人の死に方なんて時には滑稽なものです
「なんで死んだんですか?」
穏やかな日曜日に誰も近づかない廃ビルの屋上で実体化した僕に背中を預けて日向ぼっこをしている彼女は唐突に聞いてきた。
「急ですね」
すり寄ってきた猫をなでる僕。
あぁこの猫は生きてますよ。
「その猫生きているのに貴方になついていますね」
「はい、僕が助けた猫の子孫ですから、わかるんでしょうね。命の恩人ってものが」
「ふ~ん、それで死んだんですか?」
「なんとなく建設中のビルに入って、なんとなく泣いて助けを求める猫を助けて、そして気がつけば地面でバーン!脳みそぐちゃぐちゃ!両親のおお泣きその上自殺騒ぎ。僕は一人っ子なもので、今では親戚もいなくて、僕の墓は無縁仏化してしまっているんですよ」
「…デートは墓参りにしとこうか」
「別にいいです。僕ここから出られないんで。いわゆる自縛霊もどきですから」
「話は変わるけど、やっぱり貴方はいい人ね」
僕がいい人ね…それにしても生きた人間はあったかいね。
僕に体温ないから
──貴女もそうだったんでしょうね
そう思うと、ちょっと笑えた。
「何か私、おかしいことを言いましたか」
訝しげに彼女が振り返ってそうきいた。
「いやはや、貴女と一緒のことを言った方が僕がまだ生きている頃にいました。まぁその人より貴女の方がよく言いますがね」
そういうと彼女は興味を失ったのかそのまま眠りについてしまった。




