第21章:床を溶かして100階層スキップ!? 地下最下層で無職の『黒幕』ゾンビと対峙する。圧倒的な瘴気にあわや全滅……その時、天空から3人の英雄が舞い降りる!
第20階層の静寂は、巨大な螺旋階段の入り口に近づくマーカスとカルダーのブーツの音によって破られた。眼下の暗闇は果てしなく続いているように見えた。
マーカスが最初の階段を下りようと足を踏み出したが、巨大な手が彼の肩を掴んだ。
「待て、君主」
カルダーは、熱を帯びた青い光を目に宿して言った。
「この階段を歩いて降りていたら、ダンジョンの真ん中に着くのは来年になっちまう。できるだけ早く終わらせる必要がある。俺に考えがある」
創世の地獄解体者は一歩前に出た。円形闘技場の正確な中央、硬く腐食した石の床の真上に陣取る。それから彼は、まるで岩や雲を透かして見ることができるかのように、上を見上げた。
「許してくれよ、イスリルとアイテラス」
シェフは少し申し訳なさそうに、だが厳密に実用的なトーンで呟いた。
「ここがあんたらの家だってことはわかってるが、俺たちはクソ急いでるんだ。後でちゃんと掃除するって約束するからよ」
マーカスは混乱して眉を上げた。
「あんた、誰に向かって――」
だが、彼は文を終わらせることができなかった。カルダーは両手のひらを床に平らに置き、彼の新しい力をチャネリングしたのだ。
≪システムハブ:スキル発動≫
【スキル:原初の炎体(熱過負荷/サーマル・オーバーロード)】
ダメージを与えたのは目に見える炎ではなかった。それは白青の熱波であり、文字通り物理法則を曲げるほど極端で原初的なものだった。
彼らの下の石の床はただ割れただけではない。溶けたのだ。それは白熱の溶岩に変わり、その後蒸発して完璧な、ぽっかりと開いた陥没穴となった。
足場がなくなり、4人は真っ逆さまに落ちた。
――ヴゥゥゥッシュ!!
自由落下は爽快であり、同時に恐ろしいものだった。アクロバットに慣れているマーカスは気流を利用して姿勢を安定させ、一方ドラゴブリンは翼の力を温存するために落下する石雲のゴーレムの背中に優雅に着地した。
その間、カルダーは人間の隕石のように頭から落ち続けた。彼らが次の階層の床に当たるたび、シェフの原初の熱がそれを一瞬で気化させていったのだ。
彼らはほんの数秒で数十の階層をバイパスした。モンスターの群れ、致死的なトラップ、そして腐敗した迷宮が現れては、炎と重力の垂直トンネルによって文字通り迂回されていった。40階、60階、90階……。
「これこそエクスプレス・エレベーターだな!」
マーカスは、轟音を立てる風の中でかろうじて聞こえる声で叫び、明らかに興奮していた。
止まらない降下は数分間続き、やがて、鈍いドーンという音と暴力的な反動と共に、カルダーの足が溶けることを拒む表面に激突した。
――ガキィィン!
グループは重く着地した。カルダーはわずかに息を切らしながら『原初の炎体』をキャンセルした。
彼らは周りを見回した。環境は劇的に変化していた。もはや白い大理石や廃墟となった柱はない。彼らは、滑らかで信じられないほど高密度な、タイタンのような黄金の根によって溝が掘られた黒い壁と床に囲まれていた。彼らは第128階層に到達したのだ。
マーカスはブーツの底で石をコツコツと叩いた。
≪システムハブ:素材分析≫
【識別:原初の根の黒曜石】
【特性:熱系の属性魔法に免疫。硬度:神級。】
「タダ乗りはこれでおしまいのようだな」
忍者はクナイを抜きながらコメントした。
「この岩は2つの木の内部の根を包む本物の樹皮だ。あんたの炎でも溶かせない」
