↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

25/46

第4章:光属性のチート魔導士に影を消されて絶体絶命!? ならば物理ステータス1000%バフで音速を超え、絶対防御の光盾を力業で粉砕してやる件

頭上から降り注ぐ純粋で焼け焦げるような光の球体が、闘技場からマーカスの存在を完全に消し去ろうとしていた。影を奪われたことで、彼は『幻影の君主』としての回避手段を事実上すべて剥ぎ取られていた。

ソラスは上空に浮かび、穏やかな顔に勝利の笑みを浮かべていた。「塵に還れ」


だが、焦げた砂の上に横たわるマーカスはパニックにならなかった。彼は咳き込み、目を眩ませる光に向かって黄金の目を細めると、素早く戦術ポーチに手を滑り込ませた。カルダーが投げてくれたワックスペーパーの包みを掴み出す。赤く光る、スパイスがたっぷり効いた魔物の肉を取り出し、それを一気に口に放り込んで飲み込んだ。

反応は瞬時であり、爆発的だった。


≪システムハブ:消費アイテム発動≫

【アイテム:カロリー・オーバードライブ濃縮干し肉】

【効果:3分間、物理筋力、敏捷性、スタミナ回復量が1000%上昇。】

【警告:使用者の筋肉に極度の物理的負担。効果終了時、生命力の大幅な枯渇による反動(バックラッシュ)が発生します。】


生々しく、水膨れができそうな深紅のエネルギーの衝撃波がマーカスのコアから噴出した。火傷の痛みは消え去り、代わりに血を沸騰させるほどの強烈なアドレナリンのラッシュが押し寄せる。筋肉が膨張し、かつて経験したことのないレベルの純粋な物理的パワーで満たされ、暗いタクティカルスーツから激しく蒸気がシューシューと吹き出した。


ドガァァン!!

『暁の審判』が闘技場の中央に激突した。白い炎の壊滅的なドームが砂を飲み込み、地面を液状のガラスへと溶かす。観客は目を覆い、巨大な円形闘技場を揺るがす爆発に恐怖の息を呑んだ。


VIPロッジでは、アンソニー卿がのけぞって狂ったように笑い、バルコニーに拳を叩きつけた。「そうだ! 奴は灰になった! 言っただろう、ソラスは絶対に失敗しないと!」

しかし闘技場の下では、目を眩ませる光が薄れ始める中、ソラスは眉をひそめていた。クレーターは完全に滑らかで、赤熱して輝いている。だが、灰はない。死体もない。


「俺をお探しかい?」

その声は影から聞こえたのではない。彼の真上から聞こえた。

ソラスは勢いよく顔を上げた。マーカスは本物の太陽を背にシルエットとなり、はるか上空に浮かんでいた。忍者はテレポートしたわけではない。カルダーの『カロリー・オーバードライブ』によって強化された彼の純粋な物理的敏捷性が、単純に音速の壁を突破したのだ。彼は着弾の1ミリ秒前に爆発範囲からダッシュし、落下する瓦礫を足場にして空高く飛び上がったのだ。


「馬鹿な!」ソラスは叫び、その穏やかな仮面が純粋なパニックによって粉砕された。光の魔導士は狂ったようにクリスタルの杖を掲げた。


≪システムハブ:スキル発動≫

【スキル:太陽の盾(イージス・オブ・ザ・サン - 絶対光障壁)】


魔導士の周りに、固形化された黄金の光の分厚い多層シールドが実体化した。それはドラゴンのブレスにすら耐えるように設計された防御だ。

マーカスは気にも留めなかった。背中から『ナイトファング』を抜く。アビサル・アズライトの刃がブンブンと鳴り、彼が急降下するにつれて深い青色の静脈が脈打った。

重力が彼を捉える。マーカスは両手で柄を握りしめ、筋繊維が悲鳴を上げる中、歯を食いしばった。彼は『カロリー・オーバードライブ』を絶対的な限界まで押し上げ、その怪物的にブーストされた物理的筋力の一滴残らずを、破壊的な頭上からの唐竹割りに注ぎ込んだ。彼は剣の魔法特性に頼っているのではない。純粋な腕力と止まらない意志だけに頼っていた。


