仲直り
朝、窓から差し込む日差しによって目が覚めた。彼女はベットの枕元近くに座って私の顔を見ている。
「おはよう。」
「おはようございます。ご主人様」
「またせちゃったかな?」
「いえ、私もさっき起きたところです。寝顔が安らかだったので、起こすのも悪いかと思い、待っておりました」
寝涎なんて垂れてなかったかな。手で確認せずにはいられない。
「今日は何をしようか」
「昨晩、私のクリーニングキットを回収してきましたので、私を綺麗にする方法を覚えてみませんか?」
私はドキドキしながらも、案外早く寝てしまったらしい。少し恥ずかしい。でも、掃除方法は覚えておいて損はないだろう。
「私に教えてくれるかい?」
「はい!喜んで!」
彼女の手にはいつの間にか銃が握られている。私があの日、殴られたのと同じ型だ。
「安心してください。弾は抜いてあります」
この銃は小さい。映画なんかんかで見た銃よりもずっと。でも、実際に握ってみてその小ささに反した重さに驚く。
「まずは簡単な所から説明しますね」
彼女は私の横に腰かけ、私の右肩にすり寄るように密着して説明を始めた。ドキドキする。
「この穴を通って弾が出るんです。でもこの中に弾のカスや火薬の残りなんかが溜まることがあるので、このロッドで綺麗にします」
差し出されたのは、洗面所のパイプを掃除するブラシを小さくしたようなもの。
「中に傷がつくといけないので、ゆっくり優しく出し入れしてあげてください。」
まるで人のように言っているが、彼女にとってこの銃は自分そのものと変わらないのだろう。
「どうかな?」
「お上手です。きっと彼女も...」
トントン
お客さんかな?掃除途中の銃を彼女に預けてドアに向かう。
「はい。どなたでしょうか」
「おはようございます。お食事の用意ができましたので、そのお知らせに」
昨日、首を絞められたお姉さんだった。首には跡を隠すためだろう包帯がまかれている。
つかつかと扉をくぐり、お姉さんが銃の女の子に近づく。一触即発と言った風だ。何か起こる前に間に入ろうか
「昨日は貴方にひどいことを言ってしまって、ごめんなさい」
さすがお姉さん!!あの子はちゃんと会話できるだろうか
「私の方こそ首を絞めてしまってごめんなさい」
よし!!いいこだ!!彼女もこっちを向いてニコニコ笑顔だ!
「ちゃんと、ごめんなさいできてえらいぞ!」
その後、頭を撫でたら彼女はくすぐったそうにはにかんだ。




