天界開放大戦⑥
ついにこの日が来た。
明けない夜はないと、誰かがそう言った。
その通りだろう。
ただ、夜が明け、朝日が昇ろうともその朝日に肌を焦がせない者がいる。
それを人は、悪と呼ぶ。
神は皆に平等に朝日を与えるが、人はそれを拒む。
己と同じ志を持つ者のみに、日の恩恵を与えようとする。
悠久の時の中に、楽園を自分で築こうとする。
神の創りし楽園の中に楽園を築くということはどれだけ愚かなことだろうか。
神の与えし現世に足らず、原型をとどめない歪な幻想世界を築く。
「神は眠りにでもついているのだろうか?何故、この世界を見て何も思わないんだ」
教会で祈りをささげようと、その願いが神に届くことは永遠にないだろう。
己で剣を振るわない限り、雷が敵を焼き殺すことも、猛た波が敵を国ごと飲み込むこともない。
だから人は立ち上がるのだ。望む世界をつかむために、夜明けを迎えるために。
~天界解放戦線拠点~
「エース、起きたか」
椅子に座るガブリエルがいた。
「もうすでに、政府の施設内の屋外演説会場への入場が始まっている」
「既に複数のグループが観客に紛れて潜伏している」
「俺たちも行くぞ」
エースは力強く頷いて返した。
客室の扉からすでに準備を終えたミカエルとアレンが出てきた。
ただ言葉を交わすことなく、その目に浮かぶ闘志を見せることで互いの意志を交し合う。
深くフードを被り、天界政府へと向かう。
己がそれぞれの意志を胸に、戦場へと向かう彼らを見送るものは誰もいない。
皆が戦士として、その命を希望の灯火へと捧げるのだ。




