第71話:不在の隙間の堕落
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前回までのあらすじ:治療費の肩代わりを機に健太・涼太と歪な臨時パーティーを組んだ神田が、大物ドルンヒルシュを狩って報酬を分配し陽菜と新たな安宿へ移るなか、夜は神田が陽菜を激しく蹂躙・服従させて絆を深める一方で、酒場で安酒を煽る健太と涼太は神田の不在を狙い陽菜を再び蹂躙しようと暗い陰謀を巡らせた。
それでは、第71話をお楽しみください。
※本作は規約遵守のR15作品です。過激な描写にご注意ください。
エンデという名の街に足を踏み入れてから、七度目の午前を迎えようとしていた。石畳を照らす陽光は、昨日にも増して熱を帯びているように感じられる。ギルドに併設された宿泊施設のロビーには、午後の活動を前にした冒険者たちの喧騒が、熱気に混じって漂っていた。
石堂陽菜は、そのロビーの隅にある古びた長椅子に腰を下ろし、ぼんやりと開かれた扉の向こうを見つめていた。神田に頼りきっていた自分を変えようと、街の中で出来る仕事がないかギルドを訪れていたのだ。
今朝、神田英雄は田中健太と川瀬涼太を連れて、再び中腹林帯へと向かった。昨日の「ドルンヒルシュ」という大きな獲物の報告を嬉しそうに語る神田の横顔は、陽菜の胸を一時的に満たした。だが、彼が扉の向こうへ消え、一人の時間が長くなるにつれ、その余韻は静かに、しかし確実に薄れていく。
代わりに心の澱から浮かび上がってくるのは、辻有美と亜美の姉妹の姿だった。あのアパートで、自分と同じように怯えていたはずの二人。しかし今では、あの佐藤悠の傍らで、見たこともないような艶やかな表情を浮かべ、心身ともに満たされている。
(……有美たち、今頃どうしてるのかな。やっぱり、あの方のそばにいるんだろうな……)
彼女たちの変貌を思い出すたび、陽菜の胸には焦燥に近い感情が湧き上がる。そしてその思考の先には、常に佐藤悠という男の圧倒的な存在感が、逃れようのない影のように鎮座していた。
(……佐藤さん、今頃何してるのかな)
不安と、それから自らも自覚しがたい奇妙な疼きに急かされるように、陽菜は無意識のうちにギルドの入り口を何度も確認していた。佐藤一行の誰かが、現れるのではないかという淡い期待を抱いて。
「あら……あそこにいるの、神田君と一緒にいた子じゃない?」
顔を上げると、そこには金井綾香、鈴木舞香、田中美咲の三人が立っていた。彼女たちは新たな拠点の相談のために受付のミナを訪ねてきたようだった。
その少し後方では、金井智哉がどこか落ち着かない様子で周囲を伺っている。智哉は、綾香たちが陽菜と接触したことに気づき、遠巻きにその様子を眺めていた。
「金井さん、それに田中さんも……こんにちは」
「一人なの? 神田君はまた狩りかしら。こんな所で何してるの?」
綾香の問いに、陽菜は力なく頷きながら答えた。
「私にも出来る仕事がないか、探してみようかと思って……。皆さんはどんなお仕事をしているんですか?」
すると、舞香が不思議そうな顔をして首を振った。
「誰も仕事なんてしてないわよ。佐藤さんの稼ぎだけよ。でも、それぞれ役割を与えられて調べモノをしたり、私たちは今、拠点探しをしているところなの」
(あの人数を養う佐藤さんの稼ぎって……一体どれほどなの?)