「上等だ。100階層以上もショートカットできたんだからな」
カルダーは肩を回しながら唸った。
第128階層のトンネルの影から、何十体ものモンスターが現れ始めた。彼らは影と変異した肉の異形であり、すべてグレード3以上に分類されていた。しかし、彼らには一歩踏み出す時間すらなかった。
ドラゴブリンが前方にダッシュした。小さな悪魔はただ攻撃しただけではない。それは止まらない怒りだった。甲高い咆哮と共に、それは魔法を呼び起こした。
≪システムハブ:スキル発動≫
【スキル:竜の飛翔】
魔物はダイヤモンドの鱗と暗い炎の独楽へと変身した。盾で首を刎ね、トゲ付き棍棒で3体の骨の巨獣を粉砕し、明らかに鬱積したフラストレーションを爆発させていた。
マーカスは即座にその凶暴さの理由を理解した。彼の友人は自分自身に腹を立てていたのだ。地表での神聖白竜との戦い中、自身の武器が星の金属でできているだけであるため致命的なトドメを刺すことができず、最後の鱗を貫通するために主人の剣に頼らざるを得なかったことに気づいていたのだ。
マーカスは悪魔の斬撃を躱した。
≪システムハブ:スキル発動≫
【スキル:蝕の歩法】
闇と光の閃光の中で、忍者は姿を消し、再出現して魔物を綺麗に首斬りし、その後愛情のこもった笑顔で友人に振り向いた。
「おい、相棒! 落ち着いてエネルギーを温存しろ!」
マーカスは『ナイトファング』をくるくると回しながら叫んだ。
「エランドールに戻って祝杯をあげたらすぐ、鍛冶屋に行って、この大陸で一番重いトゲ付き棍棒を打ってもらうからな。純粋なアビサル・アズライト100%でできたやつをだ。約束するぜ!」
その言葉に、ドラゴブリンは空中で凍りついた。鱗に覆われた小さな頭をマーカスに向け、その黄金の目は純粋な喜びで輝いた。天井に向かって歓喜の炎を吐き出し、約束に鼓舞されたそれは、文字通り行く手にあるすべての障害物を第135階層まで一掃し、グループ全体の突撃を牽引した。
◇ ◆ ◇
しかし、第135階層の巨大なアーチをくぐった時、その多幸感は打ち砕かれた。
闘技場は湖のように広大だった。中央では、大地と天空の巨大な根が目に見えてタイタンのような螺旋状に絡み合っていた。通路を塞ぎ、下層へ向かって流れる黒檀の疫病を直接糧としていたのは、2体の巨大な腐敗した獣だった。
最初の生物は忌まわしいハイブリッドだった。ティラノサウルスに似た二足歩行の肉食恐竜だが、人間のプロポーションと筋肉を持っていた。腕は短くなく、長く致死的で、天然の骨の刃を備えていた。その皮膚は硬化したエボニー・ブライトの分厚い鎧だった。
2番目の生物には骨がなかった。それは3階建ての建物ほどの高さがある、巨大な【疫病スライム(ブライト・スライム)】だった。純粋な濃縮された暗黒の粘り気のある半透明な酸性の塊で、それが這いずる場所の原初の黒曜石を溶かしていた。
≪システムハブ:フロアガーディアンを検知≫
【正体:獣人型殺戮竜(エリート – Lvl. 3)】
【正体:貪欲なる疫病スライム(レイヴェナス・ブライト・スライム)(エリート – Lvl. 3)】
「ターゲットを分けるぞ」
カルダーは双子の肉切り包丁を抜きながら唸った。
「あの黒い泥の塊は俺とゴーレムの獲物だ。お前ら二人はあのミュータントT-Rexの相手をしろ!」
議論する必要はなかった。獣人型殺戮竜は致死的な衝撃波を生み出す咆哮を解き放ち、そのサイズからは考えられない速度で突撃してきた。
マーカスは後退しなかった。
≪システムハブ:スキル発動≫
【スキル:至高の分身の術】
