第13章:料理人の『バフ飯』で従魔が覚醒!? 四本腕の【阿修羅タイタン】に進化して階層ボスを粉砕! 一方、暗黒騎士の罠で雷の僧侶が瀕死の重傷を負う件
「糧の契約」の緑色のエコーがゆっくりと消え去り、屋根のない第28階層のドームは非現実的な沈黙に包まれていた。
カルダーはゴーレムの巨大な石の手を放し、疲労しながらも深い敬意のこもった笑顔を浮かべていた。
しかし、グループが夜の交代見張りを決める前に、石雲の巡礼者が奇妙な音を立て始めた。
それはリズミカルで、深く、喉の奥から響くような音で、まるで2つの重い石臼をすり合わせる音と、峡谷に閉じ込められた風のシューという音を組み合わせたかのようだった。
マーカスは本能的に『ナイトファング』の柄に手を伸ばしたが、エララがすぐに腕を上げて彼を制止した。
「待って、マーカス。彼、誰かを呼んでいるわ」
闘技場の白い石壁が振動し始めた。
ゴーレムが到着した時と同じように、固い岩が雨に打たれた湖面のように波打つ。
次から次へと、幽霊のような沈黙の中で、約30体の石雲の巡礼者たちが壁から現れたのだ。
彼らは凝縮された蒸気の奇妙な帽子を被り、マナ飢餓によってルーンの光が薄暗くなっていたが、火の方へ前進してくることはなかった。
彼らはただ扇状に広がり、大階段や闘技場のあらゆる入り口や隙間の前に不動の彫像のように陣取り、潜在的な脅威の行く手を物理的に塞いだのだった。
エララはカルダーの新しい石の仲間に近づき、ゴーレムの胸の中央のルーンの真上にそっと手のひらを置いた。少女は1秒間目を閉じ、その魂の共鳴を解読した。
目を開けた時、彼女は仲間たちに優しく微笑んだ。
「彼は、私たちは寝て休んでいいと言っているわ」
テイマーは翻訳し、その予期せぬ連帯のジェスチャーに声を震わせた。
「今夜は、壁の中にいる彼の友人たちが警備を引き受けてくれるそうよ」
マーカスは剣のグリップを緩め、冷たい空気の中で結露するようなため息をついた。
カルダーは腕を組み、静かな誇りを持って新しい仲間を見た。
「素晴らしい。なら、この贈り物を無駄にはしないでおこう。みんな、少し眠るぞ」
あの生きた壁が提供する安心感のおかげで、グループは緊張のない眠りに深く沈み込むことができた。
それは4時間にも満たない短い睡眠だったが、ストレスの欠如とシステムの自然回復のおかげで、信じられないほど活力を取り戻すものだった。
◇ ◆ ◇
ダンジョンの人工的な夜明けの最初の幽霊のような光が廃墟から差し込んできた時、グループはすでに起きていた。
マーカスはタクティカルスーツのストラップを調整し、エララは鋼のヌンチャクの鎖を確認している。彼らは行動を起こす準備ができていた。
「そこまでだ、君主」
マーカスが階段に向かおうとする前に、カルダーの深い声が轟き、彼の肩を止めた。
「空腹のまま地獄の尖塔を登るんじゃない。クラス進化した後なら尚更だ」
地獄の解体者は、すでに復活した火の上に大釜を設置していた。
彼は次元バックパックから重い肉の塊を取り出した。下層で倒した巨大な翼を持つ山羊人の肉だ。
クラスの熟練度をもって、カルダーは肉をスライスし、直火で直接ローストしてから、濃い赤色の粉末をたっぷりとまぶした。彼の父親の秘密のスパイスだ。
マナと熱気を含んだツンとした香りが闘技場を満たした。
マーカスはグループの料理人と決して口論してはいけないことを学んでいた。彼は一口食べた。
反応は瞬時であり、残酷だった。以前の食事の全体に広がるような温かさとは違う。これは爆発だった。
≪システムハブ:特殊消費アイテム発動≫
【アイテム:天界山羊のロースト・地獄スパイス添え】
