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アパートごと異世界に転移したが、俺だけ収納スキルだったので住民を支配することにした  作者: 飯尾 意緒
第2章 腐敗の連鎖と「女」の商品化

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34/70

第34話:淡影の覚醒と隷属の刻印

いつもご愛読ありがとうございます!

前回までのあらすじ:健太らに襲われ絶体絶命の危機に陥った咲希は佐藤の介入で間一髪救われ、そのまま彼の支配下で依存による救済を選ぶ一方、健太らは復讐心と敗北感を抱えたまま102号室へ戻り、自らの支配下に置いた陽菜と香織を激しく陵辱して鬱憤を晴らすという、アパート内の支配構造と狂気がさらに深刻化していく。


それでは、第34話をお楽しみください。


※本作は規約遵守のR15作品です。過激な描写にご注意ください。

 アパート『シャン・ソレイユ』を囲む樹海に、二十六度目の陽光が、湿った不快な熱気と共に降り注いでいた。窓の外に広がる原生林は、昨日よりもその深い緑をどす黒く変色させ、逃げ場のない圧迫感で視界を遮っている。廊下を吹き抜ける風は、腐りかけた下草の匂いと湿り気を帯び、外界の変容が加速していることを住人たちの肌に刻み込んでいた。

 201号室。佐藤悠の管理下にあるこの部屋だけは、一階の地獄が嘘のような静寂と、微かな清涼感に満ちていた。

 寝室のベッドの上で、五十嵐咲希は佐藤の厚手の上着にくるまり、膝を抱えていた。昨日の森での出来事——男たちの獣じみた体温、むせ返るような土の匂い、そして暴かれた羞恥——が、断片的なフラッシュバックとなって彼女の精神を削り続けている。

 だが、その恐怖を塗り潰しているのは、自分を抱き上げてここまで運んでくれた佐藤の、冷たくも確かな腕の感触だった。

「……起きたか」

 ドアが開く音がし、佐藤が中に入ってきた。彼の背後には、美咲が甲斐甲斐しく朝の支度をする気配がある。咲希は上着の襟をぎゅっと握りしめ、縋るような瞳で彼を見上げた。

「佐藤、さん……」

 声が震える。ネグレクトという孤独の中で生きてきた彼女にとって、誰かに「拾われる」という体験は、生存本能に直結する衝撃だった。佐藤は彼女の傍らに腰を下ろすと、無造作にその細い顎を持ち上げた。

「体調はどうだ。昨夜は酷くうなされていたようだが」

「……怖かった……。でも、佐藤さんが……助けてくれたから……」

 咲希の瞳から涙が溢れ、佐藤の指を濡らす。佐藤はそれを拭うこともせず、淡々とした口調で告げた。

「勘違いするな。俺は慈善事業で君を助けたわけではない。以前、君が俺の部屋に忍び込んでいたことは知っている。俺の目を盗んで食料を掠め取っていたその『能力』に、投資しただけだ」

 咲希は息を呑んだ。やはり、最初から見抜かれていたのだ。自分の——気配を消し、存在を希薄にする能力。それが佐藤に評価されたのだと理解した瞬間、彼女の中にあった「申し訳なさ」は、奇妙な「被所有欲」への期待へと変質した。

「私に……何ができるの? 何をすれば、ここに置いてくれる……?」

 佐藤は薄く笑みを浮かべた。その笑みには温かみなど微塵もないが、今の咲希にとっては、暗闇の中で唯一光る道標のように見えた。

「君には、何か特別な力があるんだろう? 名前は知らんが、俺の目を盗んで忍び込む手際は見事だった。その力を磨き、俺のための『影』になってもらう。まずは、君が俺の所有物であることを、その身に刻み込んでもらうぞ」

