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ヒトとキツネの異世界黙示録Ⅱ  作者: 遊戯九尾
第二部第九章 巨大な影と、さらなる侵略者

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反撃の嚆矢

「嘘……ここに来て、スーパーロボットバトルを見せつけられるのですか?」

「どうやら……そうみたいだ」


 敵にはまだロボットがいることは気づかれてないようだった。だがロボットは一歩も動こうとしない。まさか誰も乗ってないんじゃなかろうか? そう思った時、フェレッタからこう言われた。


【あーすまない、パイロットに関しては用意できなかった。いかんせん操作が独特かつ、二人乗りを前提としたロボットだからね、バトルフレームとは基幹設計が大きく異なるのだよ。そもそもこのロボット、工事用の大型アームなどを改造して無理矢理ロボットにしたようなものだし】


 さらっと聞きたくない情報を聞かされ、永戸達は嘆く。搭乗者もいないロボットで、一体どうやってあのデカブツを倒すのかと。すると、フェレッタはこんなことを口にした。


【なので、君達が乗り込んでくれ、永戸君、神癒奈君】

「はぁっ⁉︎ 俺たちバトルフレームならまだしも、こんな巨大ロボットの操縦なんて学んだことないぞ!」

【まぁまぁ落ち着きたまえ、そのロボットは心配せずとも素人でも簡単に操作ができる。ただ、適正のあるパイロットがいなかっただけでね】

「……なんだろう、二人乗りといい適正といい、どっかで聞いたことのあるようなロボットに思えて来たぞ」


 永戸は目の前の光景とそのロボットの設計から、あるロボット映画を連想した。まさかとは思うがとフィアネリスを呼ぶ。


「フィーネ、火乃香を頼む」

「任されました、行ってらっしゃいませ」

【とにかくコックピットまで走ってくれ、ナウ!】


 言われたら仕方ないと火乃香を飛んできたフィアネリスに託すと、永戸と神癒奈はロボットのコックピットに向けて全力疾走した。


「コックピットの位置はどこだ⁉︎」

【頭だ! 横にハッチがある!】


 頭の部分までケーブルで上がり、ロボット搭乗用のハッチに入り込むと、中には二人の人間が立って動かすような装置があった。


「やっぱこの方式は有名なロボット映画のアレじゃねぇかぁあああ!」


 怪獣と戦うロボットの映画を連想すると。フェレッタの話を聞く。


【パイロットスーツはいらない、頭に思考操作用のヘッドセットをつけてくれ】


 驚いている暇もなく。ぶら下がっていたヘッドセットをつけると、二人は操縦桿を持って立つ。


【さぁ動きたまえ鋼の巨人! 超大型決戦兵器"タイタン"よ!】


 システムを立ち上げると。OS名にタイタンと表示され、二人の脳が接続される。


【これから君たちの記憶を共有させるよ。何、君たちならば記憶を追いかけることはないだろう、では、脳の同調開始】


 フェレッタの指示でコックピットに立つ二人の脳が同調し始めた。二人の記憶……大戦の時の記憶や、一族を滅ぼされた時の記憶が、一瞬で流れ込んでくる。だがそれに耐え切ると、二人の脳が同調され、同時に操作方法などが頭に直接入り込んできた。


【どうやら成功したみたいだね】

「ちょっと酔いそう」

【そりゃそうとも、脳を揺らす体験だもの。だがこれで条件は全てクリアされた、さぁ、一歩踏み出したまえ】


 永戸達は言われるがまま足を一歩前にした。すると、巨大ロボット、タイタンが一歩歩き出す。


【いい調子だ、都市はなるべく壊さないでくれたまえよ、市民の流した汗によってビルが建ってるのだからね、これより武装を解放する。思う存分暴れてくれたまえ】

「行くぞ!」

「はい!」


 一歩ずつ歩き、永戸達はタイタンを敵怪獣の前に立たせる。


『人間がそんなおもちゃを使って、この戦艦と相手だろうなどはなはだおかしいわ!』


 怪獣が吠え、主砲のチャージを行う。


「どうすれば⁉︎」

「とりあえず殴れ!」


 こういうロボット作品のお約束、巨大兵器とのプロレスが始まった。主砲をチャージする怪獣に対し、タイタンがアームで頭の部分を思いっきり殴った。

 ゴウンッ! と強く叩かれる鉄の音と共に、怪獣の頭が明後日の方向に向き、主砲も外れる。


「もう一発!」


 容赦はしないと反対の手で今度はアッパーをかました。再び鈍い音が鳴り、怪獣はのけぞった。が、怪獣も負けじと、変形させた腕でタイタンを殴る。


「あわ、あわわっ!」

「落ち着け! この程度で沈むほどコイツはヤワじゃないはずだ!」


 タイタンの性能を信じ、永戸達は立て直すと機械を操作し、今度は腕に電磁パルスを纏わせると放電状態で怪獣を殴った。それは機械によく効いたのか。怪獣は痺れながら一歩下がる。


「まだまだ行くぞ! ロケットパンチ!」


 怪獣の首元を掴むと、タイタンの肘からブースターが展開され、噴射すると同時にパンチが放たれた。強い衝撃で怪獣の表面がひしゃげ、装甲がバラバラと崩れ落ちる。

 カウンターで怪獣が殴ってきて機体がのけぞる。


「こんのぉっ!」


 電磁パルスによる打撃をもう一度行い、怪獣にダメージを与える。

 だが倒すにはまだ至らない。

 怪獣は副砲をタイタンに向けると、撃ってきた。


「うぅ!」

「損傷は⁉︎」

【あー……少しまずいね、あらゆる技術を統合して作った兵器なのだが、相手の砲台の攻撃までは防げないようだ】

「こっちも何か他に武器は無いのか!」


 永戸は何か使える武器がないか探す。するとパルスカノンとレーザーブレードがあった。


「砲台を使えなくすりゃいいんだろ!」


 背中のパルスキャノンを展開し、チャージしては怪獣の側面にある副砲の一つを撃ち抜く。怪獣は副砲の爆発でよろけるが、永戸達は容赦せず、追撃を入れた。


「レーザーブレードを使います!」


 腕部が展開すると、大型のレーザーブレードが出される。それで怪獣の胴体を斬ると、装甲が溶け、怪獣に大打撃が入った。


『おのれぇえええええっ!』


 Fの叫び声と共に怪獣が再び主砲と副砲をタイタンに向けた、副砲が先に放たれ、タイタンは避けようとするが、片腕がもげてしまう。が、レーザーブレードを展開したもう片腕は無事で、その片腕を怪獣の頭部に当てると、主砲ごと頭部をぶち抜いた。


『なっ……負ける⁉︎ 我々次元生命体……が……次元を渡る術も知らぬ人間風情に⁉︎』

「トドメ行くぞ!」

「はいっ!」


 頭部を貫かれた怪獣の胴体を、レーザーブレードで貫くと、パルスキャノンを向け、チャージされた弾が全てなくなるまで連射した。結果、怪獣の胴体に大穴が開き、怪獣はそのまま倒れ、地面に崩れ落ちた。


「やりましたか……?」

「流石にもう動かないだろう」


 その時、各方面から信号弾が放たれた。その信号弾の色は奪還完了を意味を示す色で、都市ミズガルズは、見事次元生命体Xの手から、落とされるのを防ぎきったのだった。

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