【効果:4時間、物理的筋力、スタミナ、マナフローが+200%増加。注入された活力が潜在的な疲労をゼロにします。】
野生の、燃え盛るようなエネルギーが突然彼らの体に溢れた。
マーカスは筋肉が痙攣するほど緊張し、不自然な反応性で満たされるのを感じた。エララは拳を握りしめ、マナが激流のように静脈を駆け巡るのを感じる。
しかし、最も怪物的な効果は魔物たちに現れた。
森の守護者・猪人が生き残っている柱を揺るがすようなうめき声を上げ、その筋肉は巨大に隆起した。
影の守護者ゴブリンは狂ったように飛び跳ね、トゲ付き棍棒を完全にぼやけて見えるほどの速度でクルクルと回している。
物静かな石雲の巡礼者でさえ、衝撃を受けたようだった。その緑色のルーンが目を眩ませるような光で脈打ち、ゴーレムは石の拳を打ち合わせた。明らかに戦いを求めている。
「最高だ」
マーカスはニヤリと笑い、その黄金の目は純粋なアドレナリンで輝いていた。
「全部ぶっ壊しに行こうぜ」
登頂のための陣形は自然に決まった。魔物たちが最前線を主張したのだ。
マーカスのゴブリンとエララのボアマンが列を開き、石雲の巡礼者がそれに密着して続いた。
彼らはかつてない凶暴さで階層を登り始めた。瞬きする間に4つの階層を駆け上がる。
ダンジョンは再び変化し、カミソリのように鋭い茨の絡み合いや、槍で武装したオニキスの【クラウド・ガーゴイル】で埋め尽くされた巨大な空中庭園が現れた。
しかし、人間たちは武器を抜く必要すらなかった。
ボアマンは行く手を阻む者を文字通り引き裂き、倍増した力で石の鎧を素手で粉砕していった。
ゴブリンは影の投射物となり、壁から飛び降りて飛んでいる魔物の首を刎ねる。彼らは止まらない死神のように前進した。
彼らはさらに2つの階層を登り続け、第34階層に到達した。
巨大な白い大理石の回廊で、影の剣と重い盾で武装した実体である【虚無の騎士】の小隊が警備していた。
ボアマンは鼻から蒸気を吹き出し、突撃の準備をしたが、巨大な石の手がその剛毛の生えた肩に置かれた。
巡礼者だった。
石雲の巡礼者はエララの巨獣にゆっくりと首を振り、一歩前に出ると、単独で戦闘態勢に入った。
カルダーは微笑んだ。
「彼は一人でやりたいみたいだな。やらせてやろう」
グループは立ち止まり、ゴーレムが6体の虚無の騎士に向かって前進するのを見守った。
その後に続いた光景は、全員を息を呑ませた。
巡礼者は魔物の残虐さで戦うのではなく、古代の忘れ去られた優雅さで戦ったのだ。それは流れるような、止めることのできない武術スタイルを使い、まるで蒸気でできているかのように石の質量を動かした。
1体の騎士が正面から突撃してきた。
巡礼者はブロックしない。刃を手首で弾き、敵の勢いを利用して、魔物の胸当てに掌底打ちを見舞い、鈍い衝突音と共にそれを粉砕した。
2体の騎士が背後から、完璧な死角から全く音を立てずに攻撃を試みた。
しかし、ゴーレムは振り返ることすらしなかった。
刃が首を刎ねるほんの数分の一秒前にしゃがみ込み、軸を中心に回転して、両脚を折る低い足払いを実行したのだ。
壁に寄りかかり腕を組んでいたマーカスは、目を見開いて急に立ち上がった。
≪システムハブ:スキル発動≫
【使用者:マーカス】 | 【スキル:鷹の目】
忍者の視界が拡大し、その不可能な動きを分析しようとした。
魔法ではない。影の糸もシステムレーダーも関与していない。
「イカれてるな……」
マーカスは心底ショックを受けて囁いた。
「後頭部に目があるわけでもないのに、相手の筋肉が収縮を終える前に、すべての斬撃を予測している。一体どういう技術だ?」
「あれが『マントラ』よ」
エララは深い賞賛の目でゴーレムを見つめながら説明した。
