二人の復活
「完全復活!」
四課の職場に永戸と神癒奈が戻ってきた。だが不思議なことに、神癒奈は元気そうだが、永戸はすごくヘロヘロになっていた。
「永戸君、君らしくもないじゃないか、一体何があったというのかね?」
「ちょっと、入院先で血を大量に抜かれまして…」
永戸は退院の際にもらった造血剤を飲み、お茶で流し込む。入院生活中、血があるならほぼ毎日、血液検査と称された吸血が行われ、永戸から血が抜かれた。あの看護師の言う都市の進歩は結局起きたのかは真相は闇の底だが、だが、永戸のメンタルと体力は大きく削られた。そういうわけでへろへろだったが、うごけないよりはマシだった。
「とは言え、元気に退院してくれて私は嬉しいよ、二人がいない間は四課は閑古鳥が鳴いていたからね。しばらく二人が休んでいる間の話は聞いていたかね?」
「はい、悠々自適なバカンスを楽しんでたそうで、羨ましいですよ」
永戸が自虐気味に笑うが、ユリウスは言った。
「そうだね、フィアネリス君達は今バカンス中だ、閑古鳥が鳴いてるとは言ったがほかの四課のメンバーも大半が出払っている、今いるのは君達と残った少数だけだよ」
部屋を見渡せば、残っていたメンバーはユリウスを含めると、ランジーとライ、リオーネに玉藻前とこれだけだった。
「私達はデスクワークで残っていた、政治などに詳しい二人に助けられていたよ」
「ま、人材の有効活用ってところね、ライはいい使いになってくれたわ」
そうして話すのはライとリオーネで、ライはこの隊では珍しい盾使いの男で、四課には割と古い時期からいる。
「妾もじゃ、たまのですくわーくとやらもなかなか悪くないのう、現場の仕事も楽しいが、じゃが肩が凝る」
玉藻前もペンでかりかりと書き終えると、肩を回しては二人の帰りを出迎えた。
「戻ってきてその状態でいきなり仕事も流石にブラックだろう。折角だ、君達にも休みを与えようと思う」
「休み? もらっていいんですか?」
「構わないよ、君たちは最前線で常日頃から戦いに明け暮れているからね、その礼と言ってはなんだが、君達に特命を命じる」
「特命と聞くだけでいやーな予感がするのですけど」
神癒奈が引き攣った笑いを見せると、ユリウスは「うむ」と笑って言った。
「君たちに対する特命だが、リオーネ君から話される、リオーネ君、言ってくれたまえ」
「分かったわ」
コツコツと歩き、リオーネが二人の前に立つと、二人にこう言った。
「アンタ達はアタシとライと玉藻と一緒に竜の国へと飛んでもらうわ、素敵な竜の国への旅よ、どう? 気に入ったでしょ」
「気に入ったって」
「それってつまり」
『結局"仕事"ってことじゃねぇかぁあああああ!』
フィアネリス達の休みは続きそうだが、どうやら永戸達の受難は、まだまだ続きそうだった。