 佐藤は上着のポケットに手を入れると、一筋の、上質な革製のチョーカーを取り出した。それは彼が以前、物資のついでに回収しておいたものだ。

「これを着けろ。これは君が俺の所有物であるという証であり、君の身を守るための呪縛だ」

 咲希は躊躇わなかった。震える手でそれを受け取ると、自らの細い首に巻き付けた。カチリ、という小さな金属音が、彼女のこれまでの自由な孤独に終わりを告げ、佐藤への絶対的な隷属の始まりを告げた。

「似合っている。……さて、最初の教育だ」

 佐藤は彼女をベッドから降ろし、床に跪かせた。昨日の暴行のトラウマで身体が強張る咲希だったが、佐藤の手が彼女の頭に置かれると、不思議な安堵感に包まれた。

 佐藤が行ったのは、徹底した「尊厳の再構築」という名の解体だった。彼は咲希に対し、床に這いつくばったまま、服従の証として自らの足元を清める奉仕を命じた。内気な女子高生にとって、救済者に対し、獣のように傅き、その足先を愛撫するという行為は、精神を極限まで摩耗させる。

 恥辱に顔を染め、涙を流しながらも、彼女は佐藤の命令に従い続けた。佐藤の冷たい足の甲に柔らかな舌を這わせ、指の隙間までを丁寧に、執拗に辿っていく。自尊心が崩壊し、「自分」という個を消して佐藤の道具になりきろうとするその瞬間、異変が起きた。

 佐藤の目の前で、跪いているはずの咲希の輪郭が、陽炎のように揺らぎ始めたのだ。

「……なるほど。自己を消し、無に近づくことが引き金か」

 彼女の気配が完全に消失し、視覚的にも背景の影に溶け込んでいく。これが彼女の能力の真髄だった。佐藤はその「消えかかっている」咲希の頭を、乱暴に、しかしどこか慈しむように撫でた。

「いい子だ、咲希。今の君には、何の価値もない、ただの俺の影だ。……もっと俺に縋れ。君を守れるのは、俺だけだ」

 甘い毒のような言葉が、自我を失いかけた咲希の脳内に浸透していく。彼女は佐藤の足首に抱きつき、熱を孕んだ吐息を漏らしながら、自身の顔を擦り付けた。かつての女子高生の面影は消え、そこにはただ、主人の色に染まることを至上の喜びとする「影」がいた。

 佐藤は満足げに彼女を見下ろし、その身体を引き寄せると、身を包む薄布を無造作に剥ぎ取った。剥き出しになった無垢な肢体を自身の上へと招き、逞しく昂った熱き質量の上に、正面から跨がらせる。

 佐藤の衣服から解き放たれた熱い芯が、咲希の秘められた柔らかな境界に真っ向から押し当てられた。佐藤は一切動かず、椅子に深く腰掛けたまま、無機質な瞳で彼女を見下ろしている。

「自分で動け。俺を満足させることが、君の存在意義だ」

 咲希は震える手で佐藤の肩を掴み、自身の膝を支えにして、ゆっくりと腰を浮かせた。肌が直接触れ合うことはあっても、まだ完全には重ならない。しかし、そのことがかえって粘膜の摩擦を際立たせる。佐藤の荒々しい隆起に対し、彼女は自らの熱を強く押し付け、自発的に擦りつけるように腰を前後に動かし始めた。

 昨日、卑劣な男たちに無理やり汚されそうになった時とは違う。自ら支配者の熱を求め、その質量を肌裏に感じる悦び。咲希は次第に呼吸を乱し、自身の意思で腰の動きを激しく、鋭くしていった。

 ふと、咲希は動きを止め、震える両手で佐藤の頬を優しく包み込んだ。そして、吸い寄せられるように顔を近づけると、そっと、触れるだけの口付けを佐藤の唇に落とした。

 

「……実は、これ……ファーストキスなんですよ」

 上目遣いで、どこかイタズラっぽく、微かな誇らしさを込めて彼女は囁いた。昨日、森の中で汚らわしい指先から必死に守り抜いたその清らかな唇を、今は自ら佐藤へと差し出し、甘く啄んでいる。