「天空の民は空気や雲と共生して生きていたの。彼は見る必要がない。空気の変位を感じ取っているのよ。周囲のマナの振動を通じて殺気を知覚しているの。彼の体は空間と完璧な調和を保って反応しているわ」
グループが驚愕する中、巡礼者はかすり傷一つ負うことなく小隊全体を排除し、最後の影の盾を粉砕する集中したパンチで戦闘を終わらせた。
◇ ◆ ◇
彼らは鼓舞され、魅了されたまま行軍を再開した。さらに4つの階層を登り、第38階層に到達した。
彼らの前に開けた闘技場は、暗い雲が永遠に渦巻く、屋根のない円形のコロシアムだった。その正確な中央で、空気が地獄のような熱で歪んでいた。
ダンジョンの基礎を揺るがすようなドスンという音と共に、怪物的な生き物が空から着地した。
それは悪魔のミノタウロスだったが、異常なプロポーションを持っていた。身長4メートル、筋肉は黒い鋼のケーブルのように波打ち、背中からは2つの雄大な、腐敗した羽毛の生えた漆黒の翼が広がっていた。それは光り輝く金属の双刃斧を振るっていた。
≪システムハブ:ボスを検知≫
【正体:有翼の悪魔ミノタウロス】
【グレード:エリートモンスター - クラスレベル2】
怒り狂う咆哮が沈黙を破った。
エララの森の守護者・猪人は、活力を与える食事で血を沸き立たせており、何の命令も待たなかった。すべてのシステム階層を無視し、頭を下げてボスへの自殺的な突撃を開始したのだ。
悪魔のミノタウロスも咆哮を返し、角の生えた頭を下げて挑戦を受けた。
最初の衝突は、巨像同士の正面からの激突だった。
――ドガァァン!
角がぶつかり合う音は、床から大理石の板を浮き上がらせるほどの衝撃波を生み出した。
あらゆるシステムの論理に逆らい、単なるクラスレベル2であるボアマンが、同じクラスのエリートの純粋なパワーに持ちこたえていたのだ。カルダーのスパイスが提供する残忍なエネルギーが、純粋な運動エネルギーの衝突でその怪物に匹敵することを可能にしていた。
2体のモンスターは角を突き合わせ、押し合い、唸り声を上げた。
ボアマンはミノタウロスの手首を掴んで斧をロックし、両者のひづめが石に深い塹壕を掘った。
しかし、エリートの遺伝的優位性が現れ始めた。
悪魔のミノタウロスは黒い翼を暴力的に羽ばたかせ、イノシシの目をくらませるような灼熱の風の突風を発生させた。
その隙を突き、ボスは斧を振り払い、ボアマンの胸に破壊的な膝蹴りを見舞って呼吸を止めさせ、続いて頭突きで牙の1本を折り、彼を5メートル後方へ吹き飛ばした。
ボアマンは鼻から血を流し、地面を転がった。
しかし、エララが退却を命じる前に、巨獣はひづめを立てて立ち上がった。彼は屈することを拒んだのだ。
魔物としてのプライドが、テイマーとの絶対的な絆と、食事の溢れんばかりのエネルギーと結びつき、ダンジョンのプログラミングの限界をはるかに超えて彼の体を押し上げていた。
ボアマンは荒れ狂う空に向かって咆哮した。
彼の体は目を眩ませるような金色と血の赤色の光で脈打ち始めた。筋肉は文字通り自分自身の皮膚を引き裂くほどに膨張し、それは補強された石と樹皮の分厚い鎧へと癒やされていった。
≪システムハブ:限界突破条件を達成≫
【ステータス:共鳴の怒り & エネルギー過負荷】
【クラス進化進行中……】
グループは眩しさから目を覆った。
光が爆発し、そして薄れた時、現れた生き物はもはや単なる森の守護者ではなかった。
怪物は2メートル成長し、悪魔のミノタウロスと同等の高さにそびえ立っていた。その牙は巨大な、ギザギザの黒曜石の角へと変化していた。
