3/10
参音
叫ぶ様な音が目の前を列車と共に突風を引き連れ抜けていく。踏切前に立つといつもそう思う。叫ぶ声が怨嗟のように思える。頭の上をいつまでも叫び声が通過する、列車の車輪がローラーカッターの様に駆け抜けていく、視界が列車の車体で隙間から向こう側が瞬間瞬間切り取られた画像の様に見える。目を疑った、髑髏がその穴の開いた眼球をこちらに向けているまだ、列車は金切り声を上げながら通過している。車輪の間から手が伸びて来る、振り払おうとする。思わず隣に立っていた女子高生に目をやった、心臓が止まりそうになった、胴から上が無い、思わず吐きそうになり、後ずさりすると、踏切待ちしているバイクに当たった。振り返ると脳漿が垂れている男性が二ッと笑った。同じく踏切待ちの車運転席には血みどろの叫び声をあげている女性が外にも聞こえる音量で叫んでいた。何が、どうなっているんだと思って、まだ通過中の列車を見てみると先程の髑髏が列車の向こうからすり抜け、いつの間にか目の前に立っていた。
ああそうだ、思い出した俺は絶望して列車に飛び込もうとしていたんだ。
迎えに来てくれたんだ、そう思いながら手を引かれるままついて行った。
叫ぶような音が目の前を列車と共に突風と俺を引き連れていく。
拙作に目を通していただき有難うございます




