分類目録
王宮で作成される複本は、それ専用の用紙を用いて作られるのだとか。
もちろん、装丁も。
……お札並みじゃない? その扱いって。
それだけ貴重ってことなんだろうけど……
ここが王宮だから、なのかな?
「……ちなみに、原本の方は、どうやって見分けられるのでしょうか?」
「原本は、基本的に外には出しませんから」
「でも、たとえば複本を作ってる時に、うっかり破けちゃったり、製本が壊れちゃったりとかしたら、修理しますよね? ここで修理するんですか?」
あと、考えたくないけど、盗まれちゃったりとか、何かの災害で書庫が壊れちゃったりとか。
……想定してないのかな、そういう事態。
「確かに、再製本が必要なほどの修理は外に出しますが、めったにそんな事態は……ああ、そういえば」
何なに?
「書籍に限ったことではありませんが、国有財産の一部とか、王室所有財産には、魔法で目印が付いているとか。もちろん、一見判らないように、だそうですが」
……また魔法か。
まあ、想定してなかったあたしが悪いのかもしれないけど。
「なるほど。……でも、全部、ではないんですよね?」
「はい、おそらく。どういう仕組みか、とか、誰がその印を付けるのか、とかいったことは、わたくしにはわかりかねますが」
機密保護ってやつだよね、たぶん。
まあ、魔法の事は専門家に訊ねよう。教えてくれるかどうかわからないし、説明が理解できるかどうかもわからないけど。