10体の影のクローンが闘技場に散開した。サウリアンは巨大なトゲ付きの尻尾の一振りで3体のコピーを一掃したが、直接的なダメージを与えることがマーカスの目標ではなかった。
≪システムハブ:スキル発動≫
【スキル:影の鎖】
獣の死角を利用し、忍者と残りのクローンは何十本もの重い鎖を黒曜石の床から噴出させ、ヒューマノイド恐竜の脚と腕にきつく巻きつけて、その突撃を残酷に遅らせた。怪物はもがき、影の鋼を軋ませる。
「今だ!」
マーカスが叫んだ。
上空から、急降下してきたドラゴブリンが顎を大きく開いた。
≪システムハブ:スキル発動≫
【スキル:影炎の息吹】
黄金と黒の炎の柱が獣人型殺戮竜の顔面に直撃し、エボニー・ブライトの鎧の表面層を溶かし、苦痛に咆哮させた。
同時に闘技場の反対側では、カルダーとゴーレムが貪欲なスライムに立ち向かっていた。
石雲のゴーレムは足を地面に踏ん張り、コアからのすべてのエネルギーをチャネリングした。
≪システムハブ:スキル発動≫
【スキル:エメラルド・ビーム】
純粋な緑のマナのレーザーがスライムの粘性のある塊を真っ直ぐに貫通した。しかし、穴はほぼ瞬時に塞がった。スライムは何千もの相互接続された魔法の流れで構成されており、物理的に攻撃するのは無意味だったのだ。暗黒のヘドロが津波のように立ち上がり、構造物に激突して消化しようと構えた。
「そうはさせねえぞ!」
カルダーが雷鳴のように叫んだ。
創世の地獄解体者が前方にスプリントする。
≪システムハブ:スキル発動≫
【スキル:原初の炎体】
カルダーは酸の波を避けなかった。彼は文字通りその中に飛び込んだのだ。
無形となり純粋な熱で構成された彼は、ダメージを受けることなくスライムの内部を通り抜けた。その腐敗の海の中を泳ぎながら、カルダーはミキサーのように肉切り包丁を回転させた。
≪システムハブ:パッシブスキル発動≫
【スキル:魔力断ちの斬撃】
包丁は泥を切ったわけではない。モンスターを一つにまとめているすべての魔法のつながりを切断したのだ。内側から、カルダーはスライムの魂そのものを解剖していた。数秒以内に、タイタンのようなゼラチン状の生き物は凝集力を失い、不活性なヘドロの水たまりへと溶け、勝利を収めて姿を現したシェフの熱の下で蒸発していった。
しかし、勝利は短命だった。獣人型殺戮竜は、純粋な動物的な怒りの爆発により、単一の破壊的な力でマーカスの影の鎖を引きちぎったのだ。拘束から解放された恐竜は、空中にホバリングしているドラゴブリンを串刺しにするために尻尾を上げた。
「俺のダチには指一本触れさせねえぞ!」
マーカスがシッシッと音を立てた。
≪システムハブ:スキル発動≫
【スキル:蝕の歩法】
瞬きする間に、マーカスはテレポートし、空中のサウリアンの頭の正確に真上に再出現した。
≪システムハブ:スキル発動≫
【スキル:精霊の呼び声(最大氷結)】
アビサル・アズライトの刃が冷たい星のように輝いた。重力と信じられないほどのひねりの動きを利用し、マーカスは恐竜の頭蓋骨の中央に真っ直ぐに『ナイトファング』を突き立てた。武器は深く沈み込み、その結果生じたスペクトラル・アイスの爆発が、獣の神経系全体を瞬時にフラッシュフリーズさせた。
恐竜は絶対零度に麻痺し、硬直した。
「名誉はお前のものだ!」
マーカスは剣を引き抜き、後方に落下しながら叫んだ。
ドラゴブリンは翼を折りたたみ、隕石のように急降下した。グレード4のダイヤモンドスケールの盾を掲げ、破壊的な運動衝撃と共に、それを獣人型殺戮竜の凍りついた鼻先に直接叩きつけたのだ。
――クラァック!
