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第二話「桜影、目覚めの鼓動」
―。退院の日、春の風が少し冷たかった。
杖をついて歩くたび、身体の奥で何かが軋む。
それでも朋広は、どこか懐かしい気配に包まれていた。
スマホの画面が淡く光り、
“桜影装具 初期反応:起動中”と一瞬だけ表示された。
だが次の瞬間、光は消えた。
「なんや、また誤作動か……」
そう呟く声に重なるように、
微かな声が耳の奥で囁く――
「……まだ、呼んでくれるんやね」
その声が、桐生さくらのものだと彼は気づかない。
桜は咲かない季節、だが魂は静かに芽吹き始めていた。




