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ERROR

BOOOOM!!


Arveld Old Towerの天井が。


轟音とともに砕け散った。


石片が。


四方八方へ飛び散る。


濃い土煙が。


塔の中を覆い尽くした。


崩れ落ちる瓦礫の中心。


天井に開いた大穴から。


一人の人影が。


ゆっくりと降り立つ。


白いRobe。


その顔は。


霧に覆われているかのように。


まったく見えない。


頭上に表示されているのは。


たった一つ。


《ERROR》


Levelはない。


Nameもない。


Jobもない。


存在を示すのは。


その一語だけ。


Eidenは。


即座にAnalyzeを発動した。


《Analyze》


TING!


――――――――


Analyze失敗


TargetはSystemの適用範囲外です。


――――――――


「……!」


Searcherになって以来。


初めてだった。


Analyzeが。


完全に失敗したのは。


Renが。


歯を食いしばる。


「そいつにSearch Barを使うな!」


「もう遅い!」


Eidenは。


すでにSearch Barを開いていた。


《ERROR Holy World》


Enter。


画面が。


激しく点滅する。


文字列は。


読めない記号へ変わっていく。


そして。


一つの文章だけが表示された。


――――――――


WARNING


AdministratorのDataへAccessしようとしています。


Access権限が拒否されました。


――――――――


その瞬間。


Search Barが。


強制的に閉じられる。


「……本当だったのか」


Renは。


剣を抜いた。


視線は。


一瞬たりともERRORから離れない。


「こいつが現れたら」


「残された時間は」


「長くても五分だ」


「五分?」


「Area Deletionが始まる」


Eidenは。


言葉を失う。


「Deletion……?」


Renは。


静かに頷く。


「破壊じゃない」


「削除だ」


「まるで」


「最初から存在しなかったことになる」


Eidenが。


その意味を理解するより早く。


ERRORは。


右手を持ち上げた。


詠唱はない。


Magic Circleもない。


それでも。


周囲の空間が。


ガラスのようにひび割れ始める。


CRACK……


CRACK……


黒い亀裂が。


空中へ広がる。


次の瞬間。


塔の外に立っていた一本の木が。


突然。


消えた。


砕けたわけでも。


燃えたわけでもない。


ただ。


存在そのものが。


跡形もなく。


消滅した。


「……」


Eidenは。


息を呑む。


「あれを受けたら」


二度目はない。


Renが。


先に動く。


CLANG!!


剣が。


ERRORの前に現れた透明なBarrierへ激突した。


衝撃波が。


塔の壁を吹き飛ばす。


だが。


ERRORは。


一歩も動かない。


「ちっ……」


Renは。


すぐに距離を取った。


「触れることすらできない」


Eidenは。


もう一度Analyzeを使う。


結果は同じだと。


分かっていた。


だが。


今度は。


僅かな情報だけが表示された。


――――――――


Analyze


Name:ERROR


Status:Incomplete


Information:


《生物ではありません》


《NPCではありません》


《Playerではありません》


――――――――


「これだけ……?」


Renが。


Eidenを見る。


「何か表示されたのか?」


「少しだけ」


「それでも」


「俺より多い」


「どういうことだ?」


「俺のAnalyzeじゃ」


「何も表示されなかった」


Eidenは。


眉をひそめる。


「どうしてだ?」


Renは。


少し考える。


「おそらく」


「お前のSearch Barは」


「俺のものとは違う」


その言葉に。


Eidenは思い出す。


自分のSearcher Jobは。


自然に手に入った。


だが。


Renは。


十年前から。


Searcherだった。


何かが。


違うのかもしれない。


しかし。


考える時間は与えられなかった。


ERRORが。


再び右手を上げる。


狙いは。


Ren。


Renの前方の空間が。


黒くひび割れ始めた。


Renが叫ぶ。


「Eiden!」


「Clockを見ろ!」


「え?」


反射的に。


UIの右上を見る。


そこには。


Countdownが表示されていた。


《04:12》


「何だこれは?」


「Area Deletionだ!」


Renが叫ぶ。


「時間切れになれば」


「この塔ごと」


「全部消される!」


「俺たちもか!?」


「ああ!」


Eidenは。


歯を食いしばる。


「なら」


「逃げるしかない!」


「無理だ!」


Renが。


出口を指差す。


そこには。


黒い壁。


ゆっくりと広がり。


出口を完全に塞いでいく。


ERRORは。


逃げ道そのものを。


消していた。


数秒間。


重い沈黙が流れる。


やがて。


Renは。


静かに息を吐いた。


「……仕方ない」


UIを開く。


Eidenが見たこともないMenu。


《Transfer Authority》


「……それは?」


Eidenが尋ねる。


Renは。


小さく笑った。


「俺が死んでも」


「Searcherだけは」


「一人残さなきゃならない」


Eidenの心臓が。


強く鳴る。


「何を言ってるんだ?」


Renは。


答えなかった。


Confirmation Buttonを押す。


その瞬間。


銀色の光が。


Renの身体から溢れ出す。


一直線に。


EidenのUIへ流れ込んだ。


TING!


――――――――


Hidden Authorityを検知しました。


他のSearcherからDataを継承します。


0%


――――――――


その瞬間。


ERRORが。


初めて動いた。


一歩。


前へ踏み出す。


たった。


それだけで。


塔の床が。


激しく砕ける。


UIのCountdown。


《03:59》


Renは。


静かに笑った。


「逃げろ」


「Eiden」


「ここは俺が止める」


Eidenは。


拳を強く握る。


Holy Worldへ来てから。


二度目だった。


誰かが。


自分を守るために。


命を懸けようとしている。


そして今回は――


もう。


ただ見ているだけでは終わらない。

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