「斬れ」マーカスは唸った。


アビサル・アズライトが太陽の盾に衝突する。1マイクロ秒の間、2つの力が激突した。そして、圧倒的な運動エネルギーが戦いを制した。破壊不可能とされた光の障壁は、マーカスの純粋な物理的パワーの下で薄いガラスのように歪み、砕け散り、無害な黄金の火花のシャワーとなって爆発した。

針の穴を通すような外科的な精度で、マーカスはスイングの途中で手首をひねった。『ナイトファング』の柄頭(ポンメル)の平らな部分が、ソラスの胸に残酷に激突し、肋骨にヒビを入れ、肺から空気を搾り出した。運動エネルギーの衝撃は、光の魔導士を撃ち落とされた鳥のように闘技場の床へと落下させた。彼はガラス化した砂に激突し、二度バウンドして、完全に気絶して停止した。


ソラスが気絶したことで、『輝く領域(ラディアント・ドメイン)』は即座に崩壊した。

目を眩ませる光が消え去る。コロシアムの自然な影が流れ込み、砂の上に伸びていく。マーカスのブーツの下の暗闇から、影の守護者ゴブリンが飛び出した。それは星の金属のバックラーとトゲ付き棍棒を空に向かって掲げ、純粋で勝利に満ちた喜びの叫びを上げた。


マーカスは砂の上に着地し、3分間が経過して肉のバフが切れるにつれて、スーツからゆっくりと蒸気が消散していった。

突然、刺すような、耐え難い痛みが彼の全身の繊維を貫いた。脚がほんのわずかな間震え、まるで魂そのものが吸い取られたかのような、圧迫感のある疲労感が彼を襲った。システムは極度の物理的負担について嘘をついていなかった。重く、荒い息を吐きながら、彼は鋭く冷たいクリック音と共に『ナイトファング』を鞘に収め、観客に弱みを見せないように歯を食いしばった。


「この試合の勝者は……マーカス!」アナウンサーが咆哮し、その声は信じられないという思いで震えていた。「君主(ソヴリン)が準々決勝に進出! 彼の本日の試合はこれで終了です! 紳士淑女の皆様、そのまま席でお待ちください。他のブロックの試合もすぐに再開されます!」


円形闘技場が爆発した。5万人の人々が忍者の名前を叫び、石のスタンドが揺れるほど足を踏み鳴らした。

出場者用トンネルの下では、カルダーがアーチから身を乗り出し、巨大な肉切り包丁を空中で振り回していた。「言っただろうが、この傲慢な影のゴブリンめ!」シェフは群衆の轟音に負けじと吠え、満面の笑みを浮かべた。「美味い飯には勝てねえんだよ!」

マーカスはなんとか引きつった笑みを浮かべ、トンネルに向けて2本指で敬礼をした。


VIPロッジでは、雰囲気が劇的に異なっていた。アンソニー卿は完全に麻痺し、青白い顔は怒りと恐怖の混ざり合った表情に歪んでいた。彼は指の関節から血がにじむほど強く石の手すりを握りしめていた。「いや……いや! こんなことがあってはならない! 俺の投資が!」

突然、VIPボックスの重いマホガニーの扉が開いた。深紅のクロークを羽織り、計り知れない、押し潰すような権威のオーラを放つ、背が高く肩幅の広いロード(卿)がロッジに足を踏み入れた。


