しゃるる は ゆうじょう を てにいれた
「ところで、その女生徒はどうしたんです?そういえば最近見かけませんね。」
若君のティータイムに呼ばれ、ジュリア嬢と若君の話を聞く。大公家自慢の品々は実に美味しい。
「別に?お金払ってごめんなさいしたよ。もとはといえば僕が悪いしね。それに大公家の若君の愛人になることがどれだけ割に合わないか身を以て理解したみたい。あの子に何もなかったのはジュリアがいたからだから。いなくなったらもうそりゃねえ。」
若君はお茶を飲む様も神々しい。言っていることは大分俗っぽいが。
「それで、僕はお役に立ったんでしょうか?」
「ふふふ。思い出しても笑えてくるよ。面白かったなぁ。アイリーン嬢全然動じないんだもの。僕より可哀想なやつがいるって思わず泣きそうになったよ。」
天使のような顔を綻ばせ、花が咲いたような笑顔を見せてくれた。
満面の笑みを引き出した僕に従者はサムズアップしてきた。楽しそうで何より。
僕の様々な思いを込めた視線に気付いたのか、慌てて謝ってきた。
「ごめんごめん。君はともかく、アイリーン嬢を傷付けるつもりはなかったんだ。本当にごめん。」
こういう素直なところが若君の嫌なところだ。本当にイヤな奴だったらさっさと切り捨てられるのに。
「おかげでね、ジュリアが少し元気になったんだ。私もアイリーン嬢みたいに、言ってやれば良かったって。こっちから願い下げだってね。」
優しい顔で言う若君は本当に美しい。まるで天使だ。
ただ願い下げまでは僕は言われてないぞ。
「ま、出てきてさえくれれば僕のもんだ。二度と離れないように洗脳してやろう。」
瞬間ゲスくなった。さすがだ。
若君はジュリア嬢が元気になったことで落ち着いたらしい。全力の祈りは報われたようだ。
僕の捨て身の婚約解消騒ぎを評価してくれた若君は、この借りを一生かけて返してくれるそうだ。正直有り難いとは言いづらい。
従者いわく、大公家の方々は愛情深いのだそうだ。ちょっとやそっとのことじゃ、解放してもらえないから覚悟するようにと言われた。それ愛情なの?
ブックマーク、ポイント評価等々ありがとうございます。
自己満足の駄文に嫌気がさすばかりですが、読んでくださる方がいるのは嬉しいものですね。
もう少しですのでお付き合い頂けますと幸いです。
次回、突如「きらきらコウモリ」を歌い出し女王の怒りを買った若君のイカれた茶会が繰り広げられる。果たしてシャルルは無事帰還できるのか…!
(本編の内容とは関係ございません。)




