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アパートごと異世界に転移したが、俺だけ収納スキルだったので住民を支配することにした  作者: 飯尾 意緒
第1章 異界転移と水の隷属

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7/25

第7話:三度目の水 姉の完全服従

いつもご愛読ありがとうございます!

前回までのあらすじ:悠との情事に耽り水を得る綾香の異変を確信した妹の舞香が、姉への軽蔑と嫉妬から「次は私が交渉に行く」と宣言し、姉妹の亀裂と共鳴する支配の連鎖が加速する。

それでは、第7話をお楽しみください。


※本作は規約遵守のR15作品です。過激な描写にご注意ください。

 アパート『シャン・ソレイユ』を囲む樹海に、五度目の、そして最も熱苦しい夜がどろりと降りてきた。

 断水と停電が始まってから丸五日が経過し、季節外れの猛暑は夜になっても住人たちの体力を容赦なく削り続けている。ベランダの向こうに広がる原生林からは、不気味な獣の咆哮が響き、文明の恩恵を完全に失った住人たちの神経を逆なでしていた。一階の金井家では、夫の智哉がわずかな湿り気を求めて、空になったペットボトルの底を叩く乾いた音が、規則正しく、そして絶望的に鳴り響いている。昼間に綾香が持ち帰った二本の水も、成人三人で分ければ、焼石に水を撒くが如く瞬く間に消えてしまったのだ。

「……お姉ちゃん、また行くの?」

 暗い居間のソファで、膝を抱えた舞香が姉を呼び止めた。その声には、以前のような純粋な心配ではなく、営業職特有の鋭い観察眼と、拭いきれない疑惑の色が混じっている。

「ええ……。佐藤さんのところに。少しでも分けてもらわないと、智哉さんもあなたも、明日を迎えられないもの」

 金井綾香は、事務職時代には決して見せなかったような、どこか虚ろで、しかし異様なほどに艶めいた瞳を妹に向けた。

「佐藤さん、一人で来るようにって言ってるのよね……?」

「……そうよ。あの人は、大勢で押しかけられるのを極端に嫌うから」

 綾香は妹の追求を逃れるように、足早に部屋を出た。鉄製の階段を上がる音さえ、今の彼女にとっては、渇望する主人のもとへ駆け寄る歓喜の鼓動のように思えていた。

 三度目となる201号室への訪問。ドアをノックする綾香の指先は、期待と恐怖で小さく震えていた。

 カチャリ、と重厚なロックが外される。招き入れられた室内は、一階と同様に電気が止まり、ねっとりとした不快な熱気が澱んでいた。だが、テーブルの上に置かれた二本のペットボトルだけが、まるでそこだけ時間が凍結しているかのように、びっしりと冷たい結露を纏って白く輝いている。その透明な輝きを見た瞬間、綾香の喉は焼けるような渇きを訴えてゴクリと鳴った。

「佐藤さん……お願いします。あの、智哉さんも、舞香も……。本当にもう、これしか……」

「そうだろうな。だが、お前はどうなんだ? 家族のためという建前を捨てて、自分自身の飢えを癒しに来たのではないのか?」

 佐藤悠は、暗がりのソファに深く腰掛けたまま、不敵な笑みを浮かべて彼女を迎えた。彼の射抜くような視線が、綾香の喉元から、乱れた襟元、そして震える膝へと這うように動いた。綾香は顔を真っ赤に染め、羞恥に唇を噛んだが、もはや否定する言葉を持ち合わせていない。

「……私も。私が、一番……佐藤さんのところに、来たかったんです。この冷たい水と……あなたの、その……」

 言いかけて、綾香は俯いた。完璧な妻として積み上げてきた彼女の理性が、佐藤という名の冷徹な楔によって、内側から粉々に砕け散っていく。

 佐藤は一本のペットボトルを手に取ると、キャップを開けた。

「……来い」

 短く命じられた綾香は、吸い寄せられるように彼のもとへ膝をついた。それを見届けてから、佐藤は水を自らの口に大量に含んだ。彼は綾香の顎を強引に掴み上げ、その口内に、自らの体温でわずかに温まった水を、重みと共に注ぎ込んだ。

「んん……っ! ふ、うっ……」

 三度目となる、口移しでの給水。綾香は一滴たりとも漏らすまいと、佐藤の首筋に必死に縋り付き、その施しを嚥下していく。鼻をくすぐる男の体臭と、口腔を執拗に蹂躙する舌の感触。それは、どんな飲料よりも彼女の脳を麻痺させ、芯を熱くさせた。

 その時を待っていたかのように、綾香の瞳はご褒美を与えられた幼子のように蕩けきっていた。口内の水はとうに胃へと落ち、潤いという目的は果たされたはずだった。しかし、彼女がその唇を離すことはない。むしろ、水がなくなったことでより露骨になった佐藤の舌の感触を、むさぼるように自らの舌で追いかけた。口内の水はとうにないにも関わらず、互いの舌がお互いを行き来し、銀色の糸を引く。

「……ふむ。腐敗がさらに進んだようだな。君の目は、もう金井智哉の妻の目じゃない。ただの、水を乞う雌の顔だ」

 ようやく唇が離れた際、佐藤は冷淡に告げ、跪いたままの彼女の首筋を指先でなぞった。

「君の言う『完璧な妻』は、喉が渇けば見知らぬ男の足元で、こんな風に喉を鳴らして愛を乞うのか?」

「……あ、っ……」

 綾香の目から、一筋の涙がこぼれた。だが、それは悲しみの涙ではなく、絶対的な支配者に対する、狂おしいほどの依存の証だった。

「壊して……ください。佐藤さん……。私を、もっと……。私の中の『金井綾香』を、全部、壊して……! もう、戻れなくていい……」

 彼女は自ら、普段はきっちりと留めているブラウスのボタンを、震える指で一つずつ外していった。露わになった白い肌が、佐藤の冷徹な眼差しに晒される。

 屈辱を快楽に変換するその姿に、佐藤は満足げに目を細めた。

 綾香は抗うこともなく、もはや自らに課された義務であるかのように佐藤の前に跪いた。震える手で彼のズボンと下着を押し下げると、露わになった猛りをごく自然に口に含む。完璧主義だった彼女が、なりふり構わず頭を振り、熱心に奉仕を繰り返すことで、佐藤の剛直は凶悪なまでにその怒張を増していった。

「そろそろいいだろ。……その身体に俺を刻み込んでやる」

 佐藤は彼女の細い腰を強引に掴み上げると、そのままソファの座面へと押し倒した。

 電気の消えた暗く蒸し暑い室内。重なり合う二人の熱い吐息だけが、文明の断絶された異界の夜に響き渡る。綾香は、自らの秘奥を貫く圧倒的な衝撃と、それに伴う激烈な充足感に身を震わせた。彼女の思考は真っ白に焼き切れ、階下で震える夫や、不気味な視線を向ける妹の存在は、もはや遥か彼方の出来事のように霞んでいった。

 佐藤の荒々しい動作に翻弄されながら、綾香は自分でも驚くような声を上げていた。

「あ、あああぁっ! さとう、さん……っ、もっと、めちゃくちゃに……っ!!」

 かつての理知的な彼女なら決して口にしないような言葉が、溢れ出す汗と共に漏れ出す。佐藤は彼女の頬を軽く叩き、服従を強いるようにさらに激しく責め立てた。彼女の最奥へと、熱い奔流が容赦なく注ぎ込まれる。

 対価としての快楽、そして水。その境界線が完全に失われた時、金井綾香という一人の女性は、佐藤悠という支配者へと、魂まで捧げた供物と化した。

 行為が終わった後、綾香は乱れた衣類を整えることもせず、ソファに横たわったまま、佐藤の身に残った名残を慈しむように舌で拭った。

「……明日も、来ます。……いいえ、今すぐにでも……必要なら、ずっとここに置いてください」

 佐藤は彼女の頭を乱暴に撫で回すと、テーブルから二本のペットボトルを彼女に手渡した。

「お前はもう、これなしでは生きられない。……だろ?」

 綾香は力なく、しかし幸福そうに頷き、そのペットボトルを宝物のように抱きしめた。

 部屋を後にする綾香の瞳には、もはや社会人としての理性は宿っていなかった。

 一階へ戻る階段を下りる際、彼女の背中を、101号室のドアの隙間から、舞香の冷ややかな、しかし燃えるような嫉妬を秘めた視線が静かに射抜いていた。

「……お姉ちゃん、そんな顔して。やっぱり、そうだったんだ」

 舞香は唇を強く噛み、自らの胸元を握りしめた。姉への軽蔑と、それ以上に自分だけが取り残されているという焦燥感。

 アパートを囲む深緑の闇は、金井姉妹の心に宿った歪みを餌に、さらに深く、暗く、彼女たちを飲み込んでいく。

 201号室の主、佐藤悠は、床板から伝わる姉妹の不穏な気配を静かに感じ取りながら、新たなボトルのキャップを捻った。

「……さて。次はどの果実から腐らせるか」

 その声は、絶望の夜に甘く響いた。

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