ヒューマノイド恐竜の頭蓋骨は、文字通り巨大なガラスの花瓶のように粉々に砕け散った。首を落とされた体が地面に激突し、絶命した。
第135階層に再び静寂が戻った。2体のレベル3エリートモンスターは、止めることのできないチームの完璧な相乗効果によって一掃されたのだ。
カルダーは炎をキャンセルし、人間の姿に戻った。彼は煤にまみれ、激しく息を切らしていた。マーカスも剣を鞘に収め、筋肉の疲労が忍び寄るのを感じながら一瞬壁に寄りかかった。
「オーケー……完全に倒れる前の限界ってところだな」
カルダーは次元空間から信頼する大釜を引き出しながら認めた。
「100パーセントに戻るまで、もう一歩も歩かねえぞ」
レベル3のシェフだけが持つ熟練度で、カルダーはサウリアンから浄化された肉の切れ端と、ダンジョンの超希少な光るキノコを使用して、究極の食事を準備した。
≪システムハブ:特殊消費アイテム発動≫
【食事:創世のスープ(ジェネシス・スープ)】
【効果:HPおよびマナの完全回復。レベル3の魔法コアの絶対的な安定化。構造物のためのパッシブな構造修復。】
その食事は魔法のように機能した。彼らの肉体的な傷は癒え、石雲のゴーレムの鎧の小さなひび割れは自ら塞がり、ドラゴブリンはそのボウルをむさぼり食い、瞬時にすべての致死的なエネルギーを取り戻した。
満腹になり完全に再充電され、4人は立ち上がった。闘技場の破壊された門は、さらに下へと沈む最後の、巨大で暗い階段を露わにしていた。システムレーダーは、残りのモンスターがすべて一点に呼び戻されたことを示していた。ダンジョンの中央、根の収束の正確なポイントだ。
マーカスは金髪の房を直し、カルダーの決意に満ちた視線と交わった。彼らの傍らにはドラゴブリンとストーンゴーレムが歩み寄り、無言だが戦争の準備を整えていた。
「ダンジョンの真ん中に隠れてる奴の顔を拝みに行こうぜ」
マーカスは言った。
4人は共に降下を開始した。真の地獄の顎に立ち向かう準備をして。
◇ ◆ ◇
一方、その暗闇から遠く離れた天空の地下都市のくぐもった静寂の中では、異なる時間が流れていた。
祖先の泉の癒やしの発光する雲に浸かっていたエララが、最初に目を開けた。濃密な天の蒸気は彼女のすべての傷を浄化し、マナを100%まで再生させていたが、動こうとした瞬間、鋭く刺すような痛みが彼女の全身のあらゆる繊維を貫いた。
彼女は痛みにうめき声を上げ、歯を食いしばった。反動だ。わずか3分間だけ筋力を1000%ブーストした、カルダーのスパイス肉の壊滅的な副作用。彼女は突然、エランドールのトーナメントで全く同じレーションを消費した後、マーカスが汗まみれになって辛うじて立っていた時のことを思い出した。今、彼女は彼が正確にどう感じていたかを理解した。
彼女は筋肉の拷問を無視して、無理やり身を起こした。方向感覚を失いながら辺りを見回す。彼女の右側では、父エルヴィンとモンクのジンがまだ熟睡しており、彼らの顔はリラックスし、半ダースの石雲の巡礼者たちによって敬意に満ちた沈黙の中で見守られていた。
エララは急いで泉の端に向かった。
「私たちが別れてから、どれくらい時間が経ったの?」
彼女は最も近い構造物に向かって、不安を募らせて声を震わせながら尋ねた。
石のゴーレムは首を傾げ、彼らの独自の共鳴を通じて、彼女に真実を理解させた。
「4時間?!」
少女は叫び、脚の燃えるような痛みを無視して立ち上がり、エメラルドグリーンの目を大きく見開いた。
「4時間も経ったのに、彼らはまだ戻ってきていない……」
彼女の視線は大理石の床をさまよい、その思考は眼下の深淵へと引っ張られた。マーカスとカルダーはあそこに降りたのだ。あの終わりのない悪夢の根源に対して、たった二人きりで。
1秒も無駄にすることなく、エララは眠っているグループの方へ向き直った。
「お父さん! ジン! 起きて!」
彼女は叫び、動くたびに歯を食いしばりながら、モンクの肩を振り、次に司令官の肩を揺すった。
「起きなきゃ、今すぐに!」
エルヴィンは片目を開けたが、体を持ち上げようとする腕の筋肉が震えたため、その顔は瞬時に純粋な痛みのしかめ面に歪んだ。ジンは起き上がろうとしたが、くぐもったうめき声を漏らして肩をさすった。
「筋肉が……火がついているみたいだ」
モンクは歯を食いしばりながら呟き、杖の破片を握ることすら困難だった。
「あのシェフの力の代償だな」
エルヴィンは、ドラゴンの鎧が何トンもの重さのように感じられながらも、苦労して立ち上がり唸った。
「俺たちは生きているし傷も塞がっているが、筋肉はズタズタだ」
テイマーは鋼のヌンチャクを掴んだ。その視線は、肉体的な痛みを覆い隠すほどの猛烈な決意によって点火されていた。
「マーカスとカルダーが深淵に降りてから4時間が経ったわ」
エララは、議論の余地のない声で宣言した。
「絶対に彼らを助けに行かなきゃ。深刻なトラブルに巻き込まれているかもしれない。私たちもあそこへ降りるのよ、今すぐに!」




