第50話:姉の代価と妹の秘密
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前回までのあらすじ:渇望する姉のために自らを捧げた辻亜美が、咲希の冷徹な手解きと佐藤の強引な洗礼によって支配の味を刻み込まれる一方、偵察に失敗し佐藤の異常性を掴めぬまま焦燥を募らせる一階の健太らは、最終手段として精神の壊れた香織を次なる刺客として送り込もうとする。
それでは、第50話をお楽しみください。
※本作は規約遵守のR15作品です。過激な描写にご注意ください。
アパート『シャン・ソレイユ』を囲む樹海には、止むことのない生命の胎動が、湿った土の腐臭と共に満ち満ちていた。昨日よりもまた数歩、原生林はその太い指先を窓辺へと伸ばし、建物を呑み込もうとする緑の波濤を強めている。
二階、204号室。
辻亜美は、佐藤から受け取ったばかりの物資を抱え、薄暗い自室へと滑り込んだ。胸の鼓動が耳元でうるさいほどに鳴り響いている。
(隠さなきゃ……お姉ちゃんに、気づかれる前に)
佐藤から与えられた新品のボトルから、中身を濁った古い容器へと移し替える。ドボドボと注がれる水の音さえ、今の彼女には断罪の鐘のように聞こえた。
その直後、背後から声が届いた。
「……亜美、何をしているの?」
振り返ると、姉の有美が立っていた。
「あ、お姉ちゃん……。これ、棚の奥にまだ少し残ってたみたいで。ほら、賞味期限が切れかかってて見落としてたの」
亜美は咄嗟に嘘を吐いた。有美はカゴの中の物資を確かめ、安堵よりも先に焦燥を覚えた。
「もうこれしかないの? これだけだと、あと数日しかもたないわ……」
(……北川さんのところへ行ってみようかしら。あそこならまだ何か残っているかもしれない。これからのことを話し合わないと)
有美は決意を固め、妹に行き先を告げぬまま部屋を出た。
しかし、203号室を訪ねた有美を待っていたのは、北川結衣のどこか虚ろな言葉だった。
「ごめんなさい、有美さん。私から直接渡せるものは、もう残っていないわ。……でも、佐藤さんのところへ行けば、道は開けるかもしれない。……訪ねるなら、対価を支払うことを忘れないで。……対価は……そう、あなたならわかるわね?」
北川のスキル『月下の統御』が無意識のうちに発動し、有美の判断力を麻痺させていく。その甘美な囁きに導かれるように、有美は吸い寄せられるように201号室の前へと辿り着いた。
有美は大きく息を吐き、重い扉をノックした。
ガチャリ、という硬質な金属音と共に、ドアチェーン越しの対応。隙間から、佐藤悠が冷徹な瞳で彼女を値踏みするように見下ろしていた。
「すみません。佐藤さん」
「君は……204号室のお姉さんの方かな?」
「はい、有美です。辻有美です。……あの、部屋に水と食料がもう底を突いてしまって。北川さんに聞いたら、佐藤さんを紹介されて……」
有美は縋るような視線を向けた。佐藤は無言で彼女の整った顔立ちを品定めするように見つめた後、鼻で小さく嗤った。
「……入りな」
佐藤はチェーンを外すと、彼女を招き入れた。リビングに通された有美に、佐藤はソファに深く腰掛けたまま、冷酷に事実を突きつける。
「昨日、石堂陽菜が来たがそっちを頼ったらどうだ?」
「……何でもするわ。だから、私たちを見捨てないで」
有美は俯き、震える声で答えた。
「……対価を受け取ってやろう。こっちへ来て、好きにしろ」
「……はい」
有美はそっと近づいて横に座った。ソファにもたれかかった佐藤に向かって、彼女は自ら口付けを落とす。次第に激しく、舌を絡めるように。衣服の上からその熱い昂ぶりを愛撫し、密着したまま器用に布地を下げ、露わになった一点を熱心に弄り上げる。
やがて顔を離し、股間に顔を埋めてそれを深く喉の奥まで迎え入れた。
「……お前は経験があるんだな」
佐藤がボソリと呟いたが、その言葉は有美の耳には届いていなかった。彼女はその圧倒的な質量に気圧されつつも、自らの秘部を指で弄り、溢れ出す蜜で十分に準備を整えていく。
「体位はどうします……?」
震える声ながらも、誘うような問いを投げかける有美。
「じゃあ……」
佐藤は彼女を仰向けに押し倒した。
「脚を広げて、自分で持ってろ」
正面に晒された肢体の中心、潤んだ最奥へ、佐藤の剛直が一気に突き立てられた。
「ひっ……あ、ぁぁあッ!」
肉と肉が激しく衝突する重い音が、静まり返ったリビングに響き渡る。佐藤の容赦ない抽送は、有美の奥底を熱く蹂躙し、彼女の自尊心を無残に削り取っていった。
「んんっ、は、ぁ……ッ! ああああッ!」
有美は乱れる呼吸と共に、これまで出したこともないような生々しい喘ぎを漏らした。
「どこに出して欲しいんだ?」
佐藤が問いかけた。有美は快楽と屈辱の混濁した意識の中で、答えることができない。
「……答えないのか。じゃあ、中に出してやろうか?」
「……口に、お願いします……」
佐藤は激しい衝撃の最中に彼女から引き抜くと、それを有美の口へと強引に割り込ませた。彼女の頭を掴んで固定し、無理やり腰を振ると、有美の喉の奥へと熱い白濁を放った。
「んぐっ……、ん……」
有美はすべてを飲み込み、力なくソファに横たわった。支配されることの絶望と、同時に訪れる生存への安堵。矛盾した感情に翻弄されながら、彼女は荒い息を整えていた。
その時だった。コン、コン――。
「……チッ、またか」
佐藤は乱れた衣服のままドアの方へ向かう。応対されるとここにいることがバレる――有美は焦燥に身を焼かれるが、佐藤は構わず扉を開けた。そこにいたのは、103号室の小野香織だった。
「お話だけでもさせてもらえませんか? ……中に入れてもらうことはできませんか?」
「今、来客中なんだが……まあいい。入りな」
入ってきた香織は、乱れた姿の佐藤に目を見開いて驚愕した。そのままリビングへ促されると、そこには衣服を乱し、屈辱に顔を歪めた辻有美がいた。
香織は部屋を見渡し、奪うべき物がないか値踏みするように視線を巡らせたが、有美の惨状を見るなり佐藤を激しく責め立てた。
「あなた、女性をこんな扱いして、恥ずかしくないの!?」
「勘違いするな。俺からは何もしてない。皆、自主的に来るんだ」
香織はヒステリックに罵倒し続けたが、佐藤は意に介さない。
「咲希。美咲を連れてこい」
隣の部屋から美咲を連れた咲希が戻ってきた。
「なにかしら?」
「このお嬢さんをケアしてくれ。……風呂にでも入れてな」
佐藤は、美咲のスキル**『自愛の微光』**で、香織の服に隠された傷を癒やせると考えたのだ。
「……はい」
二人が浴室へ向かう間、佐藤は有美に水と食料を渡した。
「妹の亜美には……今のことは黙っていて」
有美はそれだけを言い残し、逃げるように部屋を去った。
浴室では湯が張られ、美咲と香織が身を沈めていた。香織の裸体は目を見張るほど痛々しい傷痕に覆われていた。元夫の暴力を知る美咲は、その古傷に同情し、慈しむように彼女を抱いた。
美咲の力により、香織の傷はみるみる癒え、髪も体も洗われ、浴室を出る頃には見違えるほど瑞々しくなっていた。風呂上がりに水と食料を与えられ、束の間の幸福に浸る香織。美咲は「ここに残れない?」と提案したが、香織は階下の陽菜のことを思い、その悍ましさに身を震わせた。
「下に戻るわ」
美しく再生された体で、彼女は再び地獄へと戻っていった。
102号室に戻った香織は、佐藤の部屋は空だったと報告した。しかし、その瑞々しく整った姿を見た健太は激昂し、同時に歪んだ興奮を覚えた。
「綺麗になってちょうどいい。こっちに来い」
健太は香織の腕を強引に掴み、寝室へと引きずり込む。美咲の力で再生されたばかりの柔らかな肌を、健太の欲望が再び蹂躙し始めた。
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