まだ闘技場に立っていたマーカスは目を細めた。彼は密かに自分のマナを闘技場の壁に伸びる影に滑り込ませ、『影の盗み聞き』をアクティブにして耳を傾けた。

しかし、彼の影がバルコニーに到達した瞬間、鋭い静電気のフィードバックが彼の精神を打ち、接続を切断せざるを得なかった。


≪システムハブ:警告≫

【効果:音声知覚がブロックされました。高位のプライバシー結界を検知しました。】


マーカスは舌打ちをし、明らかに苛立っていた。「耳を塞ぐことはできても、目は塞げないぜ」彼は囁いた。


≪システムハブ:スキル発動≫


使用者: マーカス | スキル: 鷹の目


彼の視界が劇的に拡大し、絶対的な明瞭さでVIPボックスにズームインした。マーカスは新しいロードの唇に焦点を合わせ、その会話の一言一句を解読しようと構えた。しかし、恐ろしいほどの第六感と並外れたマナ感知能力を持つ深紅のクロークの男は、瞬時に凍りついた。

彼はゆっくりと闘技場の方を向き、数百メートル離れた場所からマーカスと目を合わせた。氷のような冷静さで、ロードはクロークの中に手を入れ、エレガントな銀色のハーフマスクを取り出した。彼はそれを顔に当てて口元を完璧に覆い、読唇術を完全に不可能にした。直後、彼はアンソニーの喉首を掴み、聞き取れない言葉をいくつか発すると、ゴミ袋のように無慈悲に彼をロッジから放り投げた。


マーカスはスキルを解除し、面白そうにニヤリと笑いながら凝り固まった首をさすった。「賢いな」彼は独り言を言った。


石の廊下を引きずって歩く彼の筋肉は、酸に浸されたかのように燃えていた。そこにカルダーが追いついた。

「俺はここに残るぜ」シェフは太い腕を組んで宣言した。「明日の対戦相手が誰になるか見極めるために、他のブロックの試合を研究しておきたいんだ」

マーカスはしばらく石壁に寄りかかり、重く息を吐いた。疲労で視界がぼやけている。「好きにしろ。だが警告しておくぜ、シェフ……あんたのあの奇跡の肉には壊滅的な副作用がある。筋肉が燃えるように痛くて、立っている気力すらない。俺は真っ直ぐ宿屋に帰って寝る」

「強力な代物だって言っただろ!」カルダーは笑い、マーカスを倒れそうになるほどの重いが友好的な力で肩を叩いた。「しっかり休め、君主(ソヴリン)。明日はお前の影が必要になるんだからな」


エランドールに太陽が沈み始め、石畳の路地に長い影を落としていた。マーカスは、闘技場のカオスの後の静寂を楽しみながら、人里離れた通りをゆっくりとしたペースで歩いていた。

突然、彼の目の前の空気が暴力的に歪んだ。

複雑な空間魔法の閃光が路地を照らし出し、深紅のクロークと銀色のマスクを身につけたロードのそびえ立つ姿が瞬時に実体化し、彼の行く手を遮った。


影の守護者ゴブリンがマーカスの足元から顔を出し、トゲ付き棍棒を握って低く唸ったが、幻影の君主は怯まなかった。極度の疲労にもかかわらず、彼は両手を戦術ポケットに無造作に突っ込んだまま、その男から本当の脅威や殺気を全く感じ取っていなかった。


「もしかして、迷子かい?」マーカスは、トレードマークの傲慢な笑みを浮かべて首をかしげた。

ロードはゆっくりと銀色のマスクを外し、年齢を重ねているが誇り高く権威のある顔立ちを見せた。彼は敬意を込めて頷いた。


「アンソニー卿の不名誉な振る舞いについて、謝罪を申し上げる」その男は始め、深く落ち着いた声が路地に響いた。「私はアリスター卿。大武闘大会の最高監督者の一人だ」

「謝罪は受け入れよう。だが、アンソニーはただの熱心なギャンブラーってわけじゃなかったみたいだな」マーカスは目を細めて答えた。「あのダンジョンへの入場権を確保することに、異常なほど必死だった」


アリスター卿はため息をつき、胸の前で腕を組んだ。「お前は鋭い目を持っているな、少年。アンソニーは名誉や金のために大会で勝ちたがっていたわけではない。彼の息子、非常に将来有望なSランクの戦士が、去年天空の迷宮に入り……そして二度と戻ってこなかった。アンソニーは最高の傭兵を送り込んで、彼を見つけ出そうとしていたのだ」


その言葉はマーカスに強く響いた。即座に、忍者の心はカルダーと、同じくあの巨大な構造物に消えたシェフの行方不明のパーティーへと飛んだ。

マーカスは腕を組んだまま眉をひそめた。「待ってくれ。あんたやギルドが見知らぬ他人に投げ捨てるほど何百万ルーメンもの資金を持っているなら……なぜ軍隊ごと雇ってあのダンジョンに送り込まないんだ?」


アリスター卿の表情が硬直した。「なぜなら、尖塔のルールは絶対的であり、システムそのものによって定められているからだ」彼は重苦しく答えた。「天空の迷宮の門をくぐるための最大上限は、『正確に3人』のパーティーだ。1人でも多くてはいけない。信じてくれ、我々は何度も何度も挑戦し、最高の3人組、重武装の恐るべき部隊を送り込んだ……だが、すべて無駄だった。彼らは雲に飲み込まれ、二度と姿を見ることはなかった」


「で、あの上には何があると思ってるんだ?」筋肉の痙攣にもかかわらず、マーカスは一歩近づきながら尋ねた。「なぜ誰も戻ってこない? 何か仮説はあるのか?」


アリスター卿は、エランドールの屋根の上にそびえ立つ天空の迷宮の巨大な影を見つめながら、彼を真っ直ぐに見た。「我々主催者にとって、これは苦い告白だが……確かなことは誰にもわからない」ロードは、何世紀にもわたる疲労がこもったトーンで認めた。「しかし、仮説は立てている。我々が希望としてしがみついている唯一の妥当な仮説は、雲の上に別の文明が存在するということだ……何らかの理由で、誰も下界に戻って彼らのことを話すのを許さない、高度な文明が。彼らはそこで囚われているのだと」

ロードは言葉を切り、視線を落とした。「残念ながら、否定的な仮説は……彼らが単に全員死んでいるというものだ」


路地は数瞬、完全に静まり返り、ゴブリンのしゃがれた呼吸音だけがそれを破った。

「それで、今年は何か変わるとでも期待してるのか? なぜわざわざ俺のところへ来て、こんなことを話すんだ?」ついに忍者が尋ね、緊張を破った。


アリスター卿は誇り高い姿勢を保った。「お前だけだと思わないことだ、少年。私はこの大会の最終ステージに到達した、最も有望なすべての競技者に直接自己紹介している。我々には答えが必要であり、お前たちの中で勝った者がこの重荷を背負うことになる。もしお前があのダンジョンの終点に到達し、アンソニー卿の息子を連れ戻すことができれば、ギルドはお前に100万ルーメンという驚異的な報酬を与える。もし、代わりに生きて戻り、天空大陸に本当に何が隠されているのかについての重要な情報をもたらすだけでも、20万ルーメンを受け取ることになる」


マーカスはその提案を聞き、その数字の圧倒的な重みを吸収した。100万ルーメン。国を丸ごと転覆させたり、Sランク傭兵の連隊を買うのに十分な、絶対的に天文学的な金額だ。

マーカスは黙ったまま、ロードを長い間見つめた。そして、彼のトレードマークである傲慢な笑顔がゆっくりと消えていった。


「その話は大会が終わった後にしよう、アリスター卿」ついに忍者は答え、背を向けて宿屋への足取りを重く再開した。「俺が勝つことが前提だがな」

ロードは頷き、再び空間魔法の閃光と共に姿を消した。


一人取り残されたマーカスは、痛む体を引きずって暗い路地を進んだ。角を曲がり、誰の視界からも外れた途端、彼の表情は暗くなった。彼は、エランドールの星空を突き刺す尖塔の巨大な影を見上げた。それは街の上に死刑宣告のようにそびえ立っていた。


重武装のエリート部隊。恐るべきSランク戦士たち。そして、何年もの間、誰一人として戻ってこなかった。

この大陸に足を踏み入れてから初めて、筋肉の痛みが骨を焼く中で、マーカスの胃袋を冷たく重い、本物の恐怖の結び目が締め付けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。