しかし最も恐ろしい要素はその解剖学的構造だった。重装甲の胴体からはもはや2本の腕ではなく、『4本』の巨大な筋肉質の四肢が生え、それぞれに剣ほどの太さの爪が備わっていたのだ。
【新クラス:森の阿修羅タイタン(グレード3)】
エララは自分の獣を見た。純粋な驚異と、進化が彼女自身の体に注ぎ込んだ怪異的なマナフローの急増によって息を呑んだ。
阿修羅タイタンは待たなかった。新しい巨体からは考えられない恐ろしい速度で、悪魔のミノタウロスに自らを投げ出したのだ。
エリートボスは光る斧を振り下ろそうとしたが、新しい四本腕のイノシシは上部の腕でミノタウロスの武器と手首を掴み、逃れられない鋼のグリップでロックした。
ミノタウロスは突然無防備になり、赤い目を見開いた。
阿修羅タイタンは2本の下腕を使い、マナをチャージした破壊的かつ残忍なパンチの連続で、有翼の悪魔の胸と腹部をハンマーのように打ち据え始めた。
すべての衝撃が砲弾のような音を立てた。エリートボスは連打の力で文字通り地面から持ち上げられ、天然の装甲が粉砕され、悪魔の血を吐き出した。
阿修羅タイタンはミノタウロスの角を掴み、残忍な頭突きでその頭蓋骨を砕き、クラス2のエリートの死骸を闘技場の完全に外へと投げ飛ばしてコンボを終わらせた。
第38階層に再び沈黙が落ちた。
阿修羅タイタンはその怪物的で雄大な支配力のすべてを見せつけながら立ち、黒い雲を切り裂く勝利の咆哮の中で、4つの拳を装甲された胸に打ち付けてドラミングした。
マーカスはクナイを鞘に収め、決意に満ちた表情でエララに近づいた。彼は魔物の信じられないほどの進化を見つめ、それから仲間たちに向き直った。
「この天空の迷宮は、俺たちが地表に到達するための踏み台にならなきゃいけないんだ」
忍者は言った。その声は固く、黄金の瞳は野心で輝いていた。
「俺たちは全員、もっと強くならなきゃならない。あの上の待ち受けているものを生き残り、真実を暴きたいなら、自分の限界を超えなければならないんだ」
マーカスは一歩下がり、テイマーに頷いた。
「これからはあんたが道を切り開いてくれ、エララ。自分の魔物と肩を並べて戦うんだ。俺たちが背後をカバーする」
エララは二度言われる必要はなかった。新しいグレード3が彼女に吹き込んだ自信により、彼女の視線は燃え上がっていた。
流れるような動きで鋼のヌンチャクを回転させ、四本腕のタイタンの地殻を揺るがすような歩みに挟まれながら、彼女は足早に次の階層への階段へと出発した。
◇ ◆ ◇
その後に続いたのは凱旋行進だった。
カルダーのバフと、巡礼者やマーカスの目に見えない援護に支えられたエララと獣の合わさった勢いは、止めることができなかった。彼らは1時間足らずで14の階層を一掃した。
クリスタルの森、宙に浮く廃墟、そして固体の雲の迷宮を横切り、一歩も速度を落とすことなくモンスターの波を一掃し、第52階層に到達したのだ。
しかし、彼らがまた別の白い石の敷居を跨ごうとしたちょうどその時、尖塔の構造全体が激しく揺れた。
耳をつんざくような咆哮が上空から反響し、それに続いて魔法の爆発と破滅的な規模の放電の紛れもない音が続いた。
その揺れにより、天井から土埃と瓦礫が降り注いだ。あの上で、誰かが死闘を繰り広げているのだ。
マーカスは拳を握りしめ、彼の中の直感が危険を叫んでいた。彼は即座に指揮を執った。
「全員俺の後ろへ! 急げ!」
忍者が命じた。
マナをチャネリングし、マーカスは電光石火の速度で印の連続を編み上げた。
≪システムハブ:スキル発動≫
【スキル:分身の術】
影の中から、マーカスの6体の実体を持つコピーが爆発的に現れた。
彼らは単なる幻影ではない。完璧な共生関係の中で動き、致死的な影の軌跡となって前方へダッシュし、超人的な敏捷性で巨大な螺旋階段を駆け上がった。グループの残りのメンバーも武器を抜いてすぐ後に続いた。
