第5章:Aランク魔導士が人を盾にするクズだったので、木の盾で最上位魔法を粉砕して顔面を殴り飛ばす。さらに仲間を救うため、従魔たちが【血竜】と【鋼鉄の巨獣】へと驚異の進化を遂げる!
人気のない未舗装の道に差し掛かると、ゴランはテストを行うことにした。
彼は斧を召喚し、【強化木の盾】を左前腕にしっかりと固定した。
「グリズリーマン」ゴランが呼んだ。
胸から黄金の閃光が噴出し、超巨大な熊人が重々しく着地した。
ゴランは足を地面に踏ん張り、膝を曲げ、盾を構えて防御態勢をとる。
「俺に向かって突進してこい。全力だ。この木の板がどれだけ耐えられるか見てみたい」
ハイブリッドは咆哮を上げ、前方へ飛び出した。
3トンの筋肉と毛皮がゴランの盾に激突した時、雷鳴のような轟音が発生した。木こりの腕の筋肉はそれに耐えるために異常なほど隆起したが、慣性の法則には逆らえなかった。
ゴランのブーツは土を激しく削り、2本の土煙の軌跡を描きながら数メートル後ずさった後、ようやく突進を食い止めた。
「素晴らしい」ゴランは無傷のまま息を吐いた。「盾は持ちこたえたし、お前の一撃は鍛冶屋のハンマーみたいに重いな」
アナベルが目を丸くして近づいてきた。
「ゴラン……あなたの熊、昨日よりも恐ろしく強くなっているわ」
「山賊との一件があったからだろうな」彼は推測した。
「ええ」ヒーラーは微笑んだ。「システムが、あなたが彼らを守るためなら殺すことも厭わないと認識したのよ。彼らはあなたを絶対的な『アルファ』として受け入れた。それが彼らの基礎ステータスを増幅させているの」
勇気づけられた二人は、『海の迷宮』の入り口に到着した。
それは崖の根元にある巨大な暗い裂け目で、海が激しく打ち付け、泡立っていた。羊皮紙の依頼によれば、第2階層で行方不明になっているBランクのタンクを探し出さなければならない。
≪警告:『海の迷宮』に進入しました ―― レベル1≫
内部は、発光する藻類に照らされた石灰岩の広大な洞窟網だった。
20歩も歩かないうちに、錆びた銛を持った【マリンゴブリンマン】、ずんぐりとした【ピラニアマン】、そして電気を帯びた触手を持つぬるぬるした【ジェリーフィッシュマン(クラゲ人)】が、汽水溜まりから姿を現した。
「リザードマン。グリズリーマン」ゴランは残酷な笑みを浮かべて言った。「この階層の終わりまで、こいつらで床を掃除してこい」
2体のハイブリッドが実体化し、怒りの化身のように飛び出していった。
【ドラコニック・レイダー】は残像となり、短剣で首を刎ね、腸を引きずり出し、水を沸騰させる炎を吐いた。【グリズリーマン】は純粋な暴力だった。ゴブリンを掴み上げ、その頭蓋骨同士を激突させて砕く。
ゴランとアナベルは彼らの後ろを落ち着いて歩き、この虐殺劇を見守った。
やがてボス部屋に到達する。固い赤い甲殻に覆われた【アーマード・ロブスターマン(武装した甲殻人)】だ。
ゴランは魔物たちに下がるよう合図した。
ボスが突進し、破壊的なハサミを振り下ろす。木こりは完璧なタイミングで盾を構えた。衝撃で木が軋んだが、ゴランは屈しない。盾を支点にしてハサミを押し返し、怪物のバランスを崩させた。
脇腹が露わになったその一瞬の隙に、ゴランは無意識のうちに『木こりの掟』を発動させながら斧を水平に振り抜いた。
