タネ明かし
『え"ぇえええええっ⁉︎ ただの合同訓練⁉︎』
「そっ、何を本気にしたったんか分からへんけど、アンタらが命賭ける必要性は全然ありゃせんかったって話や、あの全知の天使から聞いておらんかったんか?」
そう言われるとフィアネリスが何か言おうとしてた気がすると二人は思い返す。考えてみればこの訓練会場から彼女は転移を使って自由に行き来することができ、いつでも訓練だと伝えられたはずだ。それに気付くと二人はわなわなと震え、声を上げた。
「フィーネェ!」
「フィアネリスさん!」
「はい♪ いつもあなたの隣に、フィアネリスです、何か問題がありましたか?」
怒った二人が声を上げると、転移でぬるりとフィアネリスが現れる。それに対して二人は猛抗議した。
「お前わざと訓練であると情報を伝えなかっただろ! いつでも伝えられるタイミングがあったにも関わらずだ!」
「私達を騙したんですか⁉︎」
「騙しただなんて人聞きも天使聞きも悪い、私が伝える前にマスター達が先に行った、ただそれだけですよ」
『嘘をつけぇええええ! 土下座!』
「ひぃんっ♪」
土下座をさせられ、フィアネリスは情けない声を上げながらその場に座り込む。そのままガミガミと怒った二人に罵声を浴びせられ続ける中、兵器開発部のフェレッタがやってきた。
「いやぁ、二人の壮絶な戦いを目の当たりにできて良かったよ。君たちの本気が見れて私は実に感激した。都市からなり損ないが殲滅されるわけだ、実に素晴らしい」
「そりゃどうも、こっちはこのバカ天使に振り回されたけどな」
「だが知見は得られた。君たちの戦いのデータを元に新装備の開発に取り掛かるとしよう、完成したら楽しみにしていてくれたまえ」
そう言ってはフェレッタはEパッドをいじりながら去って行く。それを見送っては、永戸と神癒奈は呆れた表情になる。
「はぁー、何でこういうところで報連相しっかりしないのかなぁ」
「骨折り損ってヤツですね」
「もはや死語だよその言葉、いつ使うか分からないくらいの」
空を見上げながら、二人は黄昏た。
「まぁ良いではありませんか、他の課からも評価を得られた事ですし」
永戸と神癒奈はもう一度ぎろりとフィアネリスを見ると、こう言った。
「罰として一ヶ月家の料理当番だな」
「家事もよろしくお願いしますね」
「私の話を聞かないお二方が悪いのに、なんて鬼畜な!」
『言わなかった責任もあるだろ!』
こうして、波乱の合同訓練は幕を閉じたのだった。