陽菜は、神田が必死に命を懸けて持ち帰る銀貨の重みを思い出し、それとは比較にならない佐藤の底知れない力に息を呑んだ。
喉まで出かかった言葉を飲み込もうとして、陽菜は唇を震わせる。
「あの……私……佐藤さんの……」
言いかけて、陽菜は俯いた。神田への罪悪感と、抑えきれない渇望が胸の中でせめぎ合う。その様子を、美咲が見透かしたような、それでいて慈しむような微笑を浮かべて見つめていた。
「……佐藤さんのところに、連れて行ってほしいの?」
美咲の柔らかなフォローに、陽菜は小さく、しかし拒絶できない確信を持って頷いた。
離れた場所にいた智哉は、四人が何かを話し込んでいるところまでは見ていたが、何を話しているかまでは分からず、この時は特段気にする様子もなかった。やがて自身の仕事のためにその場を離れた彼は、その後、彼女たちが一緒に行動するところまでは見ていなかった。
それは、神田が必死に守ろうとしていた「平穏」という名の温室の壁を、陽菜自らが壊し始めた瞬間でもあった。
連れてこられたのは、宿の奥にある一際静かな一室だった。
扉が静かに開かれた瞬間、室内の濃密な熱気と、甘く鼻を突く芳香が陽菜の感覚を麻痺させた。
「あ……ぁんっ……はぁっ、悠様……っ! もっと……もっと奥までぇっ!」
陽菜の目に飛び込んできたのは、想像を絶する光景だった。
中央の寝台で、佐藤悠が仰向けになった辻亜美の腰を浮かせ、その細い肢体を深く支配するように、激しく情熱を交わしていた。佐藤の剛躯が亜美を容赦なく揺さぶるたび、肌と肌が激しく衝突する生々しい音が部屋に響き渡る。
隣では、姉の辻有美が佐藤の厚い胸板にその豊かな身体を預け、恍惚とした表情で彼の喉仏や胸元を熱心に愛撫し、交互に佐藤と深い口づけを繰り返していた。二人はどちらがより佐藤を満足させられるか競い合うように、甘く淫らな喘ぎ声を上げていた。
陽菜は、自分の喉が激しく鳴るのを感じた。
特に亜美の変貌ぶりには目を疑った。普段の彼女からは想像もつかないほど淫らで、高く掠れた声を上げ、佐藤に貪られる衝撃に全身を波打たせている。その瞳は完全に陶酔し、理性の欠片も見当たらない。
佐藤は無言のまま、獲物を仕留める獣のような正確さと力強さで、腰の動きをより一層激しくした。体位を変え、仰向けの亜美を深く蹂躙しながら、有美には唇を奪わせ、二人を同時に支配していた。
「今日は、どちらに注いでほしい?」
佐藤の低い、地響きのような声が問いかける。
「……お姉ちゃんの……番……っ」
亜美が喘ぎながら、震える声で答えた。
佐藤は躊躇なく亜美から身体を離すと、今度は有美を後ろ向きの四つん這いにさせた。彼女の両手首を後ろから片手で強引に掴み上げ、逃げ場を奪うように腰を強く引き寄せると、一気に最奥の深淵まで突き入れた。
「あぁぁぁああああっ! き、きたぁ……っ!」
衝撃が走るたび、濃密な愛の音が部屋を支配する。佐藤は何度も激しく打ち付け、有美を激しく喘がせながら、亜美に向かって冷徹に告げた。
「休んでいる暇はないぞ」
亜美は息を乱しながらも起き上がり、佐藤の背後へと回り込んだ。彼女は佐藤の逞しい背中に張り付き、彼の昂ぶりの根元を舌で丁寧に、そして粘り強く刺激し始めた。
三人の熱情が複雑に重なり合い、部屋は淫らな熱気と喘ぎ声で満たされる。そして佐藤は有美の最奥へと、熱く迸る自身のすべてを解き放った。
その一部始終を、陽菜は立ち尽くしたまま見つめていた。
衝撃、嫌悪、それから――それを遥かに上回る、耐え難いほどの「羨望」。
彼女たちの満たされきった、幸福そのものの表情。自分もあの場所へ行けば、この消えない不安から解放されるのではないか。
その内心を見透かしたように、背後に控えていた北川結衣と田中美咲が、陽菜の背中を優しく押した。
「あら、亜美ちゃんたちのお友達が、仲間に入れてほしいそうよ」
有美が振り返り、意地の悪い笑みを浮かべて言いかけた。
「いまさらあんたなんか……」
だが、佐藤の視線が陽菜を捉えた瞬間、有美はその言葉を飲み込み、代わりに陽菜の腕を強引に掴んで寝台へと引きずり込んだ。
「どうされたいんだ?」
佐藤が、射抜くような眼差しで問いかける。
陽菜は、顔が火を噴くほど赤くなるのを感じた。だが、もう逃げることはできなかった。
「……同じように……して欲しい、です……」
消え入りそうな、しかし明確な意思を含んだ声。
「なら……脱げ」
短く、拒絶を許さない命令。
陽菜は震える指先で、一つ一つ衣服のボタンを外していった。自ら服を脱ぎ捨て、一糸纏わぬ姿となった彼女の肌には、あのアパートで田中健太らに付けられた無惨なアザが、生々しく残っていた。
それを見た美咲が、すぐに陽菜を抱き寄せた。
「大丈夫よ、すぐ綺麗にしてあげる」
美咲の固有スキル『自愛の微光』が発動し、淡く温かな光が陽菜を包み込む。
「わざわざ使わなくたっていいのに……」
有美の不満をよそに、美咲は続けて佐藤の熱い塊を口内に深く含み、奉仕しながらスキルを使用し続けた。すると、佐藤の昂ぶりはみるみると大きく、猛々しく膨張していく。血管を浮き上がらせ、陽菜がこれまで見てきたどんなものよりも凶暴な質量へと変貌を遂げた。
「さぁ、あなたの番よ」
美咲が優しく微笑み、場所を譲る。
陽菜は佐藤のそれを目の当たりにし、息を飲んだ。つい昨日交わった神田英雄よりも、かつての恋人である川瀬涼太よりも、この世界に来て蹂躙してきた田中健太よりも、はるかに強大な存在感を放つそれを見て、思わず尻込みした。
「……無理しないほうがいいわよ。あんたには、まだ早すぎるんじゃない?」
有美が横でニヤニヤと嘲笑う。
その言葉が、陽菜の中にある妙な対抗心に火をつけた。先ほど亜美が見せていた、あの狂おしいほどの悦楽。自分もそれを知りたい。壊されてもいいから、この男に塗りつぶされたい。
覚悟を決めた陽菜は、震える膝をつき、ゆっくりとその場所へと顔を寄せた。
初めて触れる佐藤の熱は、まるで溶岩のように熱く、口内から陽菜の感覚を瞬時に焼き尽くしていった。
陽菜が夢中で奉仕を続ける間、周囲の女性たちが一気に彼女を責め立て始めた。結衣や美咲、有美、亜美たちが、陽菜の豊かな胸を執拗に揉みしだき、敏感な突起を交互に舐め取る。さらに溢れる蜜の溢れる場所へと熟練の指先がこれでもかと這わされ、逃げ場のない快感に陽菜の口からは抑えきれない声が漏れ始めた。
佐藤がその様子を冷徹に見下ろし、低く告げる。
「そろそろか」
陽菜から解放されると、佐藤は寝台に仰向けに横たわり、命じた。
「自分で挿れろ」
陽菜は熱に浮かされた瞳で佐藤を見つめ、彼の上に跨った。震える手で自ら佐藤の猛々しい昂ぶりを導き、自身の最も敏感な場所へとあてがう。ゆっくりと腰を沈めていくと、かつて経験したことのない質量が内側を限界まで押し広げ、最奥を突き上げる。
「あ……ぁぁぁああああっ!」
快感の奔流に呑み込まれた陽菜は、さらなる深淵を求めて動きを激化させた。深くしゃがみ込むような姿勢へと移行し、佐藤の巨躯が自身の最奥を容赦なく抉る衝撃に、彼女の視界は真っ白に染まった。
「は、あぁぁっ……! すご、い……っ、入って……るぅっ!」
陽菜はそのまま前傾姿勢になり、佐藤の逞しい胸板に自らの胸を押し付け、しがみつくようにして激しく腰を叩きつけた。もはや羞恥など微塵もない。肉体が激しくぶつかり合う音が室内に響き渡る中、彼女は佐藤のすべてを吸い尽くさんとするほどの熱量で貪り合う。
その姿は、貞淑だった彼女の面影を完全に塗り潰し、ただ一人の男に狂わされた雌そのものだった。
その頃、神田英雄は無さにクエストを終え、陽菜への土産を手に宿へと戻ってきた。しかし、部屋に陽菜の姿はない。
「陽菜? どこにいるんだ?」
嫌な予感が神田を襲う。彼は街中を探し回り、ギルドのロビーへ戻ると、そこで金井智哉に出くわした。
「金井さん! 陽菜を知りませんか?」
「……陽菜さんなら、さっき綾香や美咲さんたちと一緒に行ったよ」
神田の顔から血の気が引いた。美咲たちが今誰の側にいるのか、彼は嫌というほど知っていた。
彼は必死に街中を駆け抜け、以前佐藤がいたと言われる食堂兼宿屋「グリューネ・ラテルネ」へと飛び込んだ。看板娘のアイナを捕まえ、息を切りながら問い詰める。
「佐藤だ! 黒髪の男がどこにいるか知らないか!」
「……ええ、二階の奥の部屋よ」
神田は階段を駆け上がり、迷わずその部屋の扉を乱暴に開け放った。
その瞬間、彼の目に信じられない光景が飛び込んできた。
陽菜が、あの佐藤の上に跨がり、自ら狂ったように腰を振り、髪を乱して恍惚の表情で喘いでいる姿。前傾姿勢で佐藤にしがみつき、必死に彼のすべてを請い願うように腰を叩きつけるその様は、神田が守り抜こうとしてきた「石堂陽菜」という偶像を無残に粉砕した。
「陽菜……っ!」
神田の頭の中は真っ白になった。
自分が命を懸けて守り、清純だと信じていた陽菜が、宿敵とも言える佐藤に跨がり、自ら悦びに浸っている。彼女は誰に強要されるでもなく、自身の快楽のために、その身体を、意思を佐藤に差し出している。
香織も、実はそうだったのではないか? これまで信じてきた「正義」や「絆」が、音を立てて崩れ去っていく。
衝撃的な背徳の光景に、神田は怒りと絶望、そして自覚したくない歪んだ興奮の混濁に耐えきれなくなった。彼は扉の前で立ち尽くしたまま、ただ一点を見つめていた。だが、視覚から入る強烈な情景が、彼の肉体を容赦なく昂ぶらせる。
歯を食いしばり、悔し涙を浮かべながら、そのあまりの衝撃に神田は下腹部を突き上げる熱い衝動を抑えきれず、絶望のあまり無様にその身を熱く震わせ、衣服を汚した。
部屋の中では、神田の存在にすら気づかぬほど快楽に溺れた陽菜が、佐藤の上で激しく達しようとしていた
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