彼らは2階層駆け上がり、第54階層へと飛び込んだ。
彼らの前に開けた闘技場は荒廃していた。大理石の柱は崩れ落ち、床は深いクレーターで引き裂かれている。
災害の中心で、二つの人影が対峙していた。
トーナメントで優勝したダーク・エリート・ウォリアーのノトリウスと、エレクトリック・モンクのジンだった。
だが、それは公平な戦いではなかった。ジンは膝をつき、オレンジ色のローブは破れて血に浸かり、重い金属の杖は半分に折れていた。
ノトリウスが彼を見下ろすようにそびえ立っていた。
彼の黒い鎧は光を反射しない。それを飲み込んでいるように見えた。厚く、不自然な黒い物質が、ノコギリ状の大剣の刃に沿って脈打っている。
「そこまでだ、クソ野郎!」
マーカスはクローンと共に闘技場に飛び込み、叫んだ。
一瞬の躊躇もなく、幻影の君主と彼のコピーたちは、戦士の鎧の死角を真っ直ぐに狙い、睡眠粉末と麻痺毒を染み込ませた手裏剣の集中的な雨を解き放った。
武器は外科的な精度で命中した。小さな紫色の毒の雲が、ノトリウスの顔と首で爆発する。
だが、暗黒の戦士は瞬きすらしなかった。
彼の鎧から吐き出される黒い物質は、毒と睡眠粉末が血流に入る前に中和し、文字通りそれらを食い尽くしているように見えた。どうやら、毒素は彼に全く効果がないらしい。
ノトリウスはゆっくりと頭をマーカスに向けた。
兜の下に見える彼の目は空虚で、人間性の痕跡は一切なく、深淵のような冷たさに満ちていた。彼は一言も発さなかった。
重装備の戦士としては全く不自然な、驚異的な速度で、ノトリウスは後方へダッシュした。上層へ続く堂々たる階段に向かって逃げる彼を、腐敗した魔法の分厚い黒い軌跡が煙のクロークのように追いかける。
「逃がすかよ!」
マーカスは唸り、彼を尾行するためにクローンと共に前方へダッシュした。
だが、忍者が彼に追いつきそうになった時、ノトリウスは空中で振り返った。
彼は大剣を振り上げ、階段の上に張り出した石のアーチに向けて破壊的な一撃を見舞ったのだ。その同じドロドロとした黒い物質の衝撃波が刃から噴出し、前例のない破壊力で岩に激突した。
丸天井全体が恐ろしい轟音と共に崩壊した。
あの黒く粘り気のある魔法によって封印された何トンもの瓦礫と白い石のブロックが崩れ落ち、通路を完全に塞ぎ、マーカスは押し潰されるのを避けるために後方にダイブせざるを得なかった。
土埃がゆっくりと落ち着く。上層への道は完全に閉ざされてしまった。
マーカスは咳き込み、タクティカルスーツの瓦礫を払い落とすと、闘技場の中央に向かって振り返った。彼はジンに向かって走り、エララとカルダーがすぐ後ろに続いた。
モンクは地面に倒れ、重傷を負い、血の混じった咳で息を詰まらせていた。いつもの電気を帯びた穏やかなオーラは、ほとんど完全に消え去っていた。
「ジン! 何があったんだ?」
マーカスは彼のそばにひざまずき尋ねた。一方カルダーは急いでインベントリから回復ポーションを取り出した。
ジンは震える手で弱々しく小瓶を拒絶し、裂けた胸を握りしめた。彼の目は純粋で絶対的な恐怖を反射していた。
「奴は……待ち伏せしていたんだ……」
モンクは囁いた。その声は痛みとトラウマで割れていた。
「奴は勝つために戦ったんじゃない……俺たちを虐殺したんだ。友達を殺した……俺のタンクとヒーラーを……」
ジンは目を閉じ、灰にまみれた顔を一条の涙が伝った。
「ただ殺しただけじゃないんだ、マーカス。奴は彼らを『吸収』した。あの黒い物質が……彼らを飲み込み、自分自身の中に取り込んだんだ……」