樹齢百年の木が折れるような乾いた音と共に、天然の装甲が砕け散る。ボスは真っ二つに分断されて倒れた。
歪な笑みを浮かべ、ゴランはインベントリを開き、怪物の死骸を丸ごと押し込んだ。アナベルは思わず吹き出した。
彼らは第2階層へと下った。
空気は凍りつくように冷たく、圧迫感を増した。骨の三叉槍で武装した【シャークマン(サメ人)】や、鉄壁の甲羅を持つ【クラブマン(カニ人)】といった、より致命的な新たな魔物たちが影から現れた。数が多すぎた。
初めて、熊と爬虫類が苦戦を強いられていた。熊はカニに傷一つつけられず、トカゲはぬるぬるした岩で滑ってしまう。アナベルが呪文を唱えようと動いたが、ゴランがそれを止めた。
「マナは最下層で見つけるもののために温存しておけ」彼は命じた。
ピクセルの渦と共に、彼は盾と斧を召喚した。
「群れ(パック)の戦い方ってやつを、こいつらに教えてやる時間だ」
ゴランは前方へダッシュした。
盾を破城槌のように使ってサメの鼻面を砕き、リザードマンが彼の膝を踏み台にして宙を舞い、気絶した魔物の喉笛に短剣を突き立てるのを援護する。
次の瞬間、ゴランが斧でカニの甲羅に亀裂を入れ、グリズリーマンがその裂け目に爪をねじ込んで真っ二つに引き裂いた。
3体は一つの致命的な有機体と化した。
ゴランが「錨」となり、熊が「大槌」となり、トカゲが「メス」となった。
洞窟の最深部で、彼らは粉々に吹き飛ぶ玄武岩の扉を発見した。
そこから3体の巨大な【ジャイアント・シーオーク】が乱入してきた。エリートの複数エンカウントだ。
アナベルは躊躇しなかった。
≪パーティーアラート≫
【ヴァルキリーの祝福(上位)】を詠唱:対象の速度、スタミナ、物理攻撃力が50%上昇。
ゴランは筋肉に電気が走るのを感じた。
内臓をえぐるような数分間の連携攻撃により、3体のエリートボスは打倒され、テイマーと使い魔の絆と潜在的な力はさらに高まった。
しかし、その勝利は、ゆっくりと響く嫌味な拍手によって遮られた。
優雅なローブをまとった男が影から姿を現す。「驚きだ」ぬめり気のある声で彼が言う。
それはアエテルガルドの街で違法な実験を行っていることで知られるAランク魔導士、ドミニクだった。
「行方不明のタンクはどこだ?」ゴランは唸った。
「ああ、あの盾を持った図体のデカい馬鹿のことか? 捨て駒が必要だったんでね。もし奴のために死にたいなら、どうぞご自由に」魔導士は笑い、第3階層へとテレポートした。
ゴランとアナベルは螺旋階段を駆け下りた。
第3階層には、広大な地底湖が広がっていた。ドミニクは空中に浮遊し、ビルほどの大きさがある【ジャイアント・オクトパス】の破壊的な攻撃を防ぐための『人間の盾』として、行方不明のタンク、ゴリアテを闇魔法の糸で縛り付けて操っていた。2人の傭兵が魔導士の側面を守っている。
「傭兵たちは任せた」ゴランは魔物たちに命じた。「魔導士は俺がやる」
熊とトカゲが殺し屋たちを解体している間、ゴランはドミニクに向かって突撃した。
魔導士は彼に向けて、死の気配を纏う壊死性の「氷の槍」を3本放った。
致命的なタイミングで、ゴランは斧を振り上げなかった。彼は盾を掲げ、パッシブスキルの本質を強化木へと注ぎ込んだ。
≪システムハブ≫
パッシブスキル『木こりの掟』がレベル2に上昇!
