↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
19/29

Searcherからのメッセージ

夜。


エファス村は、いつも以上に静かだった。


Eidenはベッドの端に座り。


すでに何も映っていないUIを見つめていた。


もう一人のSearcherから届いたMessageは――


すでに消えている。


だが。


その言葉だけは。


何度も頭の中で繰り返されていた。


《“そのEndingが起きる原因は、俺だからだ”》


「……どういう意味だ?」


Eidenはゆっくりと顔を手で覆った。


もし。


あの男が本当のことを言っているのなら。


Holy WorldのBad Endingは。


Bugでも。


作者のミスでも。


Party Memberの裏切りでもない。


原因は――


自分と同じ世界から来た。


一人の人間。


「いや……」


Eidenは首を振る。


「信じるには早すぎる」


あのMessageそのものが。


罠かもしれない。


あるいは――


完全な嘘。


真実を知る方法は。


一つしかない。


もっと。


情報を集める。


幸い。


今のEidenには――


Hidden Job《Searcher》がある。


――――――――


翌朝。


太陽が完全に昇るよりも早く。


EidenはUIを開いていた。


まだ試していない機能。


《Bookmark》


選択。


――――――――


【Bookmark】


保存されたDataはありません。


――――――――


「……なるほど」


EidenはSearch Barへ戻る。


そして。


《Slime King》


検索。


Wiki Pageが開いた。


すると。


右上。


小さな星形Iconが表示されている。


「これか?」


押す。


TING!


――――――――


《情報をBookmarkへ保存しました》


――――――――


もう一度。


Bookmarkを開く。


今度は。


一件のEntry。


《Slime King(Mutation)》


「こうやって保存するのか」


これなら。


重要な情報を見つけた時。


毎回最初からSearchする必要がない。


「思ったより便利だな」


その時。


階下から。


「Eiden!」


Eveの声。


「朝ご飯よ!」


「はーい!」


Eidenは慌ててUIを閉じる。


そして。


食堂へ降りた。


Tableの上には。


温かいSoup。


焼きたてのBread。


だが。


いつもの朝とは。


少し雰囲気が違う。


Eveが。


落ち着かない様子だった。


「母さん?」


「どうしたの?」


Eveは。


少しだけ笑う。


だが。


心配そうな表情は消えない。


「今朝、村長さんが来たの」


Eidenの手が止まる。


「何かあった?」


「Guildから追加の部隊が来るそうよ」


「もう?」


「ええ」


Eveは小さく息を吐く。


「三人の冒険者が行方不明になったって」


Eidenはゆっくり頷く。


そのことは。


昨夜。


Dariusから聞いている。


Eveが。


静かに言った。


「今日は絶対に森へ行かないで」


Eidenは。


安心させるように笑う。


「約束する」


少なくとも――


今日は。


――――――――


昼前。


ゴォォォン――!!


エファス村の鐘が鳴った。


村人たちが。


広場へ集まってくる。


しばらくして。


五人の冒険者が村へ入ってきた。


全員。


銀色のArmor。


胸にはGuild Emblem。


だが。


Dariusのものとは少し違う。


その先頭。


長い赤髪の女性。


彼女から感じるAuraは。


Dariusとは比較にならないほど強い。


頭上。


《Rena》


Eidenは。


すぐに新しいSkillを使った。


《Analyze》


TING!


――――――――


【Rena】


Level:67


Job:Sword Master


Guild Rank:B


状態:Healthy


Threat:High


――――――――


「Level 67……」


Dariusより。


遥かに強い。


救助MissionのLeaderなのも納得だった。


Renaが。


村人たちへ向けて口を開く。


「我々は」


「行方不明となったGuild冒険者三名の調査に来た」


周囲が静かになる。


「今日から――」


「東の森をDanger Zoneに指定する」


「Guildの許可なしに」


「誰も森へ入るな」


村人たちは。


一斉に頷いた。


だが。


Renaの視線が。


突然。


Eidenで止まる。


「……あの子が」


Dariusを見る。


「お前を手伝った少年か?」


Dariusが頷く。


「Eidenだ」


「東の森については」


「俺たちの誰より詳しい」


Renaが。


Eidenへ歩いてくる。


「聞いたぞ」


「新種MonsterのWeak Pointを見抜いたそうだな」


Eidenは。


目立たないように答える。


「たまたまです」


Renaが薄く笑った。


「この世界に」


「そんなに多くの偶然はない」


Eidenを見る。


「何か思い出したら」


「あるいは」


「妙なものを見つけたら――」


「すぐ私へ報告しろ」


Eidenは頷いた。


「分かりました」


だが。


心の中では。


別の結論。


全部を話すつもりはない。


Search Bar。


Hidden Job。


もう一人のSearcher。


それだけは――


絶対に秘密にする。


――――――――


その夜。


村のほとんどが眠った頃。


Eidenは。


最後に残っていたSkillを開いた。


《Scan》


「これで最後か」


押す。


その瞬間。


青い光のRingが。


Eidenの身体から。


外へ。


広がっていく。


壁を抜け。


家を抜け。


道を抜け。


数秒。


エファス村全体。


TING!


――――――――


【Scan Result】


Living Being:183


Monster:0


Demon Mana:Not Detected


System User:2


――――――――


「……!?」


Eidenは。


思わず立ち上がった。


「System User……二人?」


おかしい。


この村で。


Systemを使っているのは――


自分だけのはず。


もしScanの結果が正しいなら。


つまり。


もう一人のSearcherが。


今。


エファス村にいる。


「……」


Eidenは。


無意識に。


窓の外を見る。


そして。


目が止まった。


村のClock Tower。


その頂上。


一人の男。


黒いRobe。


こちらを――


見ている。


顔はHoodで隠れている。


それでも。


口元の笑みだけは。


はっきり見えた。


「……!」


男は。


右手を上げる。


そして。


ゆっくりと。


手を振った。


まるで。


久しぶりに会った友人へ。


挨拶するように。


「待て!」


Eidenが窓へ駆け寄る。


だが。


外へ出るより早く。


男の姿は――


消えた。


一瞬で。


何の痕跡もなく。


ただ。


Clock Towerの頂上。


そこに。


一枚の紙だけが残されていた。


黒いInk。


一行。


《“この世界の真実を知りたいなら――”》


《“一人で来い”》

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。