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ヒトとキツネの異世界黙示録Ⅱ  作者: 遊戯九尾
第二部最終章 全てに大団円を

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翼よ、天へ舞い上がれ

 先行した天使隊と合流したフィアネリスとアンフェリアは、オメガのいる暗礁宙域を飛ぶ。すると早速。オメガの本体が襲いかかってきた。


「各機散開! 取り込まれないよう戦ってください!」


 フィアネリスの指示で全ての天使が散り、宇宙戦が始まる。


「ストライクボマー隊、エンゲージ!」

「ワイズマン隊! 交戦を開始します!」

「ストライダー隊! 敵を殺す!」

「シューティングスター隊! 狙撃支援を開始します!」


 今回の呼びかけに答えてくれたのは勇敢な天使達の複数隊だった。旧型の装備もあったが、全員がベテランで、戦いにおいて信頼を置けるメンバーであった。そして、その中を、二つの翼が駆け抜ける。


「ラグナロック隊! 目標を駆逐します!」


 フィアネリスはアンフェリアと二人並んで飛び、敵の殲滅を目指す。オメガの原生体が飛び交ってくるが、フィアネリス達はガンやミサイルを撃つと、見事にオメガが破裂した。


「やはり! 司令部へ! Xが見せたオメガの殲滅方法は有効です! このまま船に近づく個体を全て撃破します!」


 フィアネリスは飛びながら司令部にそう伝えると、翼をはためかせながら二人で飛び続けた。

 が、その時、通信に妙な言葉が聞こえてきた。


「敵確認! あれは……黒い、六枚羽⁉︎ うわぁあああ!」

「ストライクボマー4ロスト! なんだアレは……堕天使⁉︎ どうしてこんなところに」

「っ! ストライクボマー隊、敵の位置を送ってください! あとは我々がそいつの相手をします!」

「了解! 敵位置送信! あとは任せました!」


 そうしてフィアネリス達二人は、指定の位置まで飛ぶ、すると、暗い宇宙に真っ黒な翼が飛んでいるのが見えた。


「アレが、堕天使⁉︎ なんでオメガの味方に⁉︎」

「……本当に堕天使ならよいのですが」


 フィアネリスは嫌な予感を察知しながら波動砲をチャージして向こうに放つ。すると向こうも波動砲を撃ってきた。それぞれが回避し、ヘッドオンで交差した時、フィアネリスとアンフェリアは見た。あちこちがボロボロの姿ながらフィアネリスと瓜二つの姿で飛ぶその姿は……間違いなく……。


「えっ⁉︎ センパイが、二人⁉︎」

「アレは私ではあって私ではありません。アレは。オメガに取り込まれた私です」


 フィアネリスは確信を持ってそう言い切り、通信機越しに聞こえる歌声を聞く。こちらより機械的な声だが、聞いてて確かにわかる。これは、フィアネリスの声だと。


『〜♪』

「アン! 音楽の音を上げなさい! アレに負けないくらいデカく!」

「分かった!」


 そうして音楽の音が上げられ、フィアネリスの耳にアンフェリアの音声が流れ込む。流れる曲は敵ボスと戦う時に流れそうなかっこいい曲だった。


「さぁ、私達と」

『踊っていただきましょうか♪』


 通信機越しに聞こえる声とフィアネリスの声がハモり、フィアネリスの模倣体との戦闘が開始される。


「フォースシュート、来るよ!」

「当たりはしない!」


 シールドが射出されてきたのを。フィアネリスは寸前で避ける。急制動をかけると、フィアネリスはガンで模倣体を狙った。


『っ』


 模倣体はそれを盾で防ぎ、剣で斬りかかってくる。フィアネリスはそれを同じ剣で防ぐと、ビットを射出し模倣体を攻撃した。


『甘いですね』


 フィアネリスから離れ、ビットを空中で迎撃すると、模倣体は翼をはためかせて飛ぶ、その後ろをアンフェリアはついた。


「当たれ!」


 ハイパー波動砲を連射し、同時にフォースシールドビットを射出すると、模倣体に猛撃を加えていく。だが模倣体は最低限の動きで捌き、回避すると、アンフェリアの頭上を取った。