粉砕の力は、衝撃時に不安定なマナの奔流を中和し、消滅させます。
魔法の槍は彼の防御を貫通しなかった。それらは不活性な粉塵となって崩れ去った。
魔導士が驚愕に固まるのを無視し、ゴランは彼に肉薄し、その顎に壊滅的な右フックを叩き込んだ。ドミニクはボロ布のように後方へ吹き飛び、岩壁に激突して気を失った。
魔法の糸が切れ、ゴリアテは解放された。しかし、安堵は一瞬しか続かなかった。
人間の盾を失ったジャイアント・オクトパスは、その怒りをパーティーに向けた。巨大な触手が鞭のように叩きつけられ、熊を吹き飛ばす。別の触手が空中のリザードマンを捕らえ、締め付けた。
ゴランは彼らを救うために飛び出したが、怪物から放たれた強力な水流を胸に真っ直ぐ受け、後方へ滑り飛ばされた。
絶望的な状況だった。
爬虫類は苦痛にシューシューと鳴き、熊は立ち上がるのにも苦労している。
ゴランは斧を地面に突き立てた。彼は仲間たち――死の一歩手前にある自分の群れ(パック)を見つめた。
彼が感じたのは恐怖でも、盲目的な怒りでもなかった。それは、肺が焼き切れるような、あまりにも内面的で、純粋で、絶対的な『守護の意志』だった。
こいつらを失うわけにはいかない。どんな理由があろうとも。
彼は吸い込める限りの空気を肺に満たし、原始的な咆哮を解き放った。
冷徹な計算機であるシステムは、その絆の絶対的な純粋さを認識した。
≪システムハブ:隠し条件達成≫
感情シンクロ率:100%。保護への絶対的な意志が、潜在能力を解放しました。
▶ クラス進化進行中
【リザードマン】 → 【ブラッドドラゴン・アサシン(血竜の暗殺者)】
【グリズリーマン】 → 【アイアンハイド・ベヒーモス(鉄皮の巨獣)】
マグマのように濃密な、目も眩むような光が2体の使い魔の体から噴出した。
光の中から現れたのは、根本的に変異した生き物たちだった。
トカゲは深紅の鱗と燃え盛る翼を持ち、青い炎を宿した瞳で睨みつけるドラゴンへと変異した。
熊は二本足で立ち、体長は倍増し、毛皮は鉄の樹皮のような貫通不能の骨の鱗に覆われていた。生きた山だ。
アイアンハイド・ベヒーモスはその巨大な拳を振り上げ、岩の地面に叩きつけた。壊滅的な地震が地割れを引き起こし、地底湖の水を一瞬にして排水させ、怪物の巨大な触手を岩の隙間に挟み込んで封じた。
ブラッドドラゴン・アサシンは空へ舞い上がった。顎を大きく開き、オクトパスの中心の眼を直撃するドラコニック・ファイアの連続した奔流を吐き出し、麻痺させる。
ゴランは10分の1秒も無駄にしなかった。
装甲に覆われた熊の背中を踏み台にして、彼は空中に飛び出した。両手で斧を握りしめる。レベル2の『木こりの掟』が武器に沿って燃え上がる。
彼は止めることのできないギロチンの一撃を振り下ろし、装甲に覆われた獣の脳髄を綺麗に断ち割り、黒い血の滝の中で文字通り真っ二つに切り裂いた。
狩りは終わった。
意識を取り戻したドミニクは、その隙を突いて転移の巻物を砕いた。ボスが死んだことで、空間の封印が解かれていたのだ。ポータルは彼と気絶した傭兵たちを吸い込み、逃亡を許してしまった。
ゴランは、オクトパスが守っていた場所へと近づいた。
剥き出しの岩に食い込んでいたのは、青白く、催眠的な光を放つ未知の鉱物の破片3つだった。触れると、不自然な冷たさが手袋を突き抜けてきた。彼はそれをインベントリに押し込み、二体の恐ろしい新たな仲間を従えて、ゴリアテとアナベルの方へ振り返った。
ゴリアテは凹んだ兜を脱ぎ、身を起こそうと苦労していた。
「ドミニクは俺を利用し、ここに置き去りにして死なせようとしたんだ」タンクは唸り声を上げた。彼はゴランが石を採取した場所を見つめた。
「そして、奴が何を狙っていたのか俺は知っている。あれは【アビサル・アズライト(深淵の藍銅鉱)】だ。魔法を吸収し……ドラゴンの鱗を貫通できる、世界で唯一の金属だ」
戦士は拳を握りしめた。
「計り知れない価値がある。奴がどんな闇の派閥に仕えていようと、あんたはたった今、奴らの計画を台無しにしてやったんだ」
「ギルドマスターに報告しに戻らなきゃ。ドミニクを引き渡すわ」アナベルは疲れ切っていたが、毅然とした態度で言った。
ゴランは魔物たちを送還し、その信じられないほどの新たな力が胸に収まるのを感じた。
「行こう」木こりは階段の方へ向き直り、宣言した。
「ここは腐った魚と裏切りの悪臭がする。アエテルガルドへ帰るぞ」




