第19章:分断された仲間たちの死闘! ウザかった忍者の少年が世界樹の加護で隠しクラス【幻影の君主】に覚醒し、階層ボスを従魔にする件 ~その時、主を失った最強の魔獣たちが涙と共に現れる~
ゴランの声のこだまは、一瞬にして暗闇に飲み込まれた。瘴気の亀裂は通過不可能な壁のようにそびえ立ち、巨大な木こりをグループの他のメンバーから完全に切り離してしまった。
人間の盾を失ったアナベル、マーカス、ゴリアテ、ポール、そしてギャレットは、無傷で残された唯一の石の回廊へと急いで撤退することを余儀なくされた。彼らが息をつく暇もなく、影が命を宿した。
地震の轟音に引き寄せられた鋭い爪を持つグレード2の魔物、【黒曜石の捕食者】の群れが壁から飛び出してきたのだ。
パニックに陥ることを拒み、グループは致命的な相乗効果を見せた。
ゴリアテが竜鱗の盾を地面に突き立てて金属の山のように正面からの突撃を吸収する間に、アナベルが【ヴァルキリーの祝福】で全員を強化した。
ギャレットが【爆轟のコアハンマー】を振り回し、火山の炎の爆発で魔物の前線を粉砕する。混沌の中、3匹の捕食者が天井から降ってきて、後衛を真っ直ぐ狙う奇襲を試みた。
躊躇することなく、マーカスは彼らに向かって空中に飛び出し、腕を交差させ、敵の怒りを引きつけるための無防備な餌として自らを差し出した。同時に、ポールは回廊の床にしっかりと足を据え、刃に暗黒の炎をチャージした。魔物の爪が空中で少年の体を八つ裂きにするほんの一瞬前、二人は【空間転換の指輪】を作動させた。
紫色の閃光の中で、空間が歪む。
突然、ポールが飛行中の空中に実体化し、自身の巨大な体重を乗せた致命的な暗黒の斬撃を振り下ろし、二匹の獣を綺麗に真っ二つに切り裂いた。戦士が少し前までいた床に安全に再出現したマーカスは、後方へダッシュし、爆発手裏剣の雨で最後の生き残りにトドメを刺した。脅威は数秒で完全に消滅した。
「止まるな」ポールは刃から血を振り払いながら命じた。「下へ降り続けるぞ」
彼らは暗闇を深く進み、曲がりくねった巨大な階段を降りていった。しかし、ダンジョンの建築様式は彼らの目の前で狂い始めていた。灰色の石や玄武岩は次第に姿を消し、有機的で不穏な何かに取って代わられていた。監視塔ほどの太さがあり、鋼鉄のように硬いタイタンのような根が、壁や床を突き破り、病的な、かすかな紫色の光を脈打たせていた。
彼らは強行軍で4つの地下フロアに相当する距離を突破し、やがて巨大な交差点へと出た。彼らの前で、洞窟は5つの暗いトンネルに枝分かれしており、それぞれが異なる濃度の有毒な霧にむせ返っていた。
ギャレットは重いハンマーを下ろし、汗だくの額を拭った。
「くそっ。とんでもない迷路だ。どっちに行けばいい?」
アナベルは最も近い壁に歩み寄り、杖の先で巨大な根の石化した樹皮を撫でた。
「これは世界樹イスリルの根よ……。瘴気が内側からこれらを感染させているの」エメラルド・ヴァルキリーは暗闇を見つめながら呟いた。そして、彼女は中央のトンネルを指差した。
「もし私たちがゴランと再会する希望を持ちたいなら、闇雲にさまよってはいけないわ。最も太い根をたどりましょう。それは必然的に源へと導いてくれるはずよ」
「理にかなってる。目を光らせておけよ」ポールが同意し、陣形の先頭に立った。
下降は過酷な試練へと変わった。中央のトンネルを進むにつれ、空気は灼熱となり、圧迫感を増していった。地下6階層に到達した時、彼らは耳をつんざくようなシューという音に出迎えられた。巨大な根の隙間から這い出してきたのは【瘴気の這う者】――グレード2のホラーで、酸性の煙を吐く能力を持っていた。
ゴリアテは岩の自然なボトルネックに陣取った。タイタンのような咆哮と共に【絶対防御】を展開して巨大昆虫の衝撃波を物理的に食い止め、その間に盾の後ろに守られたギャレットとポールが、暗黒の炎と爆発的な打撃で生物を引き裂いていく。アナベルは一秒たりともマナの供給を止めず、感染した傷をリアルタイムで治療し続けた。
さらに下へ。第8階層。第9階層。
階段を下りるたびに、汗と血の対価を払う征服戦だった。回廊はますます敵対的になり、マーカスがステルス先兵として機能することを余儀なくされた。忍者は致命的な腐食性の罠を解除し、警報を鳴らされる前に二体の巨大な【玄武岩の守護者】を音もなく毒殺した。
しかし、第11地下階層となるはずの場所に到達した時、風景は完全に崩壊し、マッピング不可能な次元のもつれを生み出していた。
≪システムハブ:マッピングエラー。未知の階層。ダンジョン構造が侵害されています。≫
彼らはついに、他に見える出口のない巨大な円形の洞窟へと出た。
中央には、弱く病的な光に照らされて、彼らを困惑させる姿があった。それは、身長わずか1メートルほどの小さなゴブリンだった。
完全に無害で、ほとんど滑稽にさえ見えた。頭には反抗的な金髪の奇妙な房があり、節くれだった手には太い鉄のスパイクで覆われた粗末な木の棍棒を握っている。
しかし、その周囲の空気は息苦しいほどの魔力で振動していた。
≪警告:ボス遭遇 ―― 【影の守護者ゴブリン】(グレード3クラス)≫
「グレード3の魔物が……あんなに小さいのに?」アナベルは杖を強く握りしめながら囁いた。
彼らの存在を感知した瞬間、小さなゴブリンは真っ直ぐに突撃してくることはなかった。首をかしげると、流れるような不自然な動きで後ろに倒れ込み、床にある自分自身の影の中に沈み込み、文字通り溶け込んだのだ。
「どこへ行った!?」ギャレットがハンマーを振り上げて唸った。
答えは、鍛冶師自身の影から現れた。
ゴブリンは銃弾のような速度でギャレットの背後の暗闇から飛び出し、木の棍棒でクリーンな一撃を見舞った。その衝撃は生物のサイズとは完全に不釣り合いなほど壊滅的で、巨像を鈍い呻き声と共に岩壁へと吹き飛ばした。
ゴリアテが即座に介入し、正面からの強襲を吸収しようと盾を掲げたが、ゴブリンは分裂した。5つの完璧な影のクローンが地面を滑り、タンクを包囲して死角から同時に攻撃し、彼の巨大な体をばかばかしいほど容易にすり抜けた。
ポールが唸り声を上げた。刃に暗黒の炎をチャージするが、小さなボスはすでに彼をロックオンしていた。闇の中に沈み込み、斬撃を回避してポールの上空に出現し、暗黒のマナを込めた膝蹴りで戦士を折り曲げた。
「止まれ! 闇雲に攻撃するな!」マーカスが叫び、影の斬撃を避けるために後方へ跳んだ。
若き忍者の目は丸くなった。仲間たちが次々と倒れていくのを見て、彼らが圧倒されているのは腕力ではなく、戦場に対する絶対的なコントロール力によるものだと悟った。ゴブリンはただ戦っているのではない。アエテルガルドの古い伝説でしか語られない、最高峰の影の技術を絶対的な熟練度で実行しているのだ。
マーカスは【鷹の目】をアクティブにし、自身の知覚を限界まで押し上げた。ゴブリンが影の間を舞い、混沌を引き起こしている中、マーカスは自分を守る方法を考えるのをやめ、観察し始めた。
すべてのステップ、すべての筋肉の動き、クリーチャーが暗黒のマナを曲げて環境と融合する正確な方法を記録した。
彼の呼吸が、小さなボスの目に見えない動きと同調していく。マーカスは両手を上げ、同じポーズを再現し始めた。彼の指はかすむほど速く動き、人間離れした速度で一連の印を結び、闇への理解を未踏の高みへと押し上げていく。
彼は、魔物が攻撃のたびに無意識のうちに彼に教えている教訓を吸収していたのだ。
ゴブリンが再び現れ、ゴリアテにトドメを刺そうと棍棒を振り上げたが、その軌道上にマーカスが立ち塞がった。今度は、忍者はクナイを使わなかった。彼は目を閉じ、自らを闇そのものへと滑り込ませ、たった今垣間見た技術を必死に応用しようと試みた。
正確にその瞬間、スパイク付きの木が彼の頭蓋骨を砕こうとした時、ダンジョン内の何かが、生き延びたいという彼の絶望的な意志に呼応した。
壁から突き出たイスリルの巨大な根がエメラルドの光で脈打った。世界樹は聞いていた。守護者のために戦う者に、報いようとしていた。
不自然な温もりがマーカスの血管を満たし、彼の影への理解と融合した。棍棒が彼の頭を割ろうとしたまさにその瞬間、マーカスの体は黒い煙へと変貌し、武器を無害にすり抜けさせた。
≪システムハブ:世界樹の干渉を検知≫
世界樹の意志は、あなたが自然の守護者と結んだ絆を承認しました。
隠し条件達成:極限の霊的親和性および闇の技への理解。
プライマリ・クラス進化:【忍者】 → 【幻影の君主】
固有クラススキル解放:≪影の契約≫
エメラルドの火花を散りばめた圧迫的な紫色のオーラが、マーカスの体から爆発した。彼はカッと目を開き、その瞳は霊的な光で輝いていた。少年は自身の影から立ち上がり、黒い脈を持つ二本のクナイを抜いた。
「下がってろ」マーカスは命じた。その声は今や、底知れぬこだまを帯びていた。「こいつは俺の獲物だ」
ゴブリンは彼を見つめた。金髪の房を持つ首をかしげ、自身のオーラに匹敵するオーラを初めて認識したのだ。獣は棍棒を叩き、前へ突進した。
その後に続いたのは、催眠的で致命的なダンスだった。
両方の闘士が闇の中へと姿を消す。洞窟には、マーカスのクナイが空中でゴブリンの棍棒を弾く、鈍い金属音だけが満ちていた。
ゴブリンが背後から致命的な一撃を放つが、マーカスは煙となって溶け、敵の上空に出現してマナを込めた踵落としを叩き込む。怪物は8体の影のクローンを召喚した。マーカスは引かない。彼も自身のクローンを召喚したが、今度はファントム・ソヴリンの強化されたコピーだった。ダンジョンの壁を震わせるような、混沌とした影の乱闘が引き起こされた。
彼らは互いを鏡のように映し出していた。しかし、ゴブリンが魔物の本能に頼っていたのに対し、マーカスはそこに人間の頭脳による戦略的計算を組み合わせていた。
決闘は最高潮に達した。ゴブリンはしびれを切らし、戦いを終わらせようとした。部屋の中央にある広大な闇のプールに沈み込み、破壊的な螺旋状のカチ上げ攻撃をチャージした。
だが、マーカスはその正確な動きを予見していた。棍棒が床から突き出た時、ファントム・ソヴリンは後方へ回避しなかった。彼は前へダッシュし、魔物が現れようとしているまさにその影の中へ、文字通り飛び込んだのだ。
自身の領域を逆手にとられ、マーカスは暗黒の次元の内部でゴブリンの腕をフックした。電光石火の回転と体重移動で、彼は棍棒を吹き飛ばすクリーンな蹴りを放ち、敵の武装を解除した。その一瞬後、両者は暴力的に物理次元へと浮上した。
ゴブリンは玄武岩の上に仰向けに着地した。再び融合する前に、マーカスがその上に馬乗りになり、クナイの刃を敵の喉元に真っ直ぐ押し当てた。
しかし、マーカスは動物のように縛り付けるための鎖を使わなかった。ファントム・ソヴリンは自身の親指を噛んで血を一滴滴らせ、魔物の顔のわずか1ミリ横の暗い床に手を押し当てた。
「俺はテイマーじゃないし、お前は駄獣じゃない」マーカスは力強い声で宣言した。「お前は影の精霊だ。俺の力を認め、俺と『血の契約』を結び、俺の隠し刃となれ。共に、この瘴気を拭い去ろう」
小さなボスは彼を見た。マーカスの新しいクラスの権威と、彼を包む世界樹の残存パワーを感じ取ったのだ。
クリーチャーはもがくのをやめた。ゴブリンは鋭い歯を見せて笑い、頷くと、血まみれのマーカスの手に自分の節くれだった小さな手を重ねた。
≪システムハブ:影の契約が結ばれました≫
【霊的従魔獲得】:影の守護者ゴブリン(グレード3クラス)。
ゴブリンはゴランの魔物たちのように胸に吸収されることはなかった。代わりに、それは暗い霧へと溶け、マーカスの足元へと滑らかに流れ込み、少年が玄武岩の床に落としていた影と融合し、不自然に長く伸ばした。
洞窟に絶対的な沈黙が落ちた。マーカスはクナイを鞘に収め、立ち上がった。ハブの黄金のホログラムが不可能を裏付ける中、彼の胸はリズミカルに上下していた。彼は古代の忍術を通じて、戦士の悪魔を自身に縛り付けたのだ。
ポールは剣に重く寄りかかり、土埃の塊を地面に吐き捨てた。「致命的なグレード3の魔物が……クナイを持ったガキの影に閉じ込められちまったか」ポールは笑い声を上げた。「まあ、小僧。こいつは明らかに運命だったんだな。お前が縛り付けることに成功した唯一の精霊が、お前と全く同じ、そのふざけた反抗的な金髪の房を持ってるんだからな」
アドレナリンがついに引き始めると、アナベルが前に進み出て、負傷者に惜しみなくポーションを分け与え、彼らの傷を癒やしマナを回復させた。
だが、休戦は長くは続かなかった。
突然、ダンジョンが真っ二つに割れんばかりに軋んだ。耳をつんざくような轟音――純粋な運動エネルギーの爆発――が、地球の底から反響してきた。ほんの数分の一秒、火山岩の壁の隙間から目も眩むような青い閃光が漏れた。ゴランの藍銅鉱の斧の光だ。
しかしそれは、その場にいる全員の息の根を止めるほどに凍てつく、腐敗した瘴気を運ぶ衝撃波によって即座にかき消された。
5人は、不安に満ちた視線を交わした。
「あれはゴランよ……」アナベルは胸を強く押さえ、囁いた。
言葉はもう必要なかった。守護者が原初の脅威に対してタイタンのような規模の戦いを繰り広げていることを。
しかし、彼らがどうやって彼のもとへ行くか考え始める前に、目の前のトンネルの暗闇が引き裂かれた。
現れたのは、巨大な木こりではなかった。
不規則な青い電気の閃光を放ちながら、ボルトが玄武岩の上を絶望的に滑りながら洞窟に飛び込んできた。
その後ろには、威圧的な【アイアンハイド・ベヒーモス】、【ブラッドドラゴン・アサシン】、そして巨大な【タイタンボーン・ナイト】が続いていた。
4体のタイタンのような獣たちは、突撃してきているのではなかった。彼らは荒い息を吐き、深い切り傷に覆われ、そして彼らの目には、今まで誰も見たことのない感情が宿っていた。
純粋で、盲目的な恐怖。
ボルトは地面に両前足を突っ張り、胸を張り裂けんばかりの遠吠えを上げた――イスリルの腐敗した根を震わせるほどの、苦痛と絶望に満ちた叫びを。
グループに沈黙が落ちた。マーカス、ポール、ゴリアテ、ギャレット、そしてアナベルの血管で血が凍りついた。彼らは信じがたく、恐ろしい真実に気がついたのだ。
魔物たちは攻撃してきたのではない。彼らは助けを求めて逃げてきたのだ。
あの絶対に破壊不可能なゴランが、倒れたのだ。