 

「あ……っ、は、あぁ……っ! さとう、さん……私の、ここ……熱いです……っ」

 再び腰を激しく振り始めた彼女の瞳には、もはや迷いはない。溢れ出した自身の密かな雫が、佐藤の肌をドロリと濡らしていく。佐藤の無言の圧力が彼女の理性を完全に焼き切り、咲希は自ら腰を突き出し、自身の熱い揺らぎで佐藤を必死に弄ぶように悶えた。

 限界まで高まった衝動が爆発し、咲希は弓なりに背中を大きく反らせた。絶頂の余韻に全身を激しく震わせながら、彼女はそのまま佐藤の胸の中へと体を預けた。

 自らの快楽を吐き出し、佐藤の腕の中で荒い呼吸を繰り返していた咲希だったが、ふと我に返ったように佐藤の顔を見上げた。

「……私しか満足してませんね。上手くできるかわかりませんが……」

 そう呟くと、彼女は佐藤の上から降り、再び彼の足元へと跪いた。彼女自身の痕跡をたっぷりと纏い、艶やかに光る佐藤の熱量を、愛おしげに見つめる。

 咲希はためらうことなく、その熱い先端を自身の口腔へと導いた。両手を使い、根本から力強く、しかし丁寧に扱き上げながら、口腔内の熱で包み込んでいく。舌を巧みに動かし、佐藤の昂ぶりをさらに煽り立てる。未熟ながらも必死なその奉仕に、やがて佐藤も限界を迎え、咲希の奥深くへと熱い白濁の証をたっぷりと解き放った。

「……っ!?」

 予想以上の量と衝撃に、咲希の肩が大きく跳ねた。しかし、彼女は顔を逸らさなかった。口内に溢れる佐藤の「支配」の味をすべて受け止めると、喉を鳴らして少しずつ嚥下し、最後の一滴まで自らの中へと沈めた。

 彼女は唇の端を指で拭い、濡れた瞳で佐藤を見上げた。

「……上手にできましたか?」

 どこか挑発的で、それでいて従順なその上目遣い。佐藤に完全に支配され、自ら快楽を捧げきったという実感が、咲希にとっては狂おしいほどに濃厚な充足感を与えていた。

 一階の住人たちが、淀んだ熱気のなかで衰弱していく中、二階のこの部屋では、一人の少女が人間としての尊厳を「佐藤悠」という器に捧げることで、冷酷な世界の王に従う『影』へと生まれ変わろうとしていた。

 教育が一段落した頃、美咲が温かいスープを持って部屋に入ってきた。彼女は、首輪を嵌められ、佐藤の足元で陶酔の表情を浮かべる咲希を見ても、驚きはしなかった。

「咲希ちゃん。これを飲みなさい。……佐藤さんに選ばれたのなら、もう大丈夫よ」

 美咲の言葉には、同じ男に魂を預けた者特有の、静かな共感があった。咲希はスープを受け取ると、佐藤の顔を一度見上げ、許しを得てから口にした。その一挙手一投足が、すでに佐藤の意思を介さなければ成立しないほど、彼女は深く依存していた。

 佐藤悠は、二人の女を従えながら、窓の外を見遣った。

 一階では、田中たちが負け犬の遠吠えのように憎悪を募らせているだろう。だが、彼らが何を持とうと、どれだけ吠えようと、佐藤の築いたこの「支配の帝国」を揺るがすことはできない。

「さて……次は、このアパートに足りないものを、もう一つ用意するか」

 佐藤の瞳の奥に、新たな計画の火が灯る。

 それは、この閉鎖された空間において、誰もが渇望しながらも手に入れることのできなかった至高の贅沢。

 嫉妬と欲望が渦巻く『シャン・ソレイユ』。

 二十六日目の夜が、支配の階段を一段登る音と共に、深く更けていった。

最後までお読みいただきありがとうございます!

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次回は明日21時頃に更新予定です!

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