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Corrupted Slime

SKRIIIIIIIIIIKKK!!


Corrupted Slimeの甲高い叫び声が、東の森全体へ響き渡った。


木々に止まっていた鳥たちが、一斉に空へ飛び立つ。


地面が微かに揺れた。


Dariusは剣の柄を強く握る。


「警戒しろ!」


Eidenはすぐに数歩後ろへ下がった。


視線は、目の前にいるCorrupted Slimeから離さない。


その姿は普通のSlimeとは大きく異なっていた。


通常のSlimeが半透明の緑色をしているのに対し、Corrupted Slimeの身体は溶けたアスファルトのように真っ黒だった。


身体の中央には、暗い紫色の核がゆっくりと脈打っている。


「変だな……」


Eidenは気づかれないようにSearch Barを開いた。


《Corrupted Slime Holy World》


検索結果がすぐに表示される。


――――――――


【Corrupted Slime】


タイプ:Corrupted Monster


平均Level:15~20


生息地:固定された生息地を持たない。


大量のDemon Manaにさらされた生物が変異することで出現する。


通常のSlimeよりも攻撃性が高い。


周囲のモンスターを呼び寄せる能力を持つ。


――――――――


「モンスターを呼ぶ……」


Eidenが読み終えるより早く――


周囲のあちこちから足音が聞こえ始めた。


ガサッ……


ガサッ……


ガサッ……


Dariusが小さく舌打ちする。


「くそっ」


茂みの奥から、次々とモンスターが姿を現した。


《Corrupted Slime Lv.15》


《Corrupted Slime Lv.16》


《Corrupted Slime Lv.17》


ほんの数秒で――


その数は二十体を超えた。


Dariusが歯を食いしばる。


「もう調査どころじゃないな」


「Eiden!」


「村へ戻れ!」


Eidenはすぐには動かなかった。


今のLevelなら、この程度のモンスターは大した脅威ではない。


だが――


本当の力を見せるわけにはいかない。


そんなことをすれば、Dariusの疑いはさらに強くなる。


「分かった!」


Eidenは慌てたふりをした。


数歩下がる。


だが、状況から目を離すことはなかった。


最初のCorrupted SlimeがDariusへ飛びかかる。


BOOM!


Dariusの剣が一閃し、モンスターの身体を真っ二つに切り裂いた。


SLASH!


しかし――


二つに分かれたSlimeの身体が、不気味に蠢き始める。


そして。


再び一つに繋がった。


「何!?」


Dariusが目を見開く。


「再生だと?」


EidenはすぐにSearch Barを開いた。


《Corrupted Slimeの倒し方》


答えが表示される。


《身体の中にある紫色の核を破壊する。》


「なるほど……」


だが、Dariusはその情報を知らない。


何度もモンスターの外側を斬りつけている。


意味はなかった。


Corrupted Slimeは何度でも再生する。


その間にも、他のモンスターが包囲を狭めていく。


「Darius!」


Eidenが叫んだ。


「紫色の核を狙え!」


「何?」


「核だ!」


「身体の中にある!」


Dariusは一瞬迷った。


だが、すぐにEidenの言葉へ従った。


斬撃の軌道を変える。


剣先が紫色の核を正確に貫いた。


CRAAKK!


核が砕ける。


次の瞬間――


Corrupted Slimeの身体が黒い灰へ変わった。


もう再生しない。


Dariusが目を見開く。


「本当だ!」


「なら……!」


すぐに動き出す。


次々とモンスターの核を破壊していく。


SLASH!


CRACK!


SLASH!


CRACK!


数こそ多いものの――


Guildの冒険者としての実力が、徐々に見え始めた。


数分後。


十数体のCorrupted Slimeが倒されていた。


しかし――


まだ十体ほど残っている。


Dariusの呼吸が荒くなり始めた。


「息が上がってる……」


Eidenが呟く。


Rank Dの冒険者にとって、この数を相手にするのはやはり簡単ではない。


その時だった。


一体のCorrupted Slimeが、Dariusの視界から抜け出した。


そのまま真っ直ぐ背後へ飛びかかる。


「Darius!」


Eidenは即座に走った。


その反応速度は、すでに普通の人間を遥かに超えている。


一瞬でモンスターとの間へ入り込む。


手にした斧が閃いた。


SLASH!!


一振り。


それだけで――


斧はCorrupted Slimeの紫色の核を粉砕した。


モンスターが消滅する。


「……」


Dariusが動きを止めた。


驚いた顔でEidenを見つめる。


「今の……」


「動き……」


速すぎる。


Dariusが今まで出会ったRank Cの冒険者の中にも、あれほど速く動ける者はほとんどいなかった。


Eidenも、自分の失敗に気づく。


「しまった……」


反射的に、本来の速度を使ってしまった。


これでは――


Dariusの疑いはさらに深まる。


だがDariusが何かを尋ねるより先に。


地面が再び揺れた。


ドン……


ドン……


ドン……


今度の振動は、先ほどとは比べものにならないほど大きい。


残っていたCorrupted Slimeたちが突然動きを止めた。


全員が――


森のさらに奥へ身体を向ける。


そして。


一斉に跪いた。


まるで――


誰かを迎えるかのように。


黒い霧が、ゆっくりと木々を覆っていく。


その奥から――


Eidenがよく知る低い声が聞こえた。


《……人間……》


Eidenの身体が硬直する。


この声。


数日前に聞いたものと同じ。


あの謎の巨大Slime。


黒い霧がさらに濃くなる。


巨大な影が、ゆっくりと近づいてくる。


そして頭上に――


名前が浮かび上がった。


《Slime King(変異種)Lv.120》


Dariusの剣を握る手が震えた。


「俺たち……」


「……勝てない」

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いつも読んでくださり、ありがとうございます。

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