『いただきます♪』

「しまっ…⁉︎」

「アンッ!」


 アンフェリアをクローフォースを射出して攻撃から回避させると、フィアネリスは安心した。

 だがフィアネリスは考えた。この敵、自分の模倣体とだけあって通常の手段では倒せないと。恐らく相手も全知を使っているだろう。フィアネリス単体で戦えば互角のはずだ。

 ならば……ここに必要なのは、向こうが持ってないカード、アンフェリアだとフィアネリスは感じ取る。


「アン! 二人で攻撃しますよ! 息を合わせてください!」

「了解!」


 フィアネリスとアンフェリアは離れ、それぞれの向きから攻撃を開始した。


「バーストモード! ギガ波動砲! 発射!」

『武装限定展開、射撃開始(ファイア)』


 アンフェリアがバーストモードで波動砲を撃ち込むが当然ながら避けられ、模倣体が翼から火器を展開し、アンフェリアへと撃ち込んだ。

 彼女はそれを高速で飛んでかわしていき、カートリッジを交換すると、もう一度、今度はノーマルで波動砲を撃った。


『何度やっても無駄なことです♪ たとえ数が一人増えようと』

「ええ、ですが、二人ならどうでしょうか!」


 フィアネリスが避けようとした模倣体の背中を取りガンを斉射した。その瞬間、模倣体の翼が何枚かもがれ、奴は不安定な状態で飛ぶことになる。


「やった⁉︎」

「いいえ、まだです!」

『武装変更、ノーチェイサー』


 高速飛行型へと装備を変えた模倣体は、あの状態でより加速すると、フィアネリス達より速く飛ぶ。


「冗談でしょ⁉︎ アレよりもっと早くなるっていうの⁉︎」

「弱音を吐くには早いですよ! 我々も! 空を駆け抜ける翼を持っています! 武装変更! ノーチェイサー!」


 フィアネリスも高速飛行型へと武装をチェンジし、模倣体を追いかける。だが、アンフェリアにはそれを行えるだけの速度は持ち合わせていなかった。

 そしてフィアネリスはこのままいくと見える未来を予想すると、一つの賭けとしてアンフェリアに言った。


「アン! 頼みがあります!」

「何⁉︎ あたしじゃあこれは追えない!」

「追わなくて構いません! 狙うのは、私にしてください!」

「はぁっ⁉︎ それってどういう⁉︎」

「後少しなんです! 後少しで、墜とせる領域にきます! 信じてください!」

「……分かった! フィーネの言う事なら、信じる!」


 きっと、フィアネリスに何か策があるのだろう、そう信じたアンフェリアは、彼女から送られてくる飛翔方向の向きを計算してロックして飛ぶ。


「くぅううううっ!」


 フィアネリスは強烈なGに耐えながら模倣体の背後をとって飛行を続ける、ロックオン波動砲で狙いを定めるも、次の瞬間、模倣体が急ターンしてこちらに剣を振るってきた。


「今っ!」

「っ!」


 フィアネリスにロックが定まり、アンフェリアはフィアネリスを撃った。射撃時のそのわずかな時間、フィアネリスは体をそらし、模倣体の攻撃もアンフェリアの射撃も避けると、模倣体は見事にアンフェリアの射撃に入り、体を撃ち抜かれた。


『……!』


 通信機に、激痛を感じた声が聞こえてくる。トドメを刺そうとフィアネリスが剣を振るうが、その時、聞こえた声に、フィアネリスは一瞬、火乃香と出会った時のことを思い出した。


『あとは頼みましたよ、私』


 そうして核が両断されフィアネリスの模倣体が撃破された。撃破を確認すると、周辺宙域の状況を確認する。外部防衛のオメガはほとんど無くなっていた。


「周辺を制圧! 突入部隊は攻撃を!」


 その声が聞こえた時船から揚陸艇が発進されるのが見えたのだった。それに対して、フィアネリスとアンフェリアは互いに並ぶと、後は任せると敬礼をしたのだった。

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