た爬虫類のハイブリッドである巨大な【スケールフーフ(鱗蹄馬)】の鞍に飛び乗り、凍てつく夜の空気の中を疾走した。
安全な距離まで離れてから、ようやくマーカスは自分の乗騎をアナベルの隣につけた。
「この裏で何が起きているのか説明してくれ」彼は要求した。
ヒーラーは『海の迷宮』での出来事を彼に話した。しかし、彼女が【アビサル・アズライト】とそのドラゴンの鱗を貫く能力について言及した時、マーカスは青ざめた。
「俺がこれまで聞いたことのある唯一のドラゴンは……」若き忍者は呟いた。「カエララの伝説的なモンスターテイマーが所有しているものだ。俺たちが向かっている、まさにその都市だ!」
ゴランとゴリアテの合計重量を支えるのに苦労しているもう一頭の乗騎の上で、木こりは山の暗闇を見つめていた。
鈍い羽音、人間ではない内臓を揺らすような声が、彼の心の中に響き始めていた。
(『お前は正しい場所にいる。進め。他の誰にも私の声は聞こえない』)
ゴランは手綱を鋭く引き、岩だらけの斜面へと進路を変えた。
「アナベル! マーカス!」彼は叫んだ。「俺は衛兵の目をくらますために山に残る! ゴリアテはお前たちと一緒に行け!」
彼は抗議を待たなかった。
超巨大なグリズリーマンである【アイアンハイド・ベヒーモス】を召喚し、鈍い音と共に着地させると、続けて【ブラッドドラゴン・アサシン】を呼び出し、子供たちを守るために空高く飛ぶよう命じた。
ゴリアテは馬から降りた。
「外から入り口を塞いでおく! 早くしろ、木こり!」タンクは咆哮した。
戦士は【質量倍増】のスキルを使い、鋼鉄の巨像へと変身し、近衛兵の先鋒を撃退する構えをとった。
ゴランは、自分が最初に目覚めたダンジョンの暗闇へと飛び込んだ。
彼の下級の魔物たちは、その圧倒的なオーラを感じ取り、彼を攻撃しようとはせず影の中へと退却していった。
彼は、水面のように波打ち始めた剥き出しの岩壁にたどり着いた。静電気を帯びたハム音と共に、石が割れて開く。
≪システムハブ:隠し条件達成≫
シークレットレベル ―― 【悪魔の狼の領域】へのアクセス。
この入り口は、あなたの魂の絶対的な純粋さと共鳴に基づいてのみ実体化しました。
ゴランは広大な水晶の闘技場へと降り立った。
その中央には、荘厳で恐ろしい、眩い銀色の被毛に覆われ、猛烈な青い稲妻を纏った巨大な狼が立っていた。
(『お前が何をやれるか見せてみろ』)獣の声が彼の思考に直接振動した。(『お前が真の選ばれし者かどうか、知らねばならない』)
激突は壊滅的だった。
狼は電光石火の速度で動いた。ゴランは自分の命を懸けて真剣に戦わざるを得なかった。電気を帯びた噛みつきが彼の脇腹を引き裂き、彼を片膝をつかせ、肉の焦げる匂いが空気に充満する。
斧では遅すぎると悟り、ゴランはそれを放り投げた。
彼は『木こりの掟』の持つ破壊的な力のすべてを、重く補強された革の手袋へと直接注ぎ込んだ。
純粋な衝撃力を込めた素手のフックで、怪物の脇腹を打ち抜く。
その衝撃は狼の肋骨を砕き、静電気の鎧を打ち破って、獣を地面に叩き伏せた。
息を切らしながら、ゴランはポーションを飲んで傷を癒やした。
そして、死にかけの獣へと近づいた。しかし、トドメの一撃を刺す代わりに、彼は膝をついた。
戦闘の狂乱とは対照的な優しさで、彼は狼の鼻面を持ち上げ、2本の回復の小瓶を喉に流し込んだ。
致命傷が癒えていく。
狼は目を開き、その絶対的な慈悲に驚いた。
(『まさに、お前だったのだな』)獣は穏やかに降伏しながら言った。(『鎖ではなく、心でテイムする者よ』)
≪システムハブ≫
テイム契約:アクティブ。
【ライトニング・デモニック・ウルフ(雷の悪魔狼)】を従属させました。
ゴランは狼を吸収し、かつてない力の波が彼の筋力を3倍にするのを感じた。
(『お前は今、お前の持つ3体の魔物すべてのパッシブな強さを統合して獲得した』)狼はテレパシーで説明した。(『なぜならお前は「木こり」……自然を堕落させることなく尊重する者だからだ。この世界の腐りゆく魔法に対抗できる唯一の存在なのだ』)
目も眩むような黄金の光が洞窟を照らし出した。
≪プライマリ・クラス進化≫
【木こり】クラスが進化しました:【自然の守護者】
ゴランは再び目を開け、新たなタイタンのような認識に満ちていた。
「出てこい、ボルト」
銀色の狼が雷鳴と共に実体化した。
ゴランは獣の背中に飛び乗った。二人はダンジョンを出て、石の扉を粉砕した。
ボルトは青い稲妻の雨を降らせ、ゴリアテを追い詰めていた王室の小隊全体を瞬時に麻痺させた。
「乗れ!」ゴランはタンクに命じた。
「一体なんていう化け物だ!?」
ゴリアテは目を丸くしながら、彼に続いて鞍に飛び乗った。
「ボルト、【速度倍増】だ!」
狼は電気の光の軌跡となり、想像を絶する速度で夜を駆け抜け、アナベルとマーカスに追いついた。
数マイル離れた場所で、二人の若者は追っ手を振り切ったと信じていた。
しかし突然、彼らの乗騎の前の地面が、黒い瘴気と闇魔法の雲を上げて爆発した。
鞍から放り出され、彼らは土埃の中へと無残に転がり落ちた。空気は不自然なほど圧迫感を増し、まるで重力が10倍になったかのようだった。
有毒な影からドミニクが現れた。
Aランク魔導士はサディスティックな笑みを浮かべて彼らを見下ろしており、その殺意のオーラは彼らの息の根を止めるほどだった。
「私の牢獄から逃げられるとでも思ったか?」
魔導士は杖を掲げ、囁いた。
「お前たちは死